福井モデル 未来は地方から始まる

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163901855

作品紹介・あらすじ

日本ならではの、「地域再生モデル」があった。共働き率と合計特殊出生率で全国平均を上回る北陸三県。幸福度も世帯収入も高い。その秘密は何だろうか?たとえば、メガネの生産で世界に名を馳せた福井県鯖江市。市民は、「日本でもっとも早く中国にやられた町です」と笑う。ところが、「もっとも早くやられた町」は、いつの間にか「最先端のデータシティ」に変貌を遂げていた。地盤沈下しない都市には、歴史的な「強い教育力」と、平等な「協働システム」がある。大阪、富山、福井を歩き、日本ならではの都市再生モデルを考察した、気鋭のルポ。〇町を動かす「市民主役事業」〇「お得感」の合意形成〇「市長をやりませんか?」プロジェクト〇日本一早い「自発教育」〇「思考のプロセス」が見える教室〇女性も羽ばたく「一緒にやろう」経済

感想・レビュー・書評

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  • 武田鉄矢さんオススメの本。

    鯖江市行ってみたかったんだよなーー。

  • ちょっと福井に関係することをやっているので手に取ってみる。福井モデルとタイトルにあるが、福井に限らず、コンパクトシティの富山市、中国に最も早くやられたけど壊滅しなかった鯖江市、福井大学教職大学院の事例が主に語られている。
    岩瀬の例でも出てくる田舎に典型的なよそ者への排他性と、鯖江のよそ者に寛容な気風は何の違いが原因なのだろうか。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/64684

  • 勤勉、日本人の良いところですね。
    福井モデルのベースにはこうした性向が影響している。

  • 2018年10月16日読了

  • 福井大学就職率=全国の国立大学でトップ
    就職後3年以内の離職率=7.1%(全国平均31%)
    適性にあった就職が行われている。
    人口10万人あたりの社長輩出率=全国1位
    33年間連続1位(2014帝国データバンク)

    146)幸福=今の状態がいつまでも続いてほしいと思う。
    希望=今よりもよい未来の訪れを信じられる。
    幸福が「継続」を求めるとすれば、希望は「変化」の中でつくられる。

  • 「豊かさ指標」(1992~99)で毎年上位にランキングしていたのが北陸三県。
    北陸三県の豊かさを紐解くことで、人口減少・少子高齢化に悩む地方の、明るい未来図を描こうとするもの。

    第二章では、私の出身である富山が特集されている。富山市のコンパクトシティ政策だ。ライトレールや街中の再開発などハードの施策が目立っているが、その理念やソフト施策にもしっかりとスポットが当てられている。特に、森市長の語る人を動かす要素として「楽しいか、おいしいか、おしゃれ」の3つは、ヨーロッパの都市づくりにも共通するコンセプトで、今後覚えておきたい視点だ。

    第3章では、福井県の鯖江市を特集している。鯖江市は地方創生の旗手として様々な面で注目されているが、丁寧な取材により、鯖江市が鯖江市たる理由を知ることができた。

    全体を通して、丁寧な取材の元、関係者も声も交えながら、まとめられいて、とても読み応えを感じる本だった。
    気に入ったフレーズ・箇所
    <「繊維や漆器は斜陽と言われていますが、ある社長さんがこう笑い飛ばしていました。『世間は斜陽、斜陽というが、なぜ斜陽なのか。それは産業が最先端をいっているから、最初に斜陽になるだけだ』と」(P138)>
    <「地域そのものがインキュベーター(孵化器)」という考え方は、今後世界的な経済の主流になるだろう。…アメリカでこの仕組みは、「エコノミック・ガーデン」と呼ばれている。それぞれが役割分担して庭のガーデニングを行うように、企業を支援していくのである。(P159)>
    <企業誘致を彼らはエコノミック・ハンティングといい、ハンティングという発想をやめて、地元の成長しそうな中小企業をみんなでガーデニングのように育成…。この時のポイントは、行政側がどの産業を成長させるかターゲットを絞るのではなく、伸びそうな企業をターゲットにする…。まず、支援したのは、情報提供だ。…また、販路拡大のためのコネクションづくり、経営者セミナーの開催、市場調査、行政による営業や経営のアドバイス、企業活動がしやすいようにインフラの整備が行われた。能力の高い人材をリトルトンに集めるためには、バリアフリーなど、住みやすい町づくりにも注力した。(P160)>
    <市民の皆さんは顧客です。しかし、顧客の皆さんは株主でもある。皆さんにも少しでもお手伝いをしていただきたい。これは”顧客から協働者への変革”…(P167)>
    <「北陸地方におけるダブルインカムによる価値創造モデル…<共働き率、合計特殊出生率のいずれもが全国平均を上回っている北陸三県では、企業は付加価値を高めた経営により家計に正社員雇用を提供する。家計は企業に質の高い労働を提供し、双方を高め合う好循環を構築している。また、行政自治体は、企業の研究開発、家計の子育てをサポートし、好循環を更に加速させている(P225)>

  • 20170923読了

  • 読了。武田鉄矢のラジオで紹介されていた。富山市と鯖江市のことをベタ誉めであった。石川県に住んでるので、あまり知らなかった。北陸の教育は、小学生の娘がいるので、聞いたりすると、自分が受けた学校よりいいのではと感じたりするが、正解ではないかもしれない。感想が、なんとなく冷めた感じになるのは、本の途中は、いいなと思っていたのだが、最後の章で福井の家庭は、3世代同居または近居が多く、共働きが多いとあったのが、ひっかかかった。同居は難しいよなと思う。自分が奥さんの実家の家族と一緒に生活するのを想像すると、嫌ではない。でも回りに想像できないストレスを与えることになるのではと考えることはできるようになってきた。奥さんが、自分の両親と暮らすことのしんどさは、最近ようやく理解できるようになってきた。好きな人と一緒に暮らしたいから結婚するはわかる。好きな人の家族と一緒に暮らしたい訳では、ないもわかる。難しいなと感じた。

  • 2012年に国交省が出したデータは、日本の暗い未来を示したものだった。高齢化・人口減少による地方消滅、という話題も挙がっているが、これらの問題を積極的に解決しているのもまた地方。
    GDPではなく、働く・住む・育てるなど8項目からなる「幸福度」という指標で見ると、意外にも(?)上位に来るのが北陸三県。それら三県での施策を例に取り、なにが幸せを作っているか、が書かれています。

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著者プロフィール

Forbes JAPAN 編集長。著書『福井モデル-未来は地方から始まる』(文藝春秋)は2015年、新潮ドキュメント賞最終候補作になった。2016年には韓国語版が発売され、韓国オーマイニュースの書評委員が選ぶ「2016年の本」で1 位に。2017年、韓国出版文化振興院が大学生に推薦する20 冊に選ばれた。他に『ビジネス大変身! ポスト資本主義11社の決断』(文藝春秋)など。

「2022年 『未来を「編集」する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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