幻肢

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 301
感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163901091

作品紹介・あらすじ

映画版とは男女が逆転したオリジナル・ストーリー事故で記憶を失った糸永遥は不安と焦燥でうつ病を発症。治療のためTMS(経頭蓋磁気刺激法)を受けた直後から恋人の幽霊が現れる。

感想・レビュー・書評

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  • 途中位から、中だるみ感を感じて、飛ばし読みで読んだ。

    うーん、あまり好みではなかった。

  • まあまあ楽しく読めました

  • ひたすら脳についての説明。
    wikipediaを読んでるみたいだった。

  • プロローグは脳機能(主として前頭葉)の医学的な解説から入る。切断してなくなった四肢が感じる疼痛やかゆみは自然に備わった自己防衛機能である。
    こういった解説は面白かった。
    これが、それから始まる物語の背景になっている。

    車の事故にあった医大生はショックで一過性の記憶喪失になり、重度の欝状態に陥る。
    最新の医療技術で磁気治療を受ける。

    しかし事故当時いったいなにがあったのか。
    車の同乗者は恋人だったのか、彼はどうなったのだろう。

    治療の効果が出て欝は回復に向かうが、恋人の幻が現れる。

    そんなストーリなのだが、脳機能の医学的な解説は、SFの形を取ったファンタジー小説には科学的な根拠を与えること、これがしっかり書かれていないと興味は半減する。
    そのところはいい。
    でも、ストーリーは全く浅く、食材はいいがまずい料理を食べた感じだった。
    大御所と呼ばれる作家の作品にしては、映画化、映像化の前の前振り的な軽い読み物になってる。
    三角関係かなという思わせぶりな女性たちは消えてしまった上、重症で一ヶ月の入院に親は顔を見せず弟を通して状況を聞くだけ。
    高額治療費は、同じ医科大の内部処理で済ませたのか。治療機器も付き添いなしで自由に行わせていいのか。常時個室で看護師が付き添うと言うようなことはあるのか。
    などと疑問点が多い。
    100ページあたりで後の展開が見え、少し進むと最後は二通りの解決があるだろうと予想がつく。

    面白い題材なのに、期待も大きかったのに残念だった。
    400ページほどだが、会話は一行で改行されているし読みやすくてすぐに終わった。

  • 島田荘司は好きだけど、御手洗シリーズの犬坊里美みたいに、お気に入りの女性キャラには少し頭の弱そうな舌っ足らずなしゃべり方をさせるのがいや。そんな話し方しません。そこでリアリティが薄くなる。

    この小説の主人公もそう。ディープな悩みが茶番くさく見える。

    あと意識的に排除したんだろうけど、展開がどれだけ進んでも警察の介入がまったくないのはおかしい…

  • 女を悪く書くことに定評がある島田荘司を久々に読んだ。

    主人公の糸永遥は予想通り悪かった。

    島田さんは脳について興味があるのね。

  • 強い裏切りにあったきもち

  • 映画化という帯が付いている時点で、映画にできる内容というネタばれだ。

  • 「占星術殺人事件」と同じ作家が本当に書いたのかしら?

    事故により突然失った手足などが変わらずあるように見える現象を『幻肢』という。
    大切な人を亡くした時も人は幻肢を見るのだろうか。

    交通事故により記憶障害を負った主人公・遙。
    『TMS』という脳に電磁波を当てる治療を施すと、死んだはずの恋人・雅人が見えるようになる。
    でも事故の記憶は戻らない。
    一体なにがあったのか。

    興味のある題材だけど、無駄な会話が多くて辟易した。
    1ヶ月も入院するほどの状態なのに、家族に知らせていないのも不自然。
    頻繁に様子を見に来てくれる友人にも迷惑かけてしまうし、しかも医大生ってやることいっぱいで忙しいのでは?

    突っ込みどころ満載で、期待していたミステリーとは違ったな~。
    ミステリーでなくても、スリリングでサスペンスな内容にもできただろうに残念。

  • 。。。ええー。。。。とんだメンヘラじゃねえか。。。。(呆れ顔)。。。。。な、読後感。
    なんだろ、いろいろ不自然すぎるし。幻肢どうこう脳医学どうこうの仮説は不透明でもいいけど、これだけの事故&入院をしといて、家族に連絡もせず過ごせるわけない、医学生なら数か月まともに授業うけられなかったのに同じ学年にしれっと復帰できるわけない、いくら研究対象でもこういった高額治療が万が一の同意契約なしに口約束だけで無料になるわけない、葬儀の手紙の伏線はまったく回収されてない、そして最後の、結局ヨリが戻るラストが何よりきもちわるい。だれの感情も同調できん。雅人も遙も人間的にピントがずれてるからこんなひとたちに医者になってほしくない。
    どういう理由があるんだろと、終盤まで知りたい気持ちはもてたけど、じっさいの事故理由にはおおいに裏切られた。なんじゃこれ。でした。

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著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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