キャプテンサンダーボルト

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  • 文藝春秋 (2014年11月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163901947

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キャプテンサンダーボルトの感想・レビュー・書評

  • 久しぶりに伊坂さん。合作のせいか、スピード感もあり、いつもの国家への疑問、不信感も全面に押し出しつつ話が進んでいくのですが、何かこう足りない感じかな~。最初の方でやたらと登場人物が多くて、それが後にも繋がるのかと思ったら、それはなくて、相場時之と井ノ原悠の2人のドタバタの流れになって別の登場人物と繋がる・・・みたいな、ちょっと変則的だったかな。生物兵器についても、それを使おうとしていた団体の動機が弱いしなぁ、という感じでした。ハッピーで終わって良かったけど。

  • これは・・・ひどい。

    あまりにも評価が高いが僕は完全に最低評価。

    合作だから仕方ないと言ってしまえばそこまでだけど、とにかく登場人物の描き方が浅い。エピソードも浅い。張られまくっている(ように思える)伏線の回収も浅い。さらにあり得ないほど拙いテロの描き方。

    桃沢さん(ヒロイン)のお父さんを思う必死な情報集めなんだったの?胸を見せ付けて悪者に捕まるだけの存在でいいの?
    桃沢さんの上司(首刎ねられて無い方)どうなった?
    相葉君の最初の作戦の実行部隊の友達その後どうした?
    一瞬ちょっと出てきた怪人の仲間(殺されてしまうが)との関係とか一体なんだったの?
    てか、超重要な施設の道筋決めるのポンセ(犬)って…いまどき少年漫画でも無さそうだし。怪人が自分で取りに行けるでしょそれ。
    いのはらの息子の病気治るんかい!!
    銀行の人最後にいきなり出てきたけどその前に少しでも気配あった??唐突すぎ。

    と、まだまだ挙げればキリがないほどの問題点が山積み。

    そもそも主役2人の描き方がほぼ部活のエピソードのみでとても浅いので全然感情移入できない。
    世界全体を又にかけてるテロなのに日本に投入されてるのは怪人だけなんて、絶対100%あり得ない。

    主役から脇役までなんとも言えない語り口で表現して魅力を出していた伊坂節はどこへやら。ちょっと気の利いた台詞回しだけでごまかす形になっていて、最後のほうは逆に辟易(緊迫感増しまくりの場面で軽口とか、まあ、前の作品にもあったのかもだけど興ざめしました)。

    非難されるのを承知で言えば、ホントに学芸会のレベル。ジャニーズの若手が出て、ああ予想通り大変いい加減だけどややハラハラしたよねー、という感想を話しながら家に帰ってくる映画の感じです。

    とりあえず、高評価の方々、お願いだからこれを伊坂幸太郎さんの全てだと思わないで欲しい!
    それだけを節に願います。

  • めちゃくちゃ好きです、このお話。
    阿部さんと伊坂さんの合作なのですが、普通に伊坂さんの作品を読んだような読後感。阿部さんの小説を読んだ事がないので、どの辺が阿部さんか分かりませんでした、すみません。阿部さんの著書も読みたくなりました。

    冒頭、『ガイノイド脂肪に注目しろ!』って1文ですでに私はノックアウト(笑)引き込まれちゃいました。意味不明ながら勢いがあって「何?何?」ってなります。

    小学生の時に野球チームのチームメイトだった井ノ原と相葉。大人になって再会し、トラブルに巻き込まれる。

    村上病・B29の墜落・公開中止になった戦隊ヒーローの映画。色んな謎が絡みあって、最後見事に伏線回収されるまで、ノンストップ一気読みです。

    ヒーローに憧れていた少年たちは、大人になってヒーローになれるのか?お金に困った二人が一発逆転を目指して悪戦苦闘する。まさにエンターテイメント!!!!
    ハラハラ・ドキドキの展開。

    少年の頃の体験・思い出が二人を救うのを読んでいると、今息子がサッカーをやっているのも悪くないかと思えた(笑)サッカー選手にならなくても、何かしら得る物はあるはず!

  • さすがのジェットコースター本

  • 第二次世界大戦時、東京大空襲したアメリカの戦闘機B29が3機だけ、山形に不時着していた。

    そこには後に『村上病』という伝染病を産んだ沼があり、
    平成の現代で『村上病』を調べていた過程で亡くなった官僚の父を持つ娘は、父が残した謎を調べていた。

    そこに、『村上病』を産んだ沼の水を欲する謎の危険外国人からトラブルで追われるようになった二人(高校野球部時代のバッテリー。元ピッチャーは後輩女子を悪徳AV事務所から救う際に借金を背負い、元キャッチャーはアレルギー難病を患う息子の治療費で借金を背負い追い込まれていた)が加わり、
    未曾有の世界危機と戦う緊迫の陰謀サスペンス作品!

    以上、そんな作品で、最後までスリリングに魅了して読む手が止まらないという、面白さは抜群の名作ですO(≧∇≦)o

    一応、伊坂さんと阿部和重さんという方の合作であり、調べたら互いに互いの文章を直し合うほどの混ざりあいとの事ですが、
    キャラクター設定と、あらすじや展開のパターンは伊坂作品の王道パターンであり、
    阿部さんの功績と感じたのは、『敵の存在や組織がきちんと明かされた点』だけでした。

    なので、伊坂さんお得意の『敵の詳細は不明なままの陰謀サスペンス』に、きちんと敵の詳細を明かす要素を入れた『Best of伊坂作品完全版』になります。
    これが伊坂さんの最後の傑作であり、ある意味これを読めば伊坂さんの作品は充分かも知れません。

    そう感じる程、過去作品からの伸びしろがなく、漫画のような魅了だけで構成され現実感が薄いのは、
    他の社会的な警鐘メッセージが込められたサスペンス名作に比べると欠点ですし、
    今作の要素に『野球部、5人戦隊ヒーロー作品、色気を餌に重要情報を得る女性等々』男性読者ばかり面白そうな点が多く、
    女性読者には受けるのかな?という懸念材料もあります。

    そんな感じで厳しい事も言いますが、娯楽陰謀サスペンスとしては面白さ間違いなしの名作でしたO(≧∇≦)o
    伊坂さん作品が気になったり、陰謀緊迫サスペンスが読みたい時にオススメです(^-^*)/

  • 伊坂幸太郎と阿部和重の合作による長編小説。
    出身地の仙台と山形が舞台になっています。

    映画的なスケール感のあるエンタメ小説。
    いつもの伊坂さんよりやや描写が重めかな?
    ストーリー展開は後半とくにスピーディで、楽しんで書いている雰囲気も伝わって来ます。

    幼馴染の友達がひょんなことから再会。
    何かと問題を起こしがちな相葉時之と、真面目なサラリーマンで家族思いの井ノ原悠は気まずくなっていたが‥
    どちらも金に困っている折も折、蔵王の御釜に隠された謎に巻き込まれることに。

    ホテルの部屋の取り違えから起きた事件。
    東京大空襲の夜にあったB29の謎。
    二人が子供の頃に、人気のあるドラマだったが、映画は急に上映中止になった「鳴神戦隊サンダーボルト」‥
    実際の試合経過と同じ、楽天イーグルスの田中マー君の試合振り。
    一見無関係な要素が、だんだん絡み合っていくのが面白い。

    二人は謎のロシア人の大男に命を狙われながら、危険な冒険に乗り出して行きます。
    国家的なスケールの陰謀に立ち向かうのは、ごく普通の人たち。
    かつての彼らのヒーローや、大人になった同級生が手助けしてくれたり、ちょっとした所での活躍が繋がっていくのは「ゴールデンスランバー」的な面白さ。
    相葉が預かっている犬のポンセも、いい味出してます。

    どうなることか?というスリルに満ちたストーリーですが、最後はなんとか円満に。
    ほっとする読後感でした☆

  • 合作…ということで、章や登場人物によってもっとそれぞれの色が出て、「ここは伊坂さんが書いたんだな、ここは安部さんだな」と分かるのかと思ったのですが、そうではなく、完全に境目をなくして一つの作品になっていました。
    申し訳ないながら安部さんはあまり作品を読んだことがないのですが、伊坂さんファンとしては満足です。(いささか伏線?が分かりやすすぎる気もしますが)二人が楽しく作ったんだろうな、というのが伝わってくるような。
    ヒーローとは何かとか、常識は疑うのかとか、世の中の理不尽さとか、自分の信念とか、色々鍵となる要素が多く、多すぎる気はするものの、それぞれが物語としっかり絡みあっていて、そのあたりのつなげかたも見事。
    少々残酷な描写もありますが、テンポよく読み進められるエンターテイメント小説として完成度は高いと思います。

  • 伊坂幸太郎氏と阿部和重氏が合同で書いた、長編小説。舞台は仙台。3.11の大惨事がきっかけで書かれた社会派でもあり、ハードボイルドな要素も詰まったスリル満点の一冊。

    伊坂さんは私の大好きな作家の一人。
    一方、阿部氏のことは今回初めて知った。

    主人公は、幼馴染でありかつての親友同士だった相葉と井ノ原。彼らが、蔵王の御釜に隠された謎に引き寄せられ、ロシア人の謎の男に命を狙われながら、危険な冒険に挑む。
    アウトローで問題児の相葉と、真面目なサラリーマンの井ノ原。性格は正反対だが、どちらも借金を背負い、ひたすらお金に困っている。 B29や、国際テロ、死に至るウイルス…。過去の事件に始まり、扱うテーマは国際レベル。作者二人のダイナミックな思考、そして緻密な設定にいちいち関心しっぱなしだった。伊坂さんらしく、細かな笑いも忘れ無い。
    しかしこの二人の作者、章ごとに交代して書いていったらしいが、違和感を感じないほどテンションは一定していた。

    父親の死の原因を探る過程で、相葉、井ノ原と行動をともにすることになった桃沢瞳、御釜の水の謎の鍵を握るかつての彼らの『鳴神戦隊サンダーボルト」ヒーロー赤木駿、幼馴染の同級生たち、劇場の支配人…など、魅力的な味方たちのキャラクターも良い。
    何より、主人公の男子二人の絆が素敵だね。
    壮大なテーマなんだけど、私はこの二人のちょっとした友情を感じる会話が好き。
    12年前の、井ノ原の怪我の原因を作ってしまった相葉の詫びに対して、そのとき、献身的に支えてくれた女子が、今の奥さん、ということを告白するシーンとか、個人的に好きだな。
    こういう、心温まる小さなエピソードを入れるのが、やはり伊坂さん、巧い。(考えたのは阿部さんかもしれないけど、、)

    是非、劇場版で実写化して欲しいと思った。この、災害・天災の多い、今の時代にこそ作って欲しい映画かも。
    相葉は小栗旬くん、井ノ原は関ジャニの錦戸くんあたりが良いと思う。

  • かつての野球少年だった昔馴染みの二人が、なぜか巻き込まれることになた不可思議な事件の顛末を描いた物語。
    謎めいた「村上病」、「五色沼の水」、公開中止となった映画「サンダーボルト」、それらのキーワードが導いていく真実は、まさに常識を疑わないとありえないもので、だからこそのうそ寒さを感じてやみませんでした。隠蔽のないクリーンな国家なんて、なさそうですから。
    そんな常識外の出来事に立ち向かうは、金策に苦しむふたりの大人たち。どうもダメダメな風情が漂うふたりです。けれど彼らにはかけがえのない大切なものを背負っていて、だからこそ、打ち克つことができたのでしょう。常識を疑わざるをえなくとも、自分を支えてくれる人たちへ戻りたいという想いはなによりも揺るぎ得ないものだったのでしょう。
    ヒーローはまさにその強い想いがあって成り得るもの。それは未来永劫変わらないし、疑いもしなくて良いものでしょう。
    スカッとする物語でした!

  • 冒頭───
     ガイノイド脂肪に注目しろ!
     女の体が目に入ると、特に胸元が見えると、男の脳の扁桃体と視床下部では即座にその指令が出る。
     やだ隅田さん、わたしの胸見てたでしょ。桃沢瞳はワンピースの開いた胸元を手のひらで隠し、横にいる隅田周一に微笑みかけたが、笑顔の奥では男の脳の単純な働きについて考えていた。
     女の胸や尻、太腿を構成するガイノイド脂肪は女性特有のもので、男の脳の欲望中枢はそれが気になって仕方がない。ある性科学研究書に、そんな説が書かれている。
    ──────

    今、図書館の閲覧席でこのレビューを書いているのだが、私の席から一つ空いた左隣の席で小学生の女の子が漢字の書き取りの勉強をしている。
    小学生が一生懸命勉強している姿を見ると、気持ちが穏やかになるものだ。
    ちら見しながら、「勉強がんばるんだよ」と心の中で優しく声をかけている。

    ま、それはともかく、この阿部和重と伊坂光太郎の共作として巷で話題をさらっている「キャプテンサンダーボルト」。
    伊坂氏の地元仙台では、ずっと売り上げ一位を独走している。
    本屋に行ってもいちばん目立つところにどかんと平積みされている。

    で、私の率直な感想を言えば、それほどの感慨を抱く作品ではなかった。

    面白いことは面白い。
    ブクログのレビューでもかなりの高評価を得ているようだ。
    エンタメ度は抜群で、読者を引っ張り込むのは間違いない。
    しかしながら私には、最近のパニックサスペンスにアクションが加わった乱造されているハリウッド映画の小説版にしか思えなかった。

    物語の舞台は蔵王山麓や宮城県や山形県、阿部氏にとっても伊坂氏にとっても、そして私にとっても身近な場所だ。
    蔵王のお釜、仙台西道路、西公園、青葉山トンネルなど見知った地名が随所に出てきて、その辺りの様子が鮮明に浮かんでくる。
    楽天のマー君の無失点記録に関する会話なども盛り込まれ、地元の人間にとっては、興味深い展開が続く。
    それはいいのだが───。

    第二次大戦の終了間際、東京大空襲の日に蔵王に向かい墜落したとされる謎のB29爆撃機。
    それは偶然だったのか、何か目的があったのか?
    村上病とは何なのか?
    テレビのヒーロー番組「鳴神戦隊サンダーボルト」の映画版は何故にお蔵入りになったのか?
    五色沼の水にはいったいどんな価値があるのか?
    銀髪の謎の怪人の正体は? その目的は?

    と、読者をひきつける要素は、これでもかと言うほどてんこ盛りだ。
    でもなあ───。

    ここまで来ると、やりすぎじゃないのという感が否めないのだ。
    あまりにもエンタメ度を意識し過ぎて、読みながら、お腹いっぱいです、もう十分という気分になるのだ。
    後半の結末も、ある程度予想の範囲内だったし。
    阿部、伊坂のコラボというより、伊坂作品のエンタメ度が前面に出過ぎたように思う。
    何度も言うが、確かに面白いことは面白いのだけれどね。

  • 「いくら人気作家同士だからって、合作になるとそれぞれのよさが失われちゃうんじゃないか?」っていうのが、この本の情報を聞いた時の最初の感想。
    でも、そんな先入観はものの見事に打ち砕かれた。もちろん、いい方向に。

    幼なじみの相葉と井ノ原は、ともに金を必要としていた。大金をもたらすと信じた情報を追ううちに、世界規模の陰謀に巻き込まれていく2人。戦時中に墜落したB29の謎、上映中止に追い込まれた戦隊ヒーロー映画、“奇跡”を実現すると信じられた水……。一見なんの関係もなさそうなこれらの要素たちが濃密に絡み合いつつ、やがてタイムリミットに向けて物語は思わぬ方向に転がり、野球少年だった2人の思い出も手伝って、納得の大団円を迎えるのだった。

    陰謀論やテロリズムなどの全体的な世界観は阿部氏の、小気味よい会話のテンポや細かな伏線の回収具合は伊坂氏の、それぞれの強みが存分に発揮されていたように思う。
    著者をまったく知らずに読み終えたとしても、「なんだか、阿部和重と伊坂幸太郎が2人で書いたみたいなお話だなあ」って感じたかも、と言ったら言い過ぎだろうか? それくらい自然で、1+1が10にも100にも思えた素晴らしいコラボレーションだった。

  • 一気に読み終わってしまった。
    東北と野球とヒーローの物語。
    阿部和重と伊坂幸太郎作品を共に読んでいる人なら納得の作品であり展開やモチーフがうまく掛け合わされている。合作小説だけども良い部分が化学反応していると思う。

    伊坂テイストがわりと強めのように感じるのはエンタメ性が強いのと物語の展開のせいかもしれないが、神町サーガに通じるような設定やアメリカとの関係なんかは阿部テイストだなとわかる。阿部さんにはこの勢いで「神町サーガ」三部作目を書いて出してほしいのだが。
    ヒロインというか女性の登場人物の桃沢は伊坂作品に出てくる感じはある。


    作品の重要なキーワードである
    村上病。
    確かに阿部×伊坂対談でふたりで村上春樹に挑んでいこうって話をしていたような気がするがその由来なんだろうなあw
    この作品において最後に出てくる村上病の説明とか諸々を含めて村上春樹という阿部&伊坂世代の上の小説家についてのアイロニーな感じも。
    「村上病はあるけど、ない」ってさ。

  • 仙台出身の伊坂幸太郎と山形出身の阿部和重、年齢も出身地も近い二人の作家が意気投合して、仙台と山形の間にある蔵王を舞台に繰り広げるエンタメ大作。対談(http://books.bunshun.jp/articles/-/3317)など読む限りでは、どちらが書いたのがどの部分、という明確な線引きは難しそうだけれど、全体的な印象としては伊坂幸太郎テイストのほうがちょっと強いかなと思った。阿部和重にありがちなエロやグロがなかったからかもしれない(笑)

    主要登場人物は少年野球時代からの幼馴染である井ノ原と相葉。まったくもって余談だけれど、なにこのネーミングどっちもジャニーズ系?、と思っていたら井ノ原の息子の名前が健剛(けんごう)で、え、しかもV6一家なの?と無駄に引っかかる(笑)しまいにはイノッチよばわりされてるし。そうなると「村上レンサ球菌」なんてネーミングも村上の部分に反応してしまいますが、これはあれですね、対談読む限り村上春樹リスペクトなんですよね?

    余談はさておき、諸事情によりどちらもお金に困っている借金まみれの二人が、東京大空襲の日になぜか蔵王に墜落したB29、戦後蔵王を発生源として流行った謎の病原菌(村上病)、同じく蔵王で撮影された戦隊ヒーロー「鳴神戦隊サンダーボルト」の映画公開中止等にまつわるトラブルに巻き込まれ(というか自ら金目当てで突っ込んでいき)、わけありで事件を調べている美女・桃沢瞳と協力して、銀髪の怪人とその背後の組織と戦う話。

    基本的には続きが気になりぐいぐい面白く読めるのだけれど、正直、二人の作家の個性、長所をお互い殺し合っているというか、どちらの魅力も相手に遠慮して薄れてしまっていたような印象。

    主役の二人からして特に個性的とは思えない伊坂作品にありがちなキャラクターだし、それぞれの借金の事情などバックボーンの描き方も薄く、説得力イマイチ。原因不明の子供のアレルギー、そのために親が借金まみれになるほどの高額な治療薬を売りつける医者、騙されてAVに出た後輩女性など何かしらの伏線になっているのかと期待していたらなんの意味もなかったり。

    悪役も、トレンチコートを着て日本刀を振り回す巨体銀髪のロシアの怪人、というのがあまりにもマンガ的というか極端すぎて、なおかつ彼のやり口がかなり乱暴というか大雑把というか緻密さに欠ける上に基本単独行動、その背景にあるはずの組織、世界規模のテロ計画への恐怖の実感が全く湧かない。結果、単純な「パワーに対する脅威」しか感じられず、追われる主人公たちのスリリングさも薄っぺらくなってしまう。序盤に出てくるワードだけで読者にはある程度の展開の予想はついてしまうし、まさかそんな意外な真相が!という驚きもとくになかった。

  • #読了。阿部和重さんは初読み。
    小学生時代、同じ野球チームに所属していた相葉時之と井ノ原悠。共に金銭的に厳しい状況の中、20代後半で偶然再会し、一攫千金のチャンスとばかりにお宝を探すことに。謎の病原体を巡り、得体の知れない敵を相手に宝物を奪えるのか。
    合作なのだが、どこをどちらが書いたのかがさっぱり分からなかった。阿部和重作品を読んだことがないので、単独の伊坂作品と言われても違和感がないぐらい伊坂テイストを感じた。生物兵器とかB29とか、かなりスケールが大きくなっているが、そこをそんなに広げる必要があったのかが少々疑問。戦隊モノが出てきたのは面白かった。スピード感あり、一気読み。

  • 2016.2.20.読了大好きな伊坂幸太郎さんと阿部和重さんがタッグを、組んだ作品ということで発売間もなく購入したのになかなか読めずにいましたが、やっと読めました。阿部和重さんの作品を読んだことがないので、伊坂さんらしさと私が思っている雰囲気のみわかり、阿部和重さんの雰囲気が体感できなかったのが残念です。何をやっても裏目に出ていまだにまともな職に就けないでいる相葉と、真面目で地道な人生を歩んできた井ノ原の共通点はお金がすぐに必要なこと。相葉が無理やり仲間に引き入れ、二人でとんでもないハードボイルドな数日間を乗り切るという設定が大変面白く、残酷な方法で多くの人が亡くなり、荒唐無稽なラストではあるもののすごく読後感が良かったです。あと、一つ気づいたのは登場人物の名前や振る舞いによってその人物像を勝手に私が決めつけてしまうこと…もう一人の重要人物、プロローグで登場し男を挑発し、何かの情報を探っていた桃沢瞳を完璧に忘れていたことに苦笑しました。めまぐるしいジェットコースターのような展開、最初はなかなか入り込めずにいたものの途中からは一気呵成!時間を忘れて読んだ作品でした。

  • 阿部和重さんと伊坂幸太郎さんの合作小説。
    最初は、A面、B面という風に一つの物語を違う視点から書くのかなぁ…なんて勝手に思っていたら全然違っていた。
    阿部さんの作品は読んだことがないので何とも言えないけど、ここ伊坂さんっぽいなぁと思うところは多い。
    お二人の対談を読むと「神戸牛か、我々の合作か。」というほどの霜降り状態で混ざっているとのこと。そんなことできるのか!と思うけど、最初のアイデアを出す段階から、パート分けして書いたものにお互いが直しを入れたりと自分1人ではこの物語はできなかったと語られていた。


    舞台は宮城と山形の間、蔵王。
    主人公は、小学校の野球チームで一緒だった井ノ原と相葉。2人の旅?のお供となるポンセがいい。

    東京大空襲の夜に何故か東京から離れた蔵王に墜落したB29。

    蔵王連峰の火口湖、御釜エリアで発生した致死率70%強の感染症、村上病と、発生元の五色沼の水を欲しがる銀髪の怪人。

    「村上病はあるけど、ない。」

    井ノ原と相葉が当時、夢中になって見ていた戦隊ヒーローもの、「雷神戦隊サンダーボルト」と主役のレッドの不祥事でお蔵入りとなってしまった劇場版。

    たくさんの謎が、これまたたくさんの伏線を回収しながら解けていく様はやっぱり爽快です。
    水と油のような男たちの会話は、読んでいて楽しく、コーチの名言もよかった。
    全てが解決した後の野球場のシーンがちょっと幸せ。

  • 図書館で借りた本。
    相葉時之は、子供の頃野球少年だった。そのころから調子がよく、チームメイトを振り回していた。
    そんな相葉が、幼馴染である野球少年だった友人たちと再会した。しかし、再会の仕方がまずかった。ちょっとした行き違いから、大きなテロ事件に巻き込まれていく。
    相葉と、幼馴染の井ノ原悠の漫才のような店舗良い掛け合いと、犬のポンセの絶妙な行動に、夢中になって読み終わりました。

  • ギブアップ!そう。ギブアップです。

    100Pまで読みましたが、引き込まれずおもろさも分かりません。

    書籍でなくあくまでも映画版での話ですが→)伊坂作品全てが苦手な俺的に、伏線が多過ぎでした。


    520Pまで無理だな、と判断。
    ウチの本棚初なのでわ?ギブアップの積読て?




    伊坂ファンの皆様(本作は阿部さんとの共作だが)ごめんなさい。。。

    俺的に、もう伊坂作品に手を出す事は無いでしょう。
    (*良悪の話では有りません。俺が伊坂さんの話しを理解出来るレベルに無い!て事だと思います。)


    冒頭の桃沢さん?の男性へのアプローチは、なかなかワクワクしたのですがね。。。
    ・・残念です(´・Д・)」

  • 正確には芥川賞作家の阿部和重氏との合作なんだけど…いやぁ~またしても「伊坂ワールド」に完全にヤラレマシタ(●´ω`●)ゞ
    舞台は良く見知った(近所の)通りや観光地
    リアルに現場が思い浮かぶと同時に、あまりにも残虐なシーンは何とも言えない「おかしみ」を伴って滑稽?!にさえ変換され笑ってしまう…この感覚は独特なモノ
    大好物のメイキングエピソード満載のこちらのページも是非!!!
    http://hon.bunshun.jp/sp/ctb

  • 伊坂節全開の調子のいい犯罪?モノ。
    いや一般人犯罪巻き込まれ型か。共著になってるけど、阿部さんを全然知らない。ゴールデンスランバーの様な、新幹線の中で犯罪者が集まってスレ違いを繰り返すなんちゃら、の様な、(題名忘れた。)テンポが凄くいい。
    2人のチームワークで銀髪の怪人に勝ってしまうなんて痛快そのもの。桃子ちゃんもいい味出してる。
    ラストも関係者が野球場に偶然集合して、その後が語られる。凄く嘘ッボイけど爽快感はタマリマセンね。
    後味いいです。読むべし!

  • わくわくエンタメ一気読み
    帯に完全合作ってあった
    全く違和感なく不思議
    ストーリーも展開も
    楽しませてもらった

    《 人しだい 生物兵器 水清く 》

  • 古本で今でも500円で買い取ってもらえる本が、何故か昨年末に500円で販売されていたので、即購入。

    しばらく読んでいませんでしたが、最近になって一気に読みました。
    白熱のアクションストーリーでワクワクする内容。
    大満足でしたね。

  • どこまでが阿部さんでどこまでが伊坂さんなのかわからない、一体感。

    陰謀モノで、青春すぎたおじさんモノで、家族愛で、謎のワンコも大活躍な、冒険活劇。

    これは読み応えあるに決まってるよねー。というモリモリ感。

  •  2人で執筆ってどんな感じなんだろう?と思っていたのだけど、伊坂先生節がしっかり入っている作品でした。阿部先生の作風がわからないので、ふたりのミックス具合について、わからないのがちょっと淋しい。
     とんでもない設定なんだけど、子供の頃に好きだった戦隊もののレッドが登場してきたり、幻の映画版がでてきたり、なんとなく特撮ヒーローっぽいノリで進んでいってしまう。ロシア人の工作員は無情でハンパない感じなんだけど、あまりにハンパないために、逆にコミカルに思えてしまうほど。追い詰められているのに、緊迫感よりも「どうなっちゃうんだ」感の方が強かった。
     こういう娯楽作品もたまにはいいかも。

  • 「キャプテンサンダーボルト」阿部和重・伊坂幸太郎◆あの日墜落したB29、消されたヒーロー、銀髪の怪人…まだ9回裏の攻撃は終わってない!よく考えると相当物騒な話なのですが、特撮的なワクワク感で溢れています。共作というのも新鮮で、ここは伊坂さんっぽい〜などと考えながら読むのも楽しい。

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キャプテンサンダーボルトの作品紹介

キャプテンサンダーボルトは阿部和重さんと伊坂幸太郎さんの二人の人気作家が着想や技術を詰め込んだ冒険活劇小説です。
蔵王に墜落したB29、鳴神戦隊、謎の感染症とパンデミックの危機など様々な事件や問題に主人公の二人の男が挑んでいきます。息を付かせぬ展開が読者の心をストーリーにひきこんでいくエンターテイメント作品になっています。

キャプテンサンダーボルトのKindle版

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