ナイルパーチの女子会

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163902296

感想・レビュー・書評

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  • 柚木さんとはもしかしたら相性が悪いのかもしれない。あちこちで取り上げられる若手作家の代表と言えるような作家さんだけれど、読んでいて如何にもこうにも居心地が悪い。
    なんだろ、女を前面に出しすぎ?

    キャリアウーマンの栄利子と専業主婦の翔子が翔子のブログがきっかけとなって知り合い、その後の二人の異常な関係を描いた本作。
    うん、どう考えても異常。
    私自身ブログを読むのはけっこう好きで、ブロガーに一方的に親近感を抱いてしまう気持ちはよく分かるし、ストーカーめいたコメントを残す読者の存在も珍しいことじゃないとは思う。

    でもちょっとやりすぎ。
    翔子の人物像もぶれてる気がするし、栄利子の突如の変貌も理解不能。
    あと人物に語らせすぎで文学としてどうなんだろう。主義主張が多すぎて辟易してしまった。

    文学賞受賞作品なのにあまり良いところをみつけられず残念。
    私の好みの問題かな。
    あと1冊くらい読んで判断したいけれど、おすすめありますか?

    • koshoujiさん
      vilureefさん、ご無沙汰しております。
      『名探偵カッレくん』への”いいね”ありがとうございました。
      個人的に、児童文学へのレビュー...
      vilureefさん、ご無沙汰しております。
      『名探偵カッレくん』への”いいね”ありがとうございました。
      個人的に、児童文学へのレビューに”いいね”を頂くのはとてもうれしいのです。

      ところで、柚木さんのお薦め、難しいですね。
      書いておられるように『女くささ』が柚木さんの作品には、ちょくちょく感じます。
      彼女が中高一貫の女子高育ちというのが、その原因ではないか(大学も恵泉だし)、
      と私は彼女の何かの作品レビューで書いた覚えがあります。
      そこが、本人どうし仲良いらしいですが、朝井リョウ君との差ではないかと。
      ただ、この作品では、その”女くささ”が少し抜けて一段高みにあがったかな、と私は感じたのですが。
      彼女の9作品に対して書いた自分のレビューをあらためて読み直したのですが(笑)、
      乙女チックが控えめなのは『その手をにぎりたい』でしょうか?
      これも読まれていたら、お薦めはありません(笑)。
      今のところ、お手上げ状態です。<(_ _)>
      2015/09/13
    • koshoujiさん
      あ、追記です。
      ブログを読むのがお好きだとのこと。そういうことであれば───。
      私は、故郷の中学時代の同期生探しのため、仕方なくブログを...
      あ、追記です。
      ブログを読むのがお好きだとのこと。そういうことであれば───。
      私は、故郷の中学時代の同期生探しのため、仕方なくブログを開設しました。
      でも、そのおかげで、ブクログのお仲間に私と同じ大学、同じ中学(!!)
      で後輩の方がいることが判明してびっくりです。
      ブログには、ブクログでは明らかにしていない(?)私のかなりの個人情報や
      昔の写真、声なども、やむなく載せていますので、
      興味を持たれたら、お暇なときにでもご覧ください。
      でも、基本的にはご内聞に。<(_ _)>
      とはいっても、ここにURLを載せた段階で明らかになってしまいますが(笑)。下記です。もう厚顔無恥で怖いものなしになってしまいました。
      http://blogs.yahoo.co.jp/koshouji
      2015/09/13
    • vilureefさん
      koshoujiさん、こんにちは。
      コメントありがとうございます(*^_^*)

      柚木さんの「その手をにぎりたい」、これ駄目だったんで...
      koshoujiさん、こんにちは。
      コメントありがとうございます(*^_^*)

      柚木さんの「その手をにぎりたい」、これ駄目だったんです。ごめんなさい(-_-;)
      私の中で設定の甘さに許せない部分があって・・・。
      レビューには書いたのですが。
      もしかしたら合わない作家さんなのかもしれませんね。

      koshoujiさんのブログ、ちらっと拝見してきました。
      なかなか素敵なブログですね!
      ブクログで読むkosyoujiさんの文章も素敵ですが、またブログって良いですね~。
      またゆっくり見てみます、ふふふ。
      ええ、ええ、もちろん内緒ですよ。
      2015/09/29
  • 仲の良い女友達を作って安心感を得たいのに上手く行かない、栄利子と翔子。
    似た物同士なのにすれ違っている様や、女同士の腹の探り合い、自分だけの理屈で物事を捉えたり、相手の気持ちを先回りして読み違えたり、自分の思い通りにならないと狂気じみてしまうところが満載で、読んでいてとても苦しく…疲れた。
    ただ、あぁ、あるよねぇ…という感じが、誰にも言ったことのない自分の内側を抉られているようで、ちょっと恥ずかしいというか気まずいような気持ちにもなった。

    女同士の関係を描くのが巧みすぎる。

  • 途中で心がしんどくなって何度も閉じてしまった!
    共感できる所とできない所があったな〜
    確かに女同士の人間関係は難しいし、壊れ易い
    でも、社会に出て仕事に打ち込んで、家庭を持って日々に追われて、いま心を通わせてる大切な友だちと何年も連絡を取らなくなってしまっても、それでも何かの拍子に再会したら、それこそ朝まで開いてるファミレスで時間の許す限り語り合えると思うんだよな〜それにきっとそれが十分幸せなことだと思うんだ〜

  • (2023/12/31 4h)

  • 思いのほかヘビーというかうんざりする感じで中盤までどうしようと思っていたが、結末はわりとすっきりしていたのでよかった。男とか女とか、何にも関係なくやっていければいいのにね。

  • 終始、読むにつれて、なんやこれ?!となっていく展開。ページ数も多いので先の展開が読めないボリューミーな一冊
    リアルな人間関係に身をつまされるという類の評価と言うよりなんや?この関係…どんな人達なの?みんなぶっ飛んでるなぁと思わずに居られない
    それでいて、ブロガー主婦 おひょうの中の人翔子の父親像に限ってはどこかにあって苛立ちやおぞましさ、人によっては時代による普遍性があるかもしれないと思えた。
    ただ、女友達という化学反応を女子会と言うならばグループになりドロドロと啀み合う様を想像するような人達もいるけど、新たな展開を用意し切り開く1冊になっていると思う

  • とにかく嫌な本。でも柚木さんの女性の嫌な描き方、読んじゃう。嫌いじゃない。お嬢様育ちの狂気を増していく栄利子に嫌悪を抱きつつ、ストーキングされる主婦ブロガー翔子のもどかしさにもイラつく。一方で同様の澱んだ醜さが私自身の無意識の中にもあるのでは、と不安が掻き立てられる。柚木さんのいくつものセリフが刃物のように、私の心にささる。女性は確かに共感に重きを置き、成熟しつくした今の日本では他者からの評価が偏重される。ジェンダー、機能不全家族、介護、偏った強迫的な価値観等々、ちょっとてんこ盛りだけど、凄い作品。

  • 柚木さん、一皮むけたかなという感じの作品。

    • koshoujiさん
      いやあ、そんなに期待されても。内容は半分くらい忘れてしまったし(:_;)。
      ただ、それまでの彼女の作品とは全く一線を画す違ったもので、
      ...
      いやあ、そんなに期待されても。内容は半分くらい忘れてしまったし(:_;)。
      ただ、それまでの彼女の作品とは全く一線を画す違ったもので、
      一段高みにあがったのかなあ、と感じてのこのレビューなんです。
      でも、たった一行だけだったんですね。笑ってしまった。
      このことは朝井リョウ君と窪美澄さんも読んで感じたみたいで、
      調べたら、「王様のブランチ」で二人が語ったらしい。
      それを感じたのは私のほうが先だ!! と声を大にして言いたいのだが、
      残念なことに、ブクログにアップしたのは日付を見ると4月29日で、
      二人が語ったのは4月25日の「王様のブランチ」と私のレビュー掲載日より、4日早い。
      でも、その頃はとても忙しくて、実際に読み終えて書いたのは一週間ほど前だと記憶している。一行のレビューさえアップする時間がないほどだったのだ。
      私は仙台へ帰って来てから「王様のブランチ」など一度も見たことがない。
      短縮時間で放送されているようだが、その中で「ブックコーナー」が
      あるのかどうかさえ知らない。
      なので、私のほうが先だ!! と言っても、
      日付が4日遅くなっているのは事実なので、なんとも癪に障る。
      ああ、早くアップしておけば大威張り出来たのに、と思っている私です

      とまあ、こんな感じのレビューになりそうですが(笑)。

      ブログでも書くけれど、ここのレビューにも改めて書き直すことになりそうです。
      でも、そうすると、このレビューをいったん削除せねばならず、ここのコメント欄も消えてしまうのでは? と心配しているのですが。
      2015/10/29
    • koshoujiさん
      今、勢いでわずか20分ほどで、このコメを書いたのだが、自分で読んでいたら、このコメントだけでも結構面白いなあ、と自分の文章を読んで笑っている...
      今、勢いでわずか20分ほどで、このコメを書いたのだが、自分で読んでいたら、このコメントだけでも結構面白いなあ、と自分の文章を読んで笑っている私です。
      2015/10/29
  • 一番怖かったのが後輩。登場部分が少ないにもかかわらず、強烈な印象を残していった。

  • 人との距離感って難しいなぁと改めて感じられた
    一冊でした。いやぁ、難しい…。

    登場人物の癖は強いものの、
    自分にもどこか当てはまっているような気がすると思わずにはいられませんでした。

著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚木麻子の作品

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