- Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163901725
作品紹介・あらすじ
世界文学を更新する、破格の長篇小説文学の荒野をひとり行く中原昌也が、ついに長篇小説を世に問う。もはや世界のどこにも存在しない人間の意識の描出に挑む問題作。
感想・レビュー・書評
-
再読。
信頼できない語り手は信頼できないという1点においてのみ信頼できるということの証左であろう。
反語法によりアベノミクスや東京オリンピック、特定秘密保護法を礼賛してみたり(語り手はそんなこと1ミリも思っていない)と思えばうっかり本音が垂れ流されたり(家賃、水道光熱費が払えん!といった怒り、愚痴)。
ツイッターで誰かの気分を死ぬほど不快にできたらいいなんておっしゃる著者のことであるのでこの小説の信頼できない語り手は他人を不快にさせるというその一点において信頼できるのである。
絶対支持!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
題名だけだと自己啓発的本と勘違いしそうだけど、もちろんそれは著者ならではの諧謔であって、実際の中身は権威主義に吐いたつばがページにべっとり染みこんだ、ハードコアな現代文学。
POPEYE 2015年JANUARY Issue813
TO DO LIST より引用。 -
飽き性の自分としては、何かが起きそうで起きないこの宙吊り感を駆動力にして進んでいく本作のような小説は好きだ。こういう小説を読むと画家のフランシス・ベイコンを思い出す。
-
理不尽、不条理、不合理、不可解…どの編もどれかがあてはまるんじゃないか。
それらが延々続き400P弱。
食傷気味を通り越してなんだか妙に心地よくすらなってくる。
妄想癖の強いおっさんの頭の中を覗くと、こんな風に色んな事が立体的にガチャガチャと折り重なっているんじゃないか…。そんな気がする。 -
中原昌也は好きな作家だけれども、やっぱり彼は短篇の人なのでしょう。
正直中盤だれまくりでキレもなく、無理に連作形式にしなくても良かったのでは? -
毎度おなじみの中原節でしたが、初の長編のせいか後半若干飽きてた