ナイルパーチの女子会

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著者 : 柚木麻子
  • 文藝春秋 (2015年3月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163902296

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ナイルパーチの女子会の感想・レビュー・書評

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  • 大好きな柚木麻子さんの作品のなかでは、
    読むのに一番時間がかかってしまった。
    だいぶ前に読んだ『終点のあの子』が、たしかこんな感じのカラーだったと…

    人との距離感の取り方。
    本当に難しい…。

    最近特に考える機会が多いです。
    それは家族とだったり、友人とだったり、様々。

    子供のころはそんなこと考えずにいられた。
    友達は一緒にいて楽しければそれでいいし、
    家族は、近くて当たり前みたいな…。

    こういった女子物語、「うわっ、自分もこんなとこある!」って、
    多少の自戒をしつつ読むのですが…。

    「女同士ってここまで面倒で怖いのよ~」って、
    キャラが濃すぎて、少し引き気味。

    芋けんぴのくだりが衝撃的で、
    お菓子売り場で、思わず見入ってしまいました(笑)

  • 久しぶりに、さされた、えぐられた。

    読書ノートを記入しなければ
    レビューを書かなければと思っても、
    本を再び開くことが怖くて、何日かおいてしまったぐらい。

    気が合って、これからも長く長く友達でいたい。
    そう思った友人を、私の失態で疎遠にしてしまった経験が何度かある。

    エリートの栄利子から、人気ブロガーの翔子から、
    派遣社員の真織から、
    そうなった理由が突きつけられた。
    目をそらそうとしたけれど、何度も何度も。

    時に空気が読めなくなる私は
    相手の中に入って気持ちを100%わかりたいと思っていたが
    友人関係とはそういうことではないんだと。

    私が思い悩むように、私の友人たちも思い悩みながら
    友人関係が途切れないよう、距離を測って守ってくれていたんだなと改めて思った。

    感謝の気持ちと懺悔の気持ちで
    胸がいっぱいになってしまった一冊です。

    痛烈な言葉が多かったですが、
    痛かった言葉も頑張ってノートに書き留めました。
    同性の友達は、やはり、私にとってとても大切ですから。

  • 柚木さんとはもしかしたら相性が悪いのかもしれない。あちこちで取り上げられる若手作家の代表と言えるような作家さんだけれど、読んでいて如何にもこうにも居心地が悪い。
    なんだろ、女を前面に出しすぎ?

    キャリアウーマンの栄利子と専業主婦の翔子が翔子のブログがきっかけとなって知り合い、その後の二人の異常な関係を描いた本作。
    うん、どう考えても異常。
    私自身ブログを読むのはけっこう好きで、ブロガーに一方的に親近感を抱いてしまう気持ちはよく分かるし、ストーカーめいたコメントを残す読者の存在も珍しいことじゃないとは思う。

    でもちょっとやりすぎ。
    翔子の人物像もぶれてる気がするし、栄利子の突如の変貌も理解不能。
    あと人物に語らせすぎで文学としてどうなんだろう。主義主張が多すぎて辟易してしまった。

    文学賞受賞作品なのにあまり良いところをみつけられず残念。
    私の好みの問題かな。
    あと1冊くらい読んで判断したいけれど、おすすめありますか?

  • 若い女性が友人との葛藤がもとで破綻していく話。
    ナイルパーチとは食用できる淡水魚だが、生態系を壊してしまうほどの凶暴性があるという。

    志村栄利子は、父も勤めていた大手の商社で働く30歳。
    完全主義でいつもきちんとしているキャリアウーマンだが、実はいっぱいいっぱいで、友達がいないのを苦にしていました。
    そんな栄利子がはまったのが、ゆるい主婦ブログ「おひょうのダメ奥さん日記」。
    「おひょう」こと丸尾翔子が近所に住んでいて、偶然に出会った栄利子は、親友になれると思い込む。
    ところが‥

    翔子は、一見すると気楽な雰囲気を持つ、付き合いやすそうな女性。
    実は田舎の家族とくに身勝手な父親から逃れるように上京してきて、やはり友達はいない。
    ブロガーとして、人気が出るのだが‥?
    栄利子のほうは都会の裕福な家庭で両親に大事に育てられたのだが、そこにも実はわかりにくい歪みがあった。
    子供の頃は、仲のいい幼馴染もいたのだが‥
    おひょうの態度の変化を理解出来ず、大量のメールで報われない思いをぶつける栄利子。
    「わかってくれるまで止めるつもりはない」という考えはストーカーそのものでは。
    なるほど、こんなふうに考えるのか‥

    真織という派遣の若い女が、「友達がいる」という意味では普通の女性として登場するのだが、実は彼女が一番怖い。
    これはないんじゃない‥?という出来事で、他が吹っ飛ぶぐらい。
    いや、あの‥友達を大事にしているって、どんな友達付き合いをしているわけ?
    もしかして、これぞナイルパーチ?(笑)

    栄利子はそつのない人生を送りそうな女性だったのに、どんどん壊れていく。
    途中でいったん、読むのを止めたほどですよ。
    だがその体当たりの様子のために、後で二人の人物に謝ってもらえるシーンがあり、それは人生の真実を含んでいる印象。
    このあたりを読むために、一読の価値ありと思います。
    こじれた人間関係は、どこにでも起こりうるものだから。
    生々しい迫力のある小説でした☆

  • 第153会回直木賞候補作。
    王様のブランチで紹介された際、同期の作家である浅井リョウ氏、窪美澄氏らが「柚木麻子がやっと本気を出した」と評していると聞き、期待度Maxだったのですが……
    読むペースがなかなか上がらない。
    興味が沸かない……
    何とか読み切りました。

  • 今まで読んだこの著者の話とはまるで異質。
    一種のホラーかも。
    極端ではあるが、栄利子も翔子も、自分の一部なんじゃないかと思えてくる。
    確かに女子同士の付き合いはむずかしい。
    正直すぎても鈍感すぎてもうまくいかない。
    どこかでそのさじ加減を学んで生きて行くのだと思うが、
    その時期は人によって差がある。
    そして確立されたスキルなんて存在しないし。

    この話ほどではないにしても、同じようなことで悩んでいる女子は、年齢を問わず(ここ大事)けっこう多いかも

  • ナイルパーチとは…。
    淡白な味で知られる食用の淡水魚だが、
    一つの生態系を壊してしまうほどの凶暴性も持つ。要注意外来生物。

    国内最大手の商社に勤める。志村栄利子30歳。
    常に結論を求めたがり、何事も先取りするのが好き。
    実家から早朝出勤をし、日々ハードな仕事に勤しむ。
    栄利子は人気主婦ブログ「おひょうのダメ奥さん日記」に嵌っている。
    「おひょう」こと丸尾翔子は、スーパーの店長の夫と二人で気ままに暮らしている。
    偶然にも近所に住んでいた栄利子と翔子は行きつけのカフェで偶然出会う。
    最初は仲良くなれそうなふたりだったが、翔子が数日間ブログを更新しなかった
    事が原因で二人の関係は思わぬ方向に進んでゆく…。


    翔子がブログを数日更新しないだけで、大量のメールを送り付け
    家にまで押しかける。
    栄利子の異常な行動にびっくり…。
    栄利子の翔子に対するストーカーはエスカレート
    栄利子自身の日常生活が破綻する程…。
    幼馴染・圭子との過去…。
    栄利子異常だよ~怖い!怖い!怖い!
    栄利子と同じ商社に勤める派遣社員・真織の豹変ぶり…。
    本性を現した姿も、とっても怖かった。
    怖い女だらけで震えました。

    同性の親友がいない事のコンプレックス
    同性の親友が欲しい!欲しい!欲しい!
    他人との距離の取り方が苦手ってレベルじゃない…。
    自分の行動や言動が相手にどう思われるか考える事すら出来ない。
    人の思いを感じ取る事の出来ない人間の
    自分が正しいと思う身勝手さがエスカレートして
    凶暴性を発揮した時、何と怖ろしいのか…。
    女性なら誰しも、他人との距離の取り方が難しいって感じた事があるはず。
    私も、これまで幾度となく感じて来た。
    だから、ほんの少しわかる部分もある。
    でも、この本に登場する女性達は本当に怖い。
    ラストは二人がそれぞれの新たな道を見付けられたようで良かった。

    「女同士に限らず、人間関係って一色じゃない。
    色々なものを含みながら、変化しながら続いていくもの。
    清濁併せ呑む。点数なんてつけられないし、百点満点の
    友情なんてどこの世界にもない」
    圭子の言葉にはうなづけた!

    読むのがとっても苦しかった…。
    登場人物誰にも共感は出来なかった。
    でも、友達を上手く作る事が出来ない痛い女性の話ばかりでなく
    夫婦・同僚・親子等それぞれの関係を築く事の難しさも描いてる。
    好きな作品では無かったけど…凄い作品だと思った。

  • ナイルパーチとは…それが問いかけなのかもしれない。
    ナイルパーチ自体は一つの生態系を壊すほどの肉食だとは人間が違う海域に放流しなければ気づかなかったのでは⁇と思ってしまう。

    女子とはそういうものではないだろうか?と受け取った。
    女子にも様々な区分けがされていて「他者からの愛情をどれだけ過不足なく与えられているか」が勝者である。

    だからこそ結婚、学歴、正社員、派遣、デブ、モデルみたいなスタイル。という男が並べたがる評価は女子というナイルパーチの世界ではどうでもいい。

    それを知って女の敵は女と片付けるのは簡単だがここに出てくる人物たちはみんな友達に正当に評価されているかを基準に考えている。それが少しでも揺らぐと暴れる。

    少しだけ希望が持てたのは現代は共感できるという事に頼り過ぎているんだなぁーと思った。みんな腹を割って話し合えば分かり合えるという=共感する。(バックグラウンド関係なく)
    話し合うって何よ?本音?そもそもスタートラインが違うのに??

    無理なことは無理という事も他者を食い尽くしてその事すら気づいていないナイルパーチ化する女子にならない術なのかもしれない。

  • 怖い怖いと聞いていたけれど怖いねぇ。

    でも、女子だから怖いというよりは
    人が怖いよ。

    人との距離感が図りづらいツールが溢れている今、
    異常と正常の境界ってどこなんだろうって思う。

    あなたはメールの返信が遅いと苛立ったことはありませんか?
    LINEが既読にならないことに苛立ったことはありませんか?
    既読になったLINEの回答がないことに不安になったことはありませんか?
    投稿したメッセージのコメントが気になったりしませんか?

    誰でも、
    意外と簡単に栄利子や翔子になってしまう、
    そんな怖さもあったりして。。。ね。

  • 女性同士のドロドロ関係を描くサスペンス!!(人は死なないけど。)

    登場人物の女性の奇行や偏った思考に驚きながらも、自分の中に共通する状況や想像、共感できる感情とも向き合うことになりそれが怖い。

    人が壊れるってこんな感じなんだ、、と思った。
    一線を越えるか越えないかは、周りに人(家族、友人、または、さっと親切にしてくれる知り合い)がいるかどうかだよなぁ。

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ナイルパーチの女子会の作品紹介

丸の内の大手商社に勤めるやり手のキャリアウーマン・志村栄利子(30歳)。実家から早朝出勤をし、日々ハードな仕事に勤しむ彼女の密やかな楽しみは、同い年の人気主婦ブログ『おひょうのダメ奥さん日記』を読むこと。決して焦らない「おひょう」独特の価値観と切り口で記される文章に、栄利子は癒されるのだ。その「おひょう」こと丸尾翔子は、スーパーの店長の夫と二人で気ままに暮らしているが、実は家族を捨て出て行った母親と、実家で傲慢なほど「自分からは何もしない」でいる父親について深い屈託を抱えていた。 偶然にも近所に住んでいた栄利子と翔子はある日カフェで出会う。同性の友達がいないという共通のコンプレックスもあって、二人は急速に親しくなってゆく。ブロガーと愛読者……そこから理想の友人関係が始まるように互いに思えたが、翔子が数日間ブログの更新をしなかったことが原因で、二人の関係は思わぬ方向へ進んでゆく……。

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