朝が来る

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著者 : 辻村深月
  • 文藝春秋 (2015年6月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163902739

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朝が来るの感想・レビュー・書評

  •  民間の特別養子縁組斡旋業者を介しての縁組を行った夫婦と、その子どもを生んだお母さんのお話だった。生まれたばかりの子どもと初めて会う場面は、自分のケースを思い出して涙が出た。養親の立場、会っていない子供を思っている女の子の立場や、女の子と子どもを見捨てた彼氏の立場も想像できるので心が掻き乱されっぱなしであった。

     女の子にはそこまでご両親に対して意固地にならなくてもよかったのでは、と思った。彼女がいろいろな時間や場所で人に別の姿で思われて存在していおり、それが呪いになることもあれば救いになることもあるというのがとても面白かった。

     文章にいい意味で色がなくてとても読みやすく、どんどん入ってくるので夢中で先に先にと読んだ。ハッピーエンドで本当によかった。胸をなでおろした。

  • 2017.07.18 読了。

    図書館にて。

  • ほんと、人ひとりこの世に送り出すってことは、産んだ人はもちろん周りの人にとっても、「それ以前」と同じって訳にはいかないのよね。
    凄く…なんていうか、「考えさせられる」ってありきたりな言葉じゃなくって、もっと重い何かを、共有した感じ。
    最後、彼女を見つけてくれたのが、その子を育てている母ってところが…もう…ね。

  • なかなかない設定だけどリアルな空気を感じられた。
    佐都子もダンナの事も。まわりのウザい親も。一方のひかりの気持ちも。幼い彼も。こちらもウザい親。力添えのビジネスもありどうにか回るけど歪みは家族内にあるってホントそう。
    この息苦しさを産み出してる感じが今の日本って感じに思える。最後、感動的に祭り上げてるけどそんな場面みないし、そんな感情的なやつ周りにいなそうだし。そんなのは心の内でコソッと思い描いてるだけのシーンのように思える。
    けどリアル印象が勝って星5つ。よかった。

  •  最後は感動的な場面で終わるが、あまりにも大きな課題が出過ぎているだけに、エッどうなるの?と後味の悪さは否めない。中学生だった少女のひかりが奈落へ突き進んでいく様子に臨在感があり、悲惨だった。きっと少女のこのような心の動きは現実にありそうに感じる。序盤で主人公だと思った幼稚園児の朝斗くんが主人公ではなく、中途からひかりが主人公として中心を占める理由はこの最後の場面にあったのだ。

  • 養子縁組がテーマのお話。10代の学ぶ時期なのだからしっかりと勉学に励めといいたい。ましてや頼る相手が違う。作者が最終的に言いたいことがまるで見えず。

  • 辻村さんは終わり方がズルイよなー。

    わたしは、まだ母になったことはなくて
    これから先に母になれるかも
    わからないけれど。
    辻村さんが書く母と子はいつも壮絶だ。
    みんな壮絶なものなのかもしれない。
    誰に感情移入するとか
    そういったこともないんだけど。
    これはフィクションなんだけれど
    途方もなく涙がでた。

  • 後味悪いけどそういうもの

  • それぞれみんな不憫で泣ける。
    でも結局何も解決してないっていう・・
    ひかりに借金を背負わせた同僚女と
    ひかりの最初の彼氏にも報いがあってほしい。

  • 生みの親の若い女の子の転落ぷり。
    育ての親が大人で良い人だった。

  • 養子縁組をした夫婦
    子どもの産みの母
    養子縁組されるまでの
    それぞれの過程と
    子どもを手放した後の母の
    悲惨な暮らし
    養子縁組先の夫婦がとても
    冷静であたたかいと言う事が
    1つの救いでした
    産みの母のその後が気になる
    作品です

    過ちを犯した時
    人はどの様に生きるべきか
    とても考えさせる作品です
    また親の愛情って何かも
    改めて知る作品でした

  • 号泣はしないが、
    「ごめんなさい。ありがとうございます。」
    の件は、それぞれの章で泣ける。
    養子をもらうまでの経緯と、養子を出すまでの経緯が丁寧に書かれていて、どちらの話しにもすうっと入っていけた。
    ひかりは立ち直れるかな。

  • 苦しい、苦しい話だ…ひかりの部分。
    血が繋がっているからといって、言葉でなく想いを伝えることは困難だ。言葉の重みがひしひしと、伝わってくる。

  • 子供ができなかった夫婦と少し似た境遇で、回想部分を読んでいて泣きそうになった。数年前なら普通に読んでたと思う。想像はできるけどここまでその悲しさをより感じることはなかったかも。
    ひかりの話も、親からの愛情がうまく感じられずつらい状況にあったところが自分の環境と重なった。そのあとも、自分で働こうとしたけど借金の保証人に勝手にされていたせいで逃げるはめになってしまい回りに助けも求められず。他人から見たらちょっとばかに見えちゃうのかもしれないけど本人は必死だった。
    本当は親なのに、疑われて親じゃありませんて言うのはどんなにつらいだろう。預けられた家庭がお金があって、養子であることになんの後ろめたさもなく過ごしていることに、自分の環境と重ねたら親ですって言い通せない。こどもの年齢はわかっていたけど小学校にあがる年を勘違いしてたのはちょっと頭が足りない?とも思うけどひかりは新聞配達のきつい仕事をして、家出もしてるし落ち着ける環境にいなかったしそのぐらいの勘違いあると思う。
    ラストは一応ハッピーエンドで良かった。

    久しぶりに本を読んだけど今の自分が楽しめて読める本で良かった。表現も読みやすくて良かった。

  • 栗原清和・佐都子夫婦の子ども朝斗は、生まれてすぐに特別養子縁組をした子である。
    周囲にはその事実を隠すことなく、しかし実の親子のように仲睦まじく暮らしていた彼らのところに一本の電話が。
    「子どもを、返してほしいんです」

    子どもを望んでいるのに授からない夫婦、望まない子どもを宿してしまった親。
    彼らを結ぶのが、特別養子縁組。
    生まれてすぐに実母は親権を放棄し、養親は戸籍上実の親として子どもを育てる。
    しかしこの制度はあくまでも、子どもの救済措置なのである。
    子どもが幸せに、愛されて、育まれるようこの制度はある。

    栗原夫婦の事情―辛い不妊治療を受けながら、子どもを授かることができない。
    丁寧に丁寧に、夫婦の感情の軌跡を追いながら、夫婦としてこれからの人生をどう生きるかを確認し合い特別養子縁組に申し込むに至るまでを書いた第2章も読みごたえはあったが、第3章が白眉。

    普通の女子中学生だった片倉ひかりの半生。
    真面目で面白味のない両親に対する反発。
    好きな男の子と付き合えて有頂天になる気持ち。
    当たり前の毎日。

    妊娠がわかっても、なんとかなると思っていた。
    一時的に子どもと引き離されても、大人になって彼と結婚して迎えに行けるのではないか。そう思っていた。たとえそれが規則違反でも。
    しかし、子どもを生んで戻ったとき、そこに以前の「元通りの生活」はなかった。

    家族に背を向け、友だちと距離を感じて、彼からは距離をおかれて、ひとりで生きていくすべを持たないくせに、ひかりは孤独だった。

    ひかりが一人でもがけばもがくほど、どんどん転落していく様子に胸が苦しくなりました。
    ずるをしているわけでも、楽を求めているわけでもないのに、まるで罰を受けているかのように誰ともつながっていられないひかり。

    最終的に彼女がしてしまったことは償わなければならないことだけど、それでも希望の持てる終わり方にほっとした。

    不妊治療という、長く出口の見えないトンネルにいた栗原夫婦が、朝斗を腕に抱いたとき「朝が来た」と思ったのだとしたら、タイトルの「朝が来る」は、これからのひかりの人生なのかな。
    そうであってほしいと思う。

  • 本を読んで少しして、再度著者名を確認してしまった。学生・元気ものが多いイメージだったが、一転裏付けの取材も相当したであろうと思われる、ノンフィクションに近い「養子」をテーマにした本書。

    中学生で子供を産んだが、育てられないので我が子を養子に出し、その後産んだ母がどのように生きたのかが語られる。厳しい現実を見せつけられ、救いのない話だなと思って読み進むが、最後の1頁で救われる。
    興味深く本は読め、本著者の事も好きだが、この本はあまり、辻村氏っぽい所がみれないのは残念。この後の話、行方も気になる。

  • 子供を産み、そして育てるということについて、
    思い通りにならない登場人物たちの葛藤が、読者の心を揺さぶる。産みの親、育ての親は関係ない、子供のことを信じている、信じ続けられるのが本当の親なのだと。

  • 最後のページを読み終わると深く重く感動して息が苦しい。普通の人間が描かれているのに、その普通の人間がいとおしい。

  • とても読みやすくサクサク読んだ。子供を持つ母として、ひかりの母に近い自分に嫌悪感を持った。しかし現実には案外普通に育ってくれて胸をなでおろしている。子育てには練習も本番もない。少子化している現代において子育ては賭けのようなものかもしれない。

  • 特別養子の話、実の母は中学生だったかな。いろいろあるが、養親があまりにいい人だから。ちょっと現実にはないよねって話。でもこれを素材に考えさせられるところがいいかも。

  • どんな話か知らずに読んだ。どこへ行き着くのかと思いながら祈りながら。いくつになっても女は大変だ。子どもができても、できなくても。男にもこんな悩みがあるんだろうか?

  • 相変わらず死ぬほど読みやすい。

    不妊治療を経ても子供に恵まれなかった夫婦が望まれずに産まれてきた赤ちゃんを養子にもらう。
    その夫婦の養子になった赤ちゃんの母親は、まだ中学生の女の子だった。
    女の子が子供を産む直前にちゃんと母親になるシーンがすごくきれいだった。
    そのあと女の子は家にも学校にも居場所を見つけられず、どんどん沈んでいくんだけど、金銭の問題に巻き込まれ犯罪行為に手を染め色々やらかしながらも最後はちゃんと明るい未来を示唆されていたので読後感はよかった。

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朝が来るの作品紹介

出産を巡る女性の実状を描く社会派ミステリー親子3人で平和に暮らす栗原家に突然かかってきた一本の電話。電話口の女の声は、「子どもを返してほしい」と告げた――。

朝が来るのKindle版

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