美女二万両強奪のからくり 縮尻鏡三郎

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163904184

作品紹介・あらすじ

冷酷非道な悪に立ち向かう同心の決死の闘い町会所から千両箱が消えた! 前代未聞の事件は幕閣の醜聞に発展する。殺される証人、予測不能な展開。狡猾な事件の黒幕に迫れるか。

感想・レビュー・書評

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  • 江戸時代は火事や先物買い、飢饉などで米の高騰が度々あった。富めるもの、買えるものはいいが、大方の市民の生活は混迷する。

    そこでお救い小屋ができたり、町会所という、米を配布したり金を貸したりする機関を町人たちが作った。
    が、できてから時間が経過すると、お金があつまりすぎた。
    それを商人に貸し付けたり、大名に貸し付けたりと、本来の意味とは違う使い方がされるようになる。

    といった銀行とも言える町会所に強盗が入り、20000両が強奪される。。。

    捜査すると、老中も絡んだ大きな不正な金の流通が。

    今回は、事件一つに絞りなんどもはしごを下ろされそうになりながらも、解決に向かう。

  • これはシリーズ8冊目で7冊目を読んでいなかった~お救い小屋に並んでいた者が割り込みを注意し、殴りかかられて叩きのめし、怪我をさせて番屋に連れてこられた。持参金付きで婿に来たが、約束が違うので今は別居中だったのだ。被害者は偽名と偽の住所を名乗り、やがて巾着切りだと分かったが、町会所から2万両を奪った一味の話を取引に持ち出してきた。その話も大概は嘘だったが、盗人が使っていたと掏摸が云う旅籠に泊まっている者一人が怪しく、どうやら上野寛永寺からの盗みに絡んでいるらしい。寛永寺からなくなった能衣装を質屋に持ち込んだ浪人。寛永寺貫首の落とし胤、謎の美女は女太夫だ。妾宅を構えた見映えの良い武士。老中脅迫の書き付け。そもそも二万両はあったのか?~町奉行所の同心・梶川も小坂も振り回されつつ、少しずつ核心に迫る。うん上手だ!

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    南北の両奉行が仰天した、前代未聞の町会所襲撃事件。唯一の手がかりは柳腰で豊満な絶世の美女。上からお叱りを受けた仲間のため鏡三郎はワルの中のワルを追う。大人気シリーズ第9弾。

  • 2014〜15年に「別冊文藝春秋」に連載された7話の単行本化で、シリーズ9作目。

    御救い米を支給する町会所から、二万両が強奪されるという前代未聞の(小説だけど)事件が起き、南北の奉行所は総出で捜査にあたる。

    囲われものらしい美女、掏られた財布に入っていて高額で買い戻された書き付け、被害届けが出なかった寛永寺の強盗事件も絡んでいるらしいが、解決の糸口を見つけても糸はすぐ切れる。

    推理を進めていくと、強盗事件は狂言で狙いは恐喝ではなかったかと、意外な方向へ向かう。

  • 2016年3月刊。シリーズ9作め。北の御番所の面々によって、推理、探索による事件のからくりが次々と語られ、圧倒されます。かなり地味な話で、いったいどこに行き着くのか、わくわくもしながら、読み進めました。佐藤さんでないと書けないお話で、それなりに楽しめました。

  • 【冷酷非道な悪に立ち向かう同心の決死の闘い】町会所から千両箱が消えた! 前代未聞の事件は幕閣の醜聞に発展する。殺される証人、予測不能な展開。狡猾な事件の黒幕に迫れるか。

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著者プロフィール

佐藤 雅美(さとう・まさよし)
1941年兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒。デビュー作『大君の通貨』で第四回新田次郎文学賞を受賞。1994年『恵比寿屋喜兵衛手控え』で第110回直木賞を受賞する。著作に『御奉行の頭の火照り 物書同心居眠り紋蔵』『頼みある仲の酒宴かな 縮尻鏡三郎』『関所破り定次郎目籠のお練り 八州廻り桑山十兵衛』『知の巨人 荻生徂徠伝』などがある。2019年7月逝去。

「2021年 『恵比寿屋喜兵衛手控え 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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