トオリヌケ キンシ

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 798
感想 : 158
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163901459

感想・レビュー・書評

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  • 外見上は容易に分からない生きづらさや困難、事情を抱えた人たちの短編。私も含めて、世間はすぐ病名やレッテル貼りをしては分かった気になるもの。だが生きる人1人ひとりの過剰な、或いは欠けた感覚や痛みを説明、理解することはとても難しい。痛み、苦しみ、悲しみそして理解されづらいことによる孤立や生きづらさが柔らかな筆致で沁みるように入ってくる。苦しんでいる人たちの様子どこかに、自分を重ね、救われたような温かさで読み終わった。

  • 儚さ
    淡い思い
    ハンディを持つことの悲しさ
    それらを綴る時
    加納朋子さんの筆が
    冴え渡る

    大病後
    ますます その辺りの感性が
    研ぎ澄まされているような気がします

    読んでいて
    本当に ほっと させられますね

  • 短編集

    困難な出来事があっても前へ進める
    力の湧くお話

    再読したい

  • 軽やかで陰のない乙一、といった印象。短編集で、爽やかな読後感のお話が多かった。設定は特殊でも、人物像にインパクトがあるわけじゃなくて、それなのに魅力的。それぞれのお話が最後にリンクするのもとても良かった!

  • 人とは違う感覚を持っている人達にそれが原因で起こる出来事を語る短編集。優しい母が変貌してしまい虐待を受ける話のように苦しいものもあるけど基本優しく結ばれるので軽く読んでいたら最後で思い切りひっくり返された。困難の中に小さく光る希望が切ない。

  • 他人には、なかなか分からない困難、身体的な特色や病を持った人々が登場人物の短編集。

    深いです、とても。
    ストーリーは優しく、ほんわかしたものばかりですが、深刻な問題を含んでいるので、いろいろ考えさせられます。

    それぞれのお話が、先が見える形での終わり方だったのは良かったです。

  • 短編小説
    加納さんの今まで読んだ短編は、微妙に他の話とのつながって、
    全体的に大きく1つまとまっていたりして、すごいな、と思う作品が多かったのですけれど
    これは、別々のお話でした。
    病気、特殊能力ものが多かったです。

  • 障害や病気に焦点をあてた
    短編ミステリーでありながら
    深刻にはならずに
    ほんわかとした雰囲気はくずさない
    ところが流石の加納作品。
    なんとなく聞きかじって知ってはいた
    障害のことも分かり易く
    そういう点でも興味深く読めた。

  • 生きている限り、いいことばかりじゃなくて、みんな何かを抱えて生きている。でも、生きていればこそ。みんなみんな、そこまで苦労した分、幸せになってほしいなぁ。子犬に救われたあずさちゃんと陽くんも、平穏で平凡で幸運で…最強タッグな夫婦も、ちゃんとお母さんをみつけたタクミくんも、お互いの好きの理由がわかった佐藤くんと鈴木さんも、カメを助けたウサギさんも(笑)、…出口を見つけた伊東くんも。 ファインプレーの兎野一家、大好きです。

  • 6つの短編集に共通するのは『特殊』なもの。

    こんなものがあるのか、というほど
    すべて違うもの。
    最後だけ、一体何の夢落ちなのかと思うほど
    前半奇妙な世界。

    2話目の『特殊』は、警察官にでもなったら
    検挙率がよかったかもしれません。
    が、平穏と自分を貫く(?)のが一番です。
    最後の落ちに、こういう女いるな…と思いました。

    5話目の座敷童。
    うまくどうにかいったな、という話。
    しかしおじいさん、己の家の不審に
    とっとと気がつきましょう。
    いやでもタイミングがあれなので
    この立場になると、そう思うかも…。

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著者プロフィール

1966年福岡県生まれ。’92年『ななつのこ』で第3回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。’95年に『ガラスの麒麟』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)、2008年『レインレイン・ボウ』で第1回京都水無月大賞を受賞。著書に『掌の中の小鳥』『ささら さや』『モノレールねこ』『ぐるぐる猿と歌う鳥』『少年少女飛行倶楽部』『七人の敵がいる』『トオリヌケ キンシ』『カーテンコール!』『いつかの岸辺に跳ねていく』『二百十番館にようこそ』などがある。

「2021年 『ガラスの麒麟 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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