デブを捨てに

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著者 : 平山夢明
  • 文藝春秋 (2015年2月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163901992

デブを捨てにの感想・レビュー・書評

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  • ドン底なのにユーモアと微かな希望があった。醜く不気味に思えていたデブが気がつけば愛おしい。

  • (図書館本)お勧め度:☆4個(満点10個)。最初、読んでいて嫌気がさしてきた。意味不明だし、エロ・グロ織り交ぜてなんとなく読みにくく、途中で棄権しようかと思うくらいハズレな作品だと思ったが、ラストの表題「デブを捨てに」だけは、ちょぅとだけホロッとさせられた。前の3編がすごく読み辛かったが、この作品だけは何となく理解できた。ある意味デブの彼女が可哀想にも思えてくる。最後の最後で主人公のジョーが言う言葉、「瘦せろよ!」というのが凄くかっこよく思えてきた。結局、ジョーはデブが好きになったのかもしれないなあ。

  • 面白かった!ビッグダディのパクリ「ジャンボパピー」、大丈夫これ?と思いながらも見るたび感じるモヤモヤがバッサリ斬られてスッキリ!表題作もほんわか終わって微笑ましいです。登場人物の行く末を思うと微笑ましいどころではないけれど。グロテスクな描写も多いですが、ユーモアでうまく救われている気がします。「いんちき小僧」だけがちょっと可哀想だったかな。平山さん初めて読みましたがクセになりそうです。

  •  破格の税込1000円で登場した、平山夢明さんの新刊である。売る気がまったく感じられない、ペーパーバックの装丁。らしいといえばらしいが…。

     「いんちき小僧」。薬の売人を手伝うことになった男。だが、薬の中身とは…。親子って何だろうと考えさせられる事件が多い昨今。君はそれでも本望なのか。意味はよくわからないが、「なんくるないさあ」の不穏な響きがやたらと印象に残る…。

     「マミーボコボコ」。マミーポコというオムツの商品名を思い出すが、関係ありません。平山夢明版ビッグ・ダディと言ったら怒られるだろうか。キラキラネームならまだましだぜ。局側もビッグ・ダディ側も、持ちつ持たれつだったんだろうねえ。

     「顔が不自由で素敵な売女」。タイトルからしてちっとも素敵じゃねえ。行きつけの店にあの客が現れてから、店主は変わってしまった。客の正体は…。客の気持ちは正直わかる。そして結末も救いがねえ。でも、何だかほっこりした話じゃないか(どこが)。

     表題作でやや長い「デブを捨てに」。これまた酷いタイトル。借金を返せない男が命じられたのは、タイトル通りデブを捨ててくることだった。運命を承知しているデブが健気じゃないか。クソのようなラーメン店での頑張りは泣けてくるぜ。

     でも、和菓子屋の店名の方がもっと酷え。デブの身の上話はさらに泣けてくるぜ。最後の最後の大勝負は手に汗握ったぜ。デブデブ書いてあって不愉快かもしれないが、すみません、そういう話なんです。2人ともいいことあるといいね。

     以上、装丁通りにクソでF○○Kな平山節全4編。今回はどこか切ない路線でまとめてきたか。ただし、本作に切なさを感じるのは平山フリークだけだろう。安いからって一般読者が手を出すのはお勧めできない。読んでふざけんなと思っても知りません。

     昨年は新刊が出なかっただけに、新刊を安く読めたのは嬉しい反面、複雑でもある。ご本人の意向かもしれないが、ファンとしては正当な対価を払いたい気がする。

  • 短編なのに読み応え十分。

  • 【マミーボコボコ】
    「あんた、そんな約束したの?」
    「約束はしてない」
    「なんだって! ー あんな云ったじゃんか。来たら今回のギャラは二万だって」
    「約束はしてない。二万だとは云った。だが約束はしてない。そこからの展開は流動的だ」
    「嘘つき!」
    「嘘じゃない。俺は嘘は吐かん。ただ不快な気持ちにさせたのなら謝る。すまん」

    「こんなとこで何やってんの?」
    「仕事に決まってるじゃん。援助交際さ。あたしさあ、あんなゴミみたいな親のところから早く逃げ出したいんだよね。あいつら、人間の屑どころじゃないから、生き物として生物としても屑だから。」

    「最後の生理が終わって十ヶ月も経ちゃ餓鬼は出てくる。あたしは褒められたくて褒められたくて妊娠する度に次はいつ孕んでやろうかって、そればっかり考えていたんだ。子どもなんか欲しくないよ、ただ孕みたいだけ。孕む為ならなんだってしてやろうって気でいるんだよ。」

    【顔が不自由で素敵な売女】
    「嘘だろ」
    「みんなそう云うんだけど、本当よ。ちょちょみ。〃に美しいで〈〃美〉。女の子だから分かり易い

    「あたしに名をつけたのが孤児院の院長で、そいつはボウズでシャブ中だったもの。葬式行く前なんかよくポンプ打ってた。あれすると線香とかお供物の臭いが凄くよくなるって。それに読経に集中できて死体とも話ができるって云ってた」

    「お客さん、また酔ってるのか。悪い酒たね、あんたの酒は」
    「悪い? 悪いってのはこんなものじゃない。あんた、見てくれよりも世間が薄いな」

    「あの人が、やれっていうんだもん。やらなきゃ別れるって」
    「そんな…おまえ、別れりゃいいじゃないか」
    「だめよ、愛してるんだもん。あたしはこうみえても一途なんだよ。処女を捧げた人だし」
    「ヒヨコか、おまえ」
    「あんたにはわかんないのよ。寂しい人にはわかんないの」
    「本当にわかんねえよ」

    【デブを捨てに】
    「ロバは飼い葉桶、四杯も飯を喰う。おかげで朝から晩まで糞をしどおしだ。ウチじゃあロクに人様の喰う物もないのにロバばっかりが飯を喰うんで、親父が頭に来て、家族の糞やロバの糞を餌に混ぜたんだ。すると、それでも喰う。糞も餌も同じように喰うんだ。あれは一体、どういうわけだ」

    「一日中、ネットで遊んでいたんで有名な大食いチャレンジ店の場所は憶えてるんです」
    「店の名は」
    「クソ豚野郎」
    「なんだと」
    「店の名です」
    「嘘だろ」

    〈へぇい! クソ豚! 一丁!〉
    〈大クソ豚、バリカタ、味薄め、ドロ油、ニンニクましまし!〉
    〈味噌クソ豚野郎、クソのクソ盛り!〉
    〈クソつけ、麺クソ盛り、クソ汁カラメ!〉

  • 表題作は良かった

  • ご飯食べる前後に読むのはお勧めできない。
    そして、思ったよりいい感じに終わる。もっとどうしようもない感じで終わるのかと思ったのに。

  • 昔読んだ「ダイナー」が強烈だったけど面白かったので久しぶりにこの著者の本を読んでみました。

    短編だけど中身は「ダイナー」を彷彿させるようなグロ描写が多々。

    読んでいて気持ちが良い内容ではないのだけど読後は不思議な爽快感があります。

  • 暴力の描写とか
    本当にエグいのですが
    何でしょうこの
    読後の清涼感
    ヨーグルト?だからですかね?

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デブを捨てにの作品紹介

「どれだけ読んでもOkcal!!」シュールで最悪の状況を暴走するブラックユーモアの数々。『暗くて静かでロックな娘』から2年ぶりとなる待望の小説集がついに刊行。「うでがでぶか」。借金まみれの俺は、わけのわからぬまま、“デブ”を、黄色いスパイダーに乗せて北へ向かった……表題作の「デブを捨てに」をはじめ、〈シュール〉な設定、乾いた〈ユーモア〉と、エッジの効いた〈表現〉で、〈最悪の状況〉に巻き込まれた男たちを、独特のスピード感あふれる文体で、泥沼のような日常を疾走するように描く。どこへ行くのかわからないスリルをあなたにお届けする、全四編の平山夢明〈最悪劇場〉。これぞ、小説表現の極北を目指す著者の真骨頂。「まあ、大変、買わなくちゃだわ」・他の収録作「いんちき小僧」腹が減って腹が減ってしかたのない俺は、コンビニでキャラメルひと箱をくすねるが、店の女に捕まった。女は、警察には突き出さず公園に連れて行くと、一発ぶん殴ったら許してやると言う。やがて、その様子を見ていた男から奇妙な提案をされる……。「マミーボコボコ」捨てた娘から三十五年ぶりに手紙をもらったおっさんに頼まれて、ついて行った先は、娘が嫁いだ大家族の家。そこでは、"ビックパヒー"なる父親以下、大家族の密着テレビ番組が収録中で……。「顔が不自由で素敵な売女」行きつけのバー「でべそ」で酎ハイ二杯を飲んで、いい気分になった俺は、公衆便所のような臭いのするヘルスの個室で、ハラミという夏の日のコーラフロートのような頭のブスに、とびきりのサービスを受けていた。「デブを捨てに」借金の返済期限が来たが、金を返せなかった俺は、事務所につけていかれボコボコに締め上げられたあげく、「腕とデブ、どっちがいい」か選ばされる。俺は、よくわからず「デブ」のほうを選ぶが……。

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