まったなし まんまことシリーズ 5

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 506
感想 : 69
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163902715

作品紹介・あらすじ

NHK木曜時代劇「まんまこと」のシリーズ最新作! 江戸町名主の跡取り息子・麻之助が、幼なじみで町名主を継いでいる色男・清十郎と、堅物の同心・吉五郎とともに、さまざまな謎ともめ事の解決に挑む、大好評連作短篇シリーズの第5弾! 今回の密かなキーワードは実は「女難」。独身で嫁取りの話がひきもきらない清十郎ですが、いったいその理由は? 未だ妻を亡くした悲しみが癒えない麻之介、養子に入った家で年齢の離れた許婚のいる吉五郎、そして彼らの親友で大金持ちの金貸し丸三とその妾のお虎。いずれも清十郎の運命の人が現れることを願っているが、様々な障害や思わぬ事件に巻きこまれ……。

感想・レビュー・書評

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  • すごく良かった!
    この人の本の中では、二番目くらいに好き。
    最後は泣くかと思った。
    シリーズとしてはこれが一番好きで、のんきなようでいて、畠中さんは登場人物をよく死なすからハラハラするし、最初から読んでいたらこの最後の話とかやっぱり泣ける。
    お由有さんて切なすぎ、、、
    でもその分周りの人に愛されてるし、幸太くんがいるから良いのかな、、、
    お寿々さんがいきなり身罷ってからなんだかもうな感じだったけど、お安さんと清十郎には本当に良かったと思わず感情移入的な。
    これでお香とか云われたら安易な気がしちゃったかもね。
    このシリーズは割と恋愛に重きがあるように思えるけど、ままならなさがすごいし、時代が違うからとゆうのもあるけど、同じではないのに親近感もあって、とても良い距離感で読める。

  • まんまことシリーズ。
    江戸時代の庶民の話で、妖怪は出てきません。
    畠中恵さんの作品としては、恋愛色が強いですね。
    中でもこの作品はいい感じでした!

    町名主の跡取り、麻之助。
    奉行所に訴え出るほどのことでもない町内の揉め事の相談に乗り、裁定する役です。
    今回は、小さな事件が相次ぐうちに、3人で仲良くしている幼馴染の一人、清十郎の縁談がだんだんと進行していきます。
    これがもう、まったなしの状況なんですね。

    祭りのための費用が今年に限って集まらなかった理由とは?
    子犬がいなくなり、別な場所で発見されることが続いたわけは?
    病気になった麻之助は見知らぬ場所に‥そこから帰るには?
    高利貸しの妾のお虎が、幼い子供を預かることになった事情は?
    婚礼用の白無垢に染みをつけたのは、誰の責任?

    清十郎の縁談が進まなくなった理由は、清十郎の義母・お由有のことが原因だった。
    清十郎の父の後添いだったお由有は、麻之助と二つしか違わず、麻之助の初恋の人でもある。
    清十郎の縁談の相手・お安はしっかり者らしいが、やたらともてる清十郎がこれまで付き合ってきた娘達とはタイプが違う。
    お虎は一計を案じ‥
    今回は素敵な女性が多かったですね。当時の名前は似ているので、ちょっと覚えにくいけど(笑)
    頭のいい娘さんお安の参加で、次作の展開も楽しみです。
    麻之助とお由有の過去のいきさつが明らかになり、切なさもひとしおでした。
    これも麻之助の気持ちの整理に繋がるのかな‥

  • 人の縁というのはどこでどうつながるのか、どこで切れてしまうのか、不思議だと感じた。

  • 今回は八木家の縁談メイン。
    珍しく麻之助さんがよぅ働いてる巻。
    吉五郎さんは出番ほぼナシ。
     ■ ■ ■ ■ ■ 
    清十郎さんの縁談。
    賢そうな奥さん(予定)の今後の活躍に期待。
    今回は「江戸」っぽい女性キャラが複数登場してて楽しかった。
     ■ ■ ■ ■ ■ 
    お由有さんの縁談。
    過去話はちょっとアレだけど、
    今後の進路(?)は、私も同じく子を持つ母親として納得。
    これがベストチョイスなんだろな。
     ■ ■ ■ ■ ■ 
    このシリーズ読むと思うんだけどさ、
    縁ってタイミングに左右されるよね。
    ぃや、縁がタイミングを司るのかな?

    麻之助さんも良いご縁に巡り合えますよう。

  • 基本は清十郎の縁談話がどうなるかで進行して行きます。お寿ずさんの事が過去になるようで寂しかったけど、麻之助が時々思い起こしたり口にしたりしているので傷口はかさぶたくらいにはなって来たのかなと感じます。お由有さんとは本当にご縁が重ならないですね。この二人はやはりくっつかないと思うのですが、それでいいのかもしれない。でも幸せになって欲しい。だけど達三郎は嫌だな〜。しつこすぎるな。また、悶着ありそう。お安さんやお虎さんなど魅力的な女性キャラが増えましたね。清十郎も一生の伴侶に巡り合えて良かった。

  • 恋愛もの好きな私にはたまらない一作。
    いやー、清十郎さん、めでたや、めでたや。
    しっかり者だけど、愛されたい願望の強いお安さん。
    まるで現代の女性のようではありませんか。
    そして、最後には見目好い男性に惚れられる。
    こんなこと、現実にはありえんかもしれませんが、
    やっぱり夢見てしまいますよねー。
    お虎さんも、格好いいし。
    このシリーズ、女性がすてき。

  • 畠中恵さんの書いてるシリーズでは一番お気に入りのまんまことの最新刊。
    まったなし、は、麻之助だけでなくて、清十郎のこともだし、昔のこともだったわけでした。
    今回、久々にまたお由有さんとの切ない絡みが多かったですね。
    シリーズ最初の、だが、だがだがだが、という表現が好きだったんだけど、最近は使われなくなりましたね。なんか、麻之助が大人になってきたからなのかな。
    改めて、他のシリーズとは違って、恋愛物なんだなと思い知らせてくれました。読み応え十分。
    でも、早く麻之助には、幸せになってもらいたいな。

  • 今回は清十郎の嫁取り話。
    紆余曲折の末、ちゃんとハッピーエンドに相成ります。
    微笑ましい。
    麻之介はまだ傷心ですね。

  • ひさしぶりに、やさしいおはなしだった…(泣)!ほっこり。
    みんな幸せになるとよいなぁー!

    しかし、麻之介に背負わされてる荷がなかなかに重くて…ちょっと気の毒である。

  • 今回は清十郎さんを中心に描かれていました。
    お安さん、地味かもしれないけど聡明で素敵な女性です。きっと八木家をともに支えていってくれることでしょう。

    また、これまで語られてこなかった、お由有さんが清十郎さんの父親へ後妻に入った経緯が明らかになりました。

    本作も楽しく読ませてもらいました。

    麻之助さんはまだまだお寿ずさんのことが忘れられないようですが、前作の『ときぐすり』とは異なり、お寿ずさん思う麻之助さんが自然体でいてくれるのが何だかほっとします。

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著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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