武道館

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著者 : 朝井リョウ
  • 文藝春秋 (2015年4月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163902470

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武道館の感想・レビュー・書評

  • ネットで散りばめられているエピソードをかき集めただけの内容。扱っている題材には興味あるだけに残念。ちょっと期待はずれでした。

  •  アイドルの恋愛や進路については結構どうでもよかったけど、インターネットによって無料で様々な表現物にアクセスできるようになったことに対する警鐘にはドキッとした。自分の財布を全く傷めず、好きなものを選び取るなんてできるはずがない。ついyoutubeとか観ちゃうけど、本当に好きなものはちゃんとお金を出して、選びたい。
     当たり前だと思っていることは、10年もすれば当たり前じゃなくなる。ちゃんと自分の頭で考えて、選ばないと。

  • アイドルの女の子達が武道館に立つ為に頑張る姿を描いたよくある話かなと思っていたが、違った。大きな感動や驚きのある話ではない。
    同じアイドルとして彼女達六人は羽ばたいた。けれど、全員がずっと同じ道を歩むことはない。アイドルの前に皆、一人一人が女の子であった。

    愛子と大地の関係がとても好ましかった。ライバルが現れて仲をかき乱す展開は容易に想像できたがそんな心配も無用。憎いねぇ〜と思うほど二人の絆は強い。この歳でこんなに情熱ある恋愛(果たして恋などと浮ついた表現をして良いのか悩ましいところ)が出来るのもある意味才能なのではないだろうか。
    愛子は人として、アイドルとしてではなく、彼女自身が数ある好きなものから一番大事にしたいものを選んだ。世の中の正解ではない、彼女にとっての正解でしかない。周りには自分勝手に見える。しかし他の誰でもない、彼女の人生の選択。世の中の声に従う人形になれば、アイドルでは居れてもそれはもはや彼女ではない。愛子以外のメンバーも自身で選択していったのだろう。だからこそ、1期生は集まり武道館のステージに立てたのだと思う。
    自分の大切なものをしっかりわかっている人はやはり強い。選んだ先が間違いじゃないと、自身が納得できる結果であるとわかっている。

    愛子を中心としていた話が、観点を変えたことで最後はグループの物語になった。愛子の視点で終わっていれば『武道館』は剣道の試合を見に行ったあの武道館になっていただろう。もしくは題名が違っていたかもしれない。
    読んでいる間ずっと内容と題名の違和感にもやもやしていた。観点が変わった瞬間の嫌な感じ、何故最後の最後で?と思った。しかし読んだ後は納得。計算されての内容であれば、そこはとても評価したい。

  •  作者がアイドル好きとの事で、思い入れときちんと取材されたのだなぁと感じられました。
     常に他人の評価に晒されて、尚且つファンを、世間を満足させなくてはならない苛酷さや戸惑いがよく書けていると思います。が、主人公の恋愛がもう凄く少女漫画っぽくて、その部分だけちょっと浮いたような気がするのは気のせいでしょうか。

  • 「武道館」でのライブを目指すアイドル達の奮闘記。
    世間が考えるアイドル像と、10代という人生の青春の間で葛藤する少女たちのリアルな物語。
    アイドルって単に華やかな存在だと思われがちだけど、裏ではたくさんのことを犠牲にして成り立っているんだな、と再確認した。
    何かを選択することは何かを犠牲にすることでもあり、それを全て認めた上で、自分がいちばん自身持って正解にできる選択をしていきたい。

  • 人生は選択の連続。何かを選ぶということは、その他の選択肢を捨てるということだ。自分の選択は正解なのか?他の選択肢を選んでいればどうなっていたのか?それは後になってからしかわからない。何が正しくて、何が間違っているのか?わからないけれど、自分で選ばなければならない。
    『アイドル』という職業を選択した主人公の愛子は、自分の選択した答えに思い悩む。可愛くなければならないが、恋愛禁止。お金を稼がなければならないが、お金持ちになることは許されない。泣いたり笑ったり表情豊かでなければならないが、ネットの書き込みに怒ってはいけない。
    アイドルは様々な矛盾を抱えた存在だと気づく。
    やがて、社会から与えられた答えではなく、自分自身が導き出した答えをだす。たとえ、それが社会から受け入れらえなくても。
    社会には沢山の模範解答が存在する。友達を大切にする。家族と仲良くする。愛する人と結婚する。子供を育てる。
    どれもが正しいけれど、それは自分で出した答えではない。
    朝井リョウはそんな世の中の当たり前に一つ一つ疑問を提起する。もちろん答えはないが、当然と受け入れていたことを考え直すことができる。

  • P177 L7
    自分は今、歌とダンスを極めているのだろうか。それとも、歌とダンス以外のすべてを、奪われているのだろうか。

    P199 L16
    人の不幸を見たい人は、不幸を見たいと声を上げる。碧の演技を「棒」と呼び、おかしな動画を作ってそこ中にばらまこうとする。だけど、人の幸せを見たい人は、この試合を見守る自分たちのように、きっと、ぐっと口をつぐんで、ぎゅっと拳を握りしめて、その姿を見守ってくれている。だから、人の不幸を見たい人のほうが、まるで多くいるように見えてしまう。自分の選択が間違っていたのではないかと、すぐに不安になってしまう。

    P247 L4
    人数だけじゃない。いろんなことが変わっていくよ

    ライブを授業参観って呼んだり、スキャンダルを撮られた女の子が頭を丸めたり、握手券を付ければCDが売れたり、そんなの、すっごく最近のことでしょ?ここ数年でそうなったことでしょ?だから、これまでみたいに、これからも、いっぱいいっぱい変わっていくの、多分。
    今目の前にあるほとんどは、最近生まれたものばっかり。ずっとずっと昔から当然だと思われてきたことなんて、実はほんのちょっとだけ。だから、目の前にあるほとんどは、これから新しく生まれ変わる。たとえば、握手なんかじゃなくて、歌って踊る姿をもっと見たいとか、そういうふうにまた変わるかもしれない

    なんか変だな、この仕事向いてないのかなって思ったときは、変わっていくってことを思い出して。みんなが直面して、悩まされているもののほうが実は、これから変わっていくものなのかもしれないの。何でも、自分がおかしいんだっていうふうに思って、そこを直していくと、みんな、おんなじ人間になっちゃうから。私、それは寂しいんだ。

  • 主人公やグループのメンバーに、今まさにテレビの中で生きているアイドルたちの姿が重なる。
    今の時代のありのまま。現実を書いていながら、決して皮肉や嫌味は感じない、爽やかで純粋な小説。

    批判や理不尽に慣れて、怒りを出さなくなったら、自分の器の形がわからなくなる。

    色々慣れてしまって、怒らなくなって、それは良いことなのだろうか。怒りは、自分の扱い方を相手に伝えるということだから、ちゃんと怒ることも大切だ。
    と最近よく考えてることと、同じことが書かれていて驚いた。

  • アイドルが、人から理想とされる姿と、自分の気持ちに正直に生きる姿と、そのギャップに悩みながら成長する話。自分もアイドルではないが、他人からどう思われるか、でも自分の生き方はこうだ、というギャップに悩むことがあるので、とても共感できた。

    主人公、愛子と大地の恋愛に感動。
    何もかもどうでもよくなって、ただ、いまその瞬間、その人と一緒に過ごせた時間が、後の自分を支えてくれるようになる、て感じる気持ちって確かにあったよな。
    でも今は人生設計を優先して考えてしまって、そんなに純粋に恋愛ができなくなっている気がする。久しぶりに、フレッシュな気持ちに触れられて、心が満ち足りた気がする。


    今の時代、日々の生活の中で違和感を感じるけど流してしまう心の動きを描かのが本当に上手いなあと。だから朝井リョウの本って止められない。

    無料で何でも手に入って、本当に自分が好きなものとか大切にしたいものを見失ってしまう世の中。その疑問に思う気持ちを忘れないようにせねば。

  • 夢だったアイドルになれて、グループで一心に夢の武道館ライブへ向かって頑張る日々。特典商法、握手会、CDの複数買い、写真誌スキャンダル。諸々の荒波を乗り越えて、武道館へ立てるのか…

    アイドルって素敵!頑張る私たち!と全面肯定したような青春小説なのかしら(それならそれで別にいいし)と思って読んでみたら、かなり痛切に「アイドル」を選択した十代の少女の等身大の物語が踏み込んで描かれていて、読みがいがありました。痛々しくて時折残酷さが顔を出す青春物は、作者はやっぱり巧いです。

    モチーフとなった騒動などを思い出してみると、ほんとうに「幸せな姿を見たいのか、不幸せを見たいのか」「自分たちより上の幸せを得ているアイドルは許せないのか」という言葉のリアリティが迫ります。一個人の言葉と有名人の言葉が同一線上でたたかうこともできる世の中は、本来あるべき壁を見失わせ、正しい距離感を測れなくなっているようにも思うのです。

    だんだんと少女の取る選択が見えてくる終盤、けれど彼女の選択は正しいものだったと納得させられる深い心情の描写がとても細やかでよかったです。

    ずっと変わってなかった感情が、いつのまにか禁止されていた。変わっていったのは周りなのに、非難の矢面に立たされるのは少女本人。矛盾でしかないのに、それがまかりとおるのが、芸能界。

    おそろしいところだと思いました。
    けれどもっと怖いことに、それでも戻りたいとも思える魅力をも含むのですよね…。

    なんだ魔界はここにあったのか、なんて思ったのでした。

  • アイドルとして、一人の女の子として駆け抜けた青春。

    アイドルグループのNEXT YOUのメンバーである高校生の愛子。

    小さい頃から歌とダンスが好きで
    応援してくれるファンに感謝しながらも
    疑問に感じるところも多々あった。

    助言してくるファンの存在、
    些細な事で過剰に反応する世間
    卒業していくメンバー、恋を知ってしまったメンバー。

    幼馴染に抱いていた思いが好きだということに
    気付いてから、愛子が選択して、決心したこと。

    アイドル好きです。
    男性スキャンダルは、やっぱり嫌だなって、思っちゃう現代人です。

    愛子と大地のスキャンダルは絶対出ると思った。

    やっぱり、著者のお話は、キラキラしていて眩しすぎるうううう。

  • 若者向け。30代のおっさんが読む本ではないな。

  • アイドルの道を歩む女子高生と幼馴染の少年。芸能活動も恋愛も、そんなに上手く階段上っちゃうのか?そしてそれを挫く元凶はそんなとこなのか?

  • 読みやすかったのでさくさく読了。アイドルなんだけど普通の女の子の、夢だったアイドルであることの葛藤。
    夢だったはずなのに、夢だからこそ、
    家庭、学校、恋、アイドルグループのメンバー、無理ない設定なのもよかった。
    実際のアイドルに起きたことなんかも織り交ぜつつ。
    とはいえ特に心に残る感じはなかった。
    あ、印刷会社経験から、裏方の苦労はうんうん、てな感じ。

  • 「この教室にいる皆は、これから、今は想像もしていないようなものにたくさん出会う。大学に行って留学するかもしれない、就職していきなり大きな仕事を任されるかもしれない、好きな人にとんでもなくひどい振られ方をするかもしれない。自分が何になるかもわからない中で、何になってもいいような土台を作るために、これから生きていくのだ。」

    「選ばれる道、選ばれない道。何が正しい選択かなんて、ほんとうに、誰もわからない。」

    「言いたいことは、いつだって、言葉にならない。伝えたいことは、言葉にできないことばかりだからこそ、誰かに分かってもらいたくてしかたがない。」

    「正しい選択なんてこの世にない。たぶん、正しかった選択、しか、ないんだよ。何かを選んで選んで選び続けて、それを一個ずつ、正しかった選択にしていくしかないんだよ。」

  • ストーリーとしてはアイドルが武道館を目指すという単純なものなのですが
    ・ネットで何でも無料で手に入れようとするようになったこと
    ・ネットによって特定の個人に振りかざされる正義感(炎上問題)
    ・アイドルの握手券でのCDの売り方に対する批判
    などなど今まで何となく違和感を持っていた事に対して
    作者の個人的な意見だとは思いますがとても上手く
    言葉として表現しているなと感じました。
    こういう言葉にするのが難しいことを上手く表現できるのが
    小説家の小説家たるゆえんなのかなとそんな事を考えました。

  • 構成が練られていて、物語の中にちりばめられたエピソードたちが終盤になるにつれて、ああここに落ち着くための伏線だったのかと解っていく。パズルのピースが上手くはまっていく気持ちよさがあった。

    テレビやラジオから感じていた朝井リョウさん御本人の面白さから小説を期待していたんだけれど、上手に書かれているな、現代の空気を観察しているな、という印象に留まってしまったのは残念。こっちが勝手にこじらせた話を期待してしまっただけなのですが。

  • 図書館で借りたもの。

    面白くて一気読み!!
    これ、高校生とか若い人に読んでほしいな~。
    逆に私の親世代だとわからない用語が多そう。(親子時計やまとめサイトとか)

    女性アイドルグループ『NEXT YOU』のお話。
    モー娘。やAKB48、ももクロをミックスしたような感じのグループ。
    熱愛発覚で頭を丸める、握手会での事件など実際あったことも絡めつつ。
    アイドルだって、普通の女の子だなぁ。
    『歌が好きなことも、ダンスが好きなことも、かわいい衣装を着るのが好きなことも、大地を好きなことも、小さなころからずっとずっと、変わらないんです。だけど、大地を好きなことだけが、あるときから急に、ダメなことになってたんです』

    『この人たちが恋愛をしてはいけなかった理由を、今、誰が説明できるのだろう。』

  • わあ。ちとチャラい。
    時間がたつだろう演出はわりと早めに思い当たった。
    フレッシュ感はあるけど、目新しい感じはなく。
    タイトルももう少し考えても。
    朝井さんならもっとあつく、面白くてきるはず。

  • ハロプロにAKB要素を足しつつ、あくまで女性アイドルに重きを置いて書いてる感じがする。男性アイドルはまた周りの雰囲気とかも違うので 笑
    大人になるにつれて自分の中での優先順位って変わってくるし、その時の周りの状況でも判断は大きく変わるんだろうなあ。

  • 人生の中での「選択」が良かったか、悪かったか、なんて、「選択」する時に分かるものではない。結果論にしかすぎない。
    でも、私たちは「選択」することをしなくてはならない。
    誰かがその「選択」を悪いというかもしれない。けれど自分にとって良いならそれでいいのだ。
    絶対とか、自由とか、禁止とか、そんな言葉に囚われて、自分が消されてしまう「選択」なら私はいらないと思った。

  • 朝井リョウさん好きだけどこれははまらなかったな。

  • アイドルの苦悩が今風に切り取られていて面白かった。

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武道館の作品紹介

「【アイドル】という職業が背負う十字架を、一度すべて言葉にしようと思いました。すると、不思議と、今の時代そのものを書き表すような作品になりました」(著者)「アイドルって作るものでなく、楽しむものである方が良いに決まってる。なのに、著者はこうやってアイドルを生み出す側にチャレンジした。それも文学の世界で……。なんたる野望。なんたるマニアック。なんたる妄想力」(つんく♂/音楽家、エンターテインメントプロデューサー)★【正しい選択】なんて、この世にない。結成当時から、「武道館ライブ」を合言葉に活動してきた女性アイドルグループ「NEXT YOU」。独自のスタイルで行う握手会や、売上ランキングに入るための販売戦略、一曲につき二つのパターンがある振付など、さまざまな手段で人気と知名度をあげ、一歩ずつ目標に近づいていく。しかし、注目が集まるにしたがって、望まない種類の視線も彼女たちに向けられる。「人って、人の幸せな姿を見たいのか、不幸を見たいのか、どっちなんだろう」「アイドルを応援してくれてる人って、多分、どっちもあるんだろうね」恋愛禁止、スルースキル、炎上、特典商法、握手会、卒業……発生し、あっという間に市民権を得たアイドルを取り巻く言葉たち。それらを突き詰めるうちに見えてくるものとは――。「現代のアイドル」を見つめつづけてきた著者が、満を持して放つ傑作長編!

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