- Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163901299
作品紹介・あらすじ
相州と上州、それぞれの関所破り。十兵衛いかに始末をつける保土ヶ谷の道案内角太郎を殺した河童の六こと六蔵を追って関東取締出役の桑山十兵衛は、河童の六の出身である相州の松田惣領まで、足を延ばす道すがら、溝口にて鐘撞き講で金を集める破れ坊主を懲らしめる。だが、肝心の河童の六はとりにがし、保土ヶ谷の一件は、わからずじまいとなって江戸へと戻ってきた。江戸へ戻った十兵衛を待っていたのは、日光例幣使街道の上州玉村宿のそばにある竹田村で、朝早くに川向こうの穂波村から、鉄砲の玉が飛んできたという訴えだった。時を同じくして、玉村では道案内が殺され、その下手人である侠客定次郎は子分を連れてそのまま姿を消したという。鉄砲をきっかけに、穂波村に立ち寄った定次郎一味の足跡を見つけられると考えた十兵衛は、玉村の道案内の後任を決める必要もあり、今度は上州へと向かう。破れかぶれになり、関所破りで、せめて名を上げようとする侠客定次郎一味。そして、河童の六は、いずこへ流れたのか。それぞれの関所破りは、思わぬ方向へと展開をみせる……。十兵衛は、首尾よく彼らを捕えることができるのか。人の欲を見つめて、関八州を経巡る十兵衛がつける、侠客たちへの意外にな始末とは。ご存じ、人気時代小説・八州廻り桑山十兵衛シリーズ待望の第九巻。
感想・レビュー・書評
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『八州廻り桑山十兵衛』シリーズ第9作。
奇妙な表題は、関所破りの大罪を犯して逮捕された上州の大悪党者・定次郎が、役人に賄賂をつかませて、目籠(めかご=犯罪者の護送用の竹製のカゴ)の中で華美な格好をしてカネをまくなど、まるで練り歩くようにして江戸入りしたという意味。
八州廻りは行く先々で「道案内」とよばれる手先を使っていた。江戸でいえば岡っ引きにあたるもので、往々にして土地のヤクザや鼻つまみなど、裏社会にも通じている者が二足のワラジをはく形で御用をつとめた。
この道案内が、上州(群馬)と相州(神奈川)で相次いで殺される。道案内の殺害は、お上の威光を傷つける行為だから、決してほうっておけない。
ふたつの事件はなんの関係もなく、たまたま同じ時期に発生した。十兵衛たち八州廻りは、事件の解決のために、上州に相州にと歩き回る…という一席。それにしても当時の人たちは馬も使わず、いやになるような距離をひたすら歩くものだなあと感嘆するしかない。 -
桑山さんの格好良さが控えめですね。
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2014年9月刊。9巻め。8章構成。今回の十兵衛さんは、まるでスーパーマンのようでした。そのめざましい活躍に驚いてしまいます。
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【二つの関所破り。十兵衛いかに始末をつける】河童の六兵衛と、博打打ちの定次郎。矢倉沢と大戸。二人の関所破りを追いかけて、十兵衛が掴んだ尻尾の正体とは…。シリーズ第9弾。