羊と鋼の森

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著者 : 宮下奈都
  • 文藝春秋 (2015年9月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163902944

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羊と鋼の森の感想・レビュー・書評

  • タイトルがいいね。

  • 良い本。人に薦めたくなる。なんだか励まされる。自分も頑張ろうとそんな気持ちになる。やわらかな文体。しなやかで芯がある。そんな感じ。

  • 「ピアノで食べていこうなんて思ってない。」
    「ピアノを食べて生きていくんだよ。」 



    p175 のこの言葉良いね。好きなことが仕事になるっていう人の考え方って、こうなんだろう。
     好きなことを続けていくために生きていく。プロになる。能力を極め続ける。

     たぶん一般人は、「●●の道」で生きていくということは、それだけで稼いでいく。職人気質という意味にしか考えられないのだろう。そうじゃない。狭くない。
     ●●を続けて生きていく方法は多様だ。コンビニ店員をしながら、好きなことを続けていくこともできる。生きていくこともできる。現実的な生活に負けて情熱を失わない。そういう生き方、かっこいいね。


     古代ギリシア人は天文学と音楽が世界の根源だとおもって自然哲学を極めていた。星座は88個ある。ピアノの鍵盤も88本ある。これは偶然なのか、必然なのか。
     ピアノができたのはベートーッヴェンのころ、19世紀初めくらいからポピュラーになった。それまではチェンバロで、鍵盤は68とか73とかだった。ピアノと星座の生まれた時代は違う。だから関連性なんてないのか。それとも、ピアノは星の数だけ音を出すようになったのだろうか。

  • 調律師の物語であることは知っていた、その上で「このタイトルはなんだろう?」とずっと思っていた。
    そんな心持ちのままページを捲ることになったのだが羊と鋼の意味がわかり出す頃には物語にのめり込み瞬く間もなくその森の住人になって行く。
    宮下さん初読み、王道のお仕事物語で雰囲気は大島さんや中脇さんっぽくもあるのだが抜群の読み易さでどんどん引っ張って行く筆力とタイトルを始めとする独創的なレトリックは面白く彼女ならではの魅力となるのだろう。
    直木賞や芥川賞は時として?な作品を取り上げてしまったりするのだがさすがは本屋大賞ハズレなし

  • なんてことないんだけど、ずっと続きが読みたい。
    とても好き。

  • 読むまで、ピアノの調律師の話だと思い出せず、へんなタイトルだな、と思っていました。
    調律師の話と思い出した時、すぐにタイトルのセンスの良さに惹かれ、話の内容にぐんぐんのめり込んでいきました。
    とにかく、優しい表現、ココロが綺麗になるようなそんな言葉の数々。
    ピアノの音に関する表現がとにかく綺麗に綴られていて、清々しい気持ちになりました。
    私の家にも毎年決まった時期に調律のおじさんがきていました。とても大切に私のピアノの扱ってくれて、汗だくになっていつも調律をしてくださっていたことを思い出しました。

  • 綺麗な音がしそう

  • ピアノの調律師のお話。

    正解も不正解もないピアノの音の話で、依頼者の雰囲気でピアノの音を再現する。 言葉選びが美しく、比喩表現が多く綺麗だった。

  • 美しく、勇気をくれる物語。

    美しいものに気づくきっかけ。何かにこだわること。わがままになっていい。

    イメージを共有する言葉。できるだけ詳細で具体的に物を見ることにより、表現できる。
    それでも共有できない隔たりに向き合う姿勢。正解はない。
    それを形にする技術。

    諦めることと諦めないこと。

  • 宮下奈都さんの本が大好き。とにかく言葉の選び方、文章の表現が丁寧できれいで、それだけで満足できる。話が面白いとかつまらないとかの前に、この文章を読めるだけで嬉しい、という作家は宮下さんと小川糸さんくらい。
    地に足をつけて、誠実に、丁寧に、日々を歩んでいく幸せというものを教えてもらった。

  • 職人さんが生まれる過程が面白い。
    ただ、主人公の自己評価がすごく低くて気になった。

  • ピアノの調律師として歩み始めるひたむきな主人公が次第に熱を帯びていく様が心地良い。自分の原風景に向き合い、森と溶け込んでいく心模様は自然で美しく静かではあるけれどとても素敵だった。調律師のお仕事の素晴らしさを改めて体感できたように思う。
    双子の姉妹や調律師の先輩など登場人物がとても魅力的だったのも圧巻。

  • ジャケ買い。カバーの羊がかわいい。
    本を読んでいて、音が聴こえてきた。澄んだ余韻の響きを感じる本。
    若い調律師の葛藤と覚悟に、涙が止まらなかった。

  • 根気よく、一歩一歩、羊と鋼の森を歩き続けること。

  • 我が家に来て下さるピアノ調律師さんとは、「最近は時々、歌の伴奏をしています」「そうですか、ぜひどんどん弾いて下さい」とあっさりと話すくらいだが、この本を読んで、淡々としているように見える調律師さんも、感性を磨き、情熱を傾けて仕事をしているのだということに、改めて気づかされた。

  • ピアノ調律師という職業がある。その存在を知っていものの、日常生活に深く関わる人ではないので、日々その存在を意識することはない。本書で語られるのは、職人が我々とどのように関わっているのか、普段は黒子の存在でいる調律師の存在とは何かだ。ピアノなんて普段聞かないなあと思っていても、よくよく考えてみれば、テレビのCMでも流れるし、商店街やお店のBGMでも流れる。楽器の中では最も身近な存在だ。そのようなピアノを自然に聞く人の耳や心に届けるのが、調律師の仕事。このような職人の仕事には頭が下がる。主人公の外村は、優れた調律師に出会ったことで天職を見つけた。こんな幸運はなかなかない。生活に派手さはないが、外村は幸せだと思う。ピアノに関わる人々を幸せにしているし。ちなみにタイトルの「羊と鋼の森」はピアノそのもののことだった。

  • 静かな物語。世の中の流れとか評価ではなく自分がやりたいことを突き詰めていく潔さと強さ。目の前のことを大切に集中して生きていく。由仁がピアノが弾けなくなって…高校生がそんな潔く調律師と思うかなとそこには疑問を感じた。

  • 淡々と綺麗な話
    読後感がよい
    3.5くらい

  • しみじみ良い話だった。調律師のお仕事小説としても興味深いのはもちろん、音の表現が素敵だった。人生を変えるほどのピアノの音との出会いってどんな衝撃だろう。外村君も良いけど社内の先輩たちもいい。こんな先輩いたらいいなぁ。こんなこと自分は言えないなぁ。など、いろいろ思うお話だった。ピアノ弾きたくなるな…。

  • 2016年本屋大賞をとったと聞いて。

    美しい。
    何ともいえない美しい作品だった。

    決して美辞麗句でははない易しい言葉で、
    妖精も魔法使いも現れない現実世界を描きながら、
    ファンタジーとしか言いようのない作品だった。

    その美しさの一部は、
    ある日偶然、ピアノの調律と出会ってしまった、主人公の精神性から来るものなのだと思う。
    純粋さと強さと熱くないひたむきさが心をゆさぶる。

    もちろん、ピアノを取り巻く演奏家や調律師の人生、
    独特の言葉の使い方や表現も美しさを構成している。

    この世界に住みたい。
    明らかに今、自分がいる世界とは違う、
    厳しくも美しいこの世界に住みたい。
    そう思ってしまう作品だった。

  • 主人公の愚直というか、そのひたむきさ、純粋さに周囲も当てられるというか、自身を見つめなおすというか、報われて欲しいと思ってしまう。ラストは多少報われたけど、この先の報われて欲しい物語も読みたいと思ってしまった。

  • つい最近、恩田陸の 蜜蜂と遠雷 を読んだのですが、蜜蜂の遠雷はとにかく鳴らす鳴らす響かせる聴かせると、アグレッシブな青春小説で、こちらの羊と鋼の森 は、静かに淡々とピアノを調律するパッシブな緩やかな世界でした。
    しかし、静かに見えるピアノ調律師の世界のなかに、どうして調律をするのか、どこを目指すのか、と秘める熱い物語がありました。
    コンサートを、演奏を支える調律師の世界を垣間見ることができます。
    夜に読むと穏やかな気持ちになるので、心地よく音楽の夢をみて眠れそうです。

  • 最初タイトルでどんな話なんだろなって思ってて、友人にピアノの話と言われて余計訳がわからなくなった覚えがあります。

    とても素敵な話でした。音楽って素晴らしいなとか、ピアノ弾いたことないけれど弾いてみたいなとか、言葉にうまく表すことができませんが、主人公の世界観がとても素敵で読んでる側にも感性を響かせる話でした。

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羊と鋼の森の作品紹介

ゆるされている。世界と調和している。それがどんなに素晴らしいことか。言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。「才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。(本文より)」ピアノの調律に魅せられた一人の青年。彼が調律師として、人として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った、祝福に満ちた長編小説。

羊と鋼の森のKindle版

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