ままならないから私とあなた

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著者 : 朝井リョウ
  • 文藝春秋 (2016年4月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163904344

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ままならないから私とあなたの感想・レビュー・書評

  • 新鮮味がない。マンネリ。
    朝井リョウに期待しすぎたのか。

    レンタル家族。
    これ結末わかっちゃうよね?
    星新一風?
    駄作。

    表題作。
    中途半端だよ。詰めが甘いし。
    なんだろう、がっかり。

    すいません、辛口で。
    今年はずっと読書スランプでひどい遅読…
    胸に刺さる良作に全く出会えない。
    だれかおすすめありませんか?

    花丸押してくれた皆さん、フォローしてくださった皆さん、有難うございます。
    長い付き合いの方々、大変ご無沙汰です。
    ぼちぼち復帰していければと思います。
    どうぞよろしく。

  • 周りの人に溶け込み、ごく普通の生活を送る自分
    唯一無二の自分

    こんな違う方向のベクトルをもつもの2つを
    どうして私は両方手に入れたくて必死になるのだろう。

    そんな普通であることに執着する「レンタル世界」と
    オリジナルな自分でありたいと願う
    「ままならないから私とあなた」の2編。

    どんなに長い時間をかけて人間関係を築いてきても
    わずかな小さな違和感のせいで
    たちまち崩れ去ってしまうかもしれないもろいもの。

    心の狭い私のテーマである、受け入れること認めること。
    この2編でも思いましたが、理解できなくても
    どうにか認めることはできないんでしょうか。

    そのヒントはこの本ではつかめなかったですね。

    もうちょっと突っ込んで書いてほしかったなぁと
    次に期待したいと思う一冊です。 

  • レンタル家族 と 表題作の二本立て

    レンタル家族は、大学体育会からベッタリの先輩の引きで同じ会社に入った男性が、レンタル家族というサービスをキッカケに、何もかも知っていると思っていた先輩との関係に疑問を持つ話。

    表題作は女子ふたり、小学校時代から話がはじまる。
    メインの方は音楽好きなわりと普通な女子、片方は数学好きで自分の価値観でムダと思うものは切り捨ててしまう。
    全く違うふたりなのに、なぜか仲がよく つながり続けるが最後に決定的な亀裂が走る .....ようで、まだ先のことはわかんない、という構成。

    ああ、体育会系 苦手だよね〜 作者もきっとそうなんでしょう。あからさまにイヤミだ(笑)
    まぁ、でもいいや、これは男子だから こんなにツルんとした単純バカでも、はぁ〜 そうなのかもね〜 でおしまい。

    でも、後者は違和感だらけだな。
    本読みの友人は朝井リョウを「女子力高い」と評したが、女子力高ければ普通は回避するところを、まったく無神経に踏み込んでいく感じ。
    あ、それネタにしちゃうんだというイヤラシサ。
    林真理子的。

    でもマリコさまほど書けてないのは、対象が20代の若者だから、だけではそろそろ済まされないよ?

  • レンタル家族、は仕掛けには気づいたものの、その先の言葉にはハッとした。自分も彼のように無神経に何かを信じているかもしれない。
    そして、表題作。レンタル家族、と並んでいる事がすごい。一方で人間的?な関係を肯定、一方でそれだけでもないかもよと言ってるような、何かを結論付けすぎない感じが既読の著作の印象に重なった。
    でも、朝井さんはテレビで著作には特定のメッセージというか、こう読め!という道筋をつけると仰っていたので、こんな感想は違うのかも(笑)と思いつつ。
    自分は雪子ちゃんタイプなので、薫ちゃんの理詰めを聞けば上手く反論できなさそうだし、言う事もわからなくはないけど…極端よねぇ…と遠い目になる。レンタル家族の高松さんの話も合わせると自分の価値観が揺らいでいく。
    朝井さんの本を読むと、何となくやっぱり世代を感じる。それは世代ではなくて個性なのかもしれないけれど、未来的なツールの使い方がとても自然な気がしてしまう。自分も「昔は良かった」病にならないようにしなくては、と自戒。

  • ★3.5

    ・『レンタル世界』
    人間関係をレンタルするサービス
    主人公・雄太は明るく真っすぐな体育会系の熱い人なんだけど、
    余りの暑苦しさにちょっと共感出来ない部分もあったけど、
    レンタル家族…友人・恋人・親戚・兄弟…。
    私もそんな嘘は嫌だなぁ。
    正直が良い。正直に人間関係が築かれなかったら嫌だって思ってた。
    ラストに待ち受ける驚愕の真実…。
    何もかも知ろうとする事は正しいのか…。
    んー難しい…やはり、言いたくない事は言わなくても良いけど嘘は嫌だなぁ

    ・『ままならないから私とあなた』
    ユッコとカオル小学生時代からの親友。
    成長するに従って、意味がない必要がないと思う事を次々と切り捨てて行く薫。
    そんな薫は、高校時代からは発明家として脚光を浴びてきた。
    無駄なものにこそ、人のあたたかみが宿ると考える雪子。
    自分にしか作れない曲を作曲したいとピアノをずっと頑張ってる。
    雪子の柔らかな感受性は、とってもかけがえのないものだと感じた。
    しかし、薫の「自分にとって都合のいい新技術とか合理性だけ受け入れて、
    自分の人生を否定される予感のするものは全部まとめて突っぱねるって、ずるくない?」
    その言葉は胸に突き刺さった。
    どちらが正しいかなんて答えはないんだと思う…。
    確かに、今使ってるツールを使わず不便な時代に戻る事は考えられないけど、
    だからこそ、大切にされなければならない物って沢山あると思う。
    沢山の無駄や意味のない事や後悔する事…沢山重ねて来て今の自分がある。
    やっぱり、私は無駄な事ってとっても大切だと思う。
    ままならないことがあるから人間…(*´˘`*)♡

    著者の作品を初めて読みましたが、凄い感性だなぁ…(*˙︶˙*)

  • 朝井さんの小説はいつも現代を明確に切り取っている。いろんな方向から切り取るから立体的。あまりにも正確だから、読んでいる最中は爽快感よりもちょっとずつ傷つけられていく感覚がする。すごいな朝井さん。

  • 朝井リョウさんらしい作品でした。
    現代的というか、あり得そうな近未来的というか、とにかく「今の時代」を切り取り、独特の表現力で物語を紡ぐのが朝井リョウさんだなぁって感じます。

    「レンタル彼女」については、先日読んだ「リップヴァンウィンクルの花嫁」でも結婚式の代理出席が出て来た為、余計リアルに感じました。

    表題作については、少し唐突な終わり方で物足りなさがありましたが、テーマはとても興味深いものでした。
    何でもかんでも自動化され、いつかロボットが人の手に代わり労働力となるなんて言われているこの現代ならではの小説だと思います。

    何が正しいのかなんて、答えはないなと思います。
    代理出席が悪い、全て自動化して効率を追求することが悪いなんて、言うのは簡単だけど、物語の最後に薫が語る主張には耳を傾けざるを得なかったです。
    「人間関係だけは合理化できないし、何も省けない」と主張する雪子。
    でも一方で、「レンタル彼女」の様な世界が存在し、その中でも言われている様に風俗やキャバクラで気軽な関係性を楽しんでいる人なんてごまんといるわけで。

    何かそうゆう矛盾を朝井リョウさんはちゃーんと突いて来ますよね。

  • 朝井作品を読むのはこれで2作目。
    二編からなる本。
    まず始めの『レンタル世界』。
    序盤からオチの予想はついたものの、文字で読んでみるとやはり衝撃を受ける。

    次の『ままならない〜』はどうにも悩ましい作品。
    合理性を追求する友人と、人間らしさ、心など人の内面を大切にしている主人公。
    かなり両極端に書かれているけれど、どちらも大切だと思う。
    ただ人との関わりは、顔を見て、手で触り、温度や匂いを直接感じたい。私は。
    それすらも必要なくなっていくのかなぁと思うと
    何だか薄ら寒くなってきますね。

  • 朝井リョウらしくて良かった
    男子学生や女子学生独特の微妙な期間が描かれていて好きだった
    朝井リョウは女を描いて欲しいなぁ
    きっと女性より女性らしく描けると思う
    今までは学生を描いて欲しかったけど、今度は大人の女がいいな

    ままならないから~は、僕はアナログよりな人間で常々疑問に思ってるところが描かれていて良かった
    未だにスマホを持っていないし、携帯すらみない時間がほとんど
    PCは持ってるからネットは家から繋ぐものとして触れ合っている

    ネットショッピングもするしSNSもしてる
    でもそれを家から持ち出す気にはまだなれない

    僕はスマホに支配されつつある世界がちょっと恐い

    この間、友達と旅行に行ったけど、移動時間中ずっとゲームをしていて旅行に来てる意味あるのかな?って思った
    ゲーム上で友達や彼氏とやりとりしてて、ちょっと寂しかった
    遠くに来たのに普段と変わらないゲームを普段と同じ人としてるのが怖かった
    隣にいる僕は?って思った
    僕もゲームをしたら解決する問題じゃない気がした

    僕は一人旅が好きで一人旅でも携帯はあまり使わない
    現地でゲットした地図や情報で自力で探しあてるのが楽しい
    旅先で同じく観光に来てるだろう青年が、ガイドブックやスマホばかり見て、せっかくの路面電車や路面電車から見える景色を見ていないのは勿体無い気がした

    僕もスマホを持ってしまったらそういう人になってしまいそうなのが一番恐い

    だからと言ってネットやゲームが悪いとも思ってない
    そうやってネットやゲームで知り合って、友達を増やしたり、遠距離恋愛したりと言う例も見てきたから

    ただ、僕の手にはあまるし、うまく付き合える自身がないからスマホを持たないだけ

    将来的には持つことになるだろうけど今は無理

    オリジナルが無くなって行く社会は怖いけど、薫ちゃんの言う通り、その上で新しい文化もできるんだと思う

    でもどの文化を楽しむのか、どんな生活をするのかは個人が決めることだと思う
    不便でもマイノリティでも自分が選択したほうが楽しく生きられると思う

  • タイトル作とレンタル世界という二作。
    どっちもなかなか痛いところつくなぁ、っていう作品でした。

    レンタル彼女とかレンタル友達とか、わたしも否定的ではあるが、彼女のいうことも確かに一理あったなぁ。レンタルでの関係をみせることによって大切な関係を築く、とか、ひとは第三者の評価をあてにする的なところとか。レンタルの関係性も必要だな、って思えた。

    表題作は合理化ところとか人間的なもののぶつかり合い。まさかあんな形で友達に夢を潰されるとは、なかなか辛い結末だったな。しかもその友達は正しいことをしてると思ってるからね。
    夢を応援する、寄り添うって言って結局は自己満だしなぁ。でもそのうちこういうことって増えてくるのかな。利便性やITが人の夢を奪うこと


    2017.2.18

  • 「レンタル世界」
    自分の人間関係構築の流儀を正しいと信じて疑わない男がレンタル業で働く女の子に一目惚れしたことがきっかけで、
    いままで自分が「本物の絆」だと信じて疑わなかったものが剥がれていく話。
    終盤に先輩の驚きの秘密というか、本物の先輩像が判明して驚き!
    ミステリー要素があって面白かった。

    「ままならないから私とあなた」
    なんでこんなタイトルなんだろう?と思って読み始めたけど、ものすごくシビアなものを突きつけられた。
    主人公がいう、
    「意味とかがなくったって、単純に楽しい、楽しいだけ、それ以外何の意味もないみたいなことが、意味のあるすべてのものを一気に飛び越えていく瞬間ってあるんだよ。
    そういう瞬間こそが、どれだけ意味のあるものよりも気持ちを明るくしてくれたりもするんだよ。
    誰でも何でもできるようになったら、皆同じになっちゃうから。ままならないことがあるから、皆別々の人間でいられるんだもん。」
    っていうのは本当にその通りで、
    薫が考える効率のいい世界には、多分なんの意味も面白みもないと思う。
    そう思った矢先の薫の反論と、「ままならない」現実に襲われたユッコ。
    朝井リョウは、みんなが無意識のうちに見ないようにしている、見えない現実をえぐり出すのがとにかくうまい。
    ただ結局その差し出された現実をどうしていいのかわからないから、
    せめて小説の中だけでも、彼なりの答えを見せて終わってほしかったな、、、

  •  テクノロジーの進化で、できないことができるようになってきた。いろんなことが。
     それを突き詰めていくと、全部のことが誰でもできるようになるということだ。なんでも、かんでも。
     そうなったとき、人間と機械の違いはあるのだろうか。

     「ままならないことがあるから、皆別々の人間でいられるんだもん」

     私とあなたを隔てることは、私にできないこと、あなたにできないこと、できないことがあるからだ。
     そこでタイトルが生きてくる。ままならないから私とあなた。

     今まで、テクノロジーが人から仕事を奪うとか、技術革新で生活の質は向上しているとか、そういう議論は尽きない。
     それが良いとか、悪いとかを身近に落とし込んだ小説は読んだことがない。

     技術革新は敵か味方か。このまま進化の速度に身を任せていいのか。

     「レンタル世界」では、お金で人間関係を見せかけることの是非について、
     「ままならないから私とあなた」では、小学校からの薫と雪子の友情を通して人間と機械の違いについて考える。

     読みやすく考えさせられる二編。

  • 中編2作、いずれも若い男女の恋愛を交えながら、理解し合うことの難しい対照的な価値観を描いている。

    恋人や友人、家族などをレンタルしてその場をやり過ごしたり、足りないものを埋めようとすることは、ありかなしか。人間関係が希薄になった現代ならではの設定だが、自分の正義を信じて突っ走ろうとする主人公の姿は普遍的。

    幼なじみの対照的な女性2人、かたや情緒豊かで音楽家を目指し、もう一方は無駄が嫌いで効率のよさと機能性を最重視する。お互いを大事に思いながらも、正反対の価値観の違いが年齢を重ねるとともに大きくなっていく。根本的なところでわかり合えない二人が、大人になるまで仲良しだったこと自体が不思議。

    いずれも、恋や友情に悩む主人公と同世代の人向きの作品かな。

  • ものたりないけど高校生にはちょうどいいんだろうなぁ

  • レンタル世界と表題作が入った2作品。ざっくり言うとどちらも価値観の違いがテーマかなぁ、と。価値観の違う2人は価値観の違いをお互い認識していた。相手に解って欲しいが為に自分の価値観を無理矢理にでも相手に押し付けてしまい、相手とぶつかり合ってしまう。絶対に譲れない価値観があり、その価値観がお互い一致しなければ相手は自分の思い通りにはならない。それはお互いがどんなに仲が良くても好きな相手でも、一生平行線のままの関係にしかなれない。何とも言えぬもどかしさが残る一冊でした。

  • +++
    先輩の結婚式で見かけた新婦友人の女性のことが気になっていた雄太。
    しかしその後、偶然再会した彼女は、まったく別のプロフィールを名乗っていた。
    不可解に思い、問い詰める雄太に彼女は、
    結婚式には「レンタル友達」として出席していたことを明かす。 「レンタル世界」

    成長するに従って、無駄なことを次々と切り捨ててく薫。
    無駄なものにこそ、人のあたたかみが宿ると考える雪子。
    幼いときから仲良しだった二人の価値観は、徐々に離れていき、
    そして決定的に対立する瞬間が訪れる。 「ままならないから私とあなた」
    +++

    レンタル派遣業、ずいぶん前から小説の題材としてはあって、そのときどきで興味深く読みはしたが、現実問題になってくると、怖すぎて言葉を失う。ほんとうのことって何だろう、人間関係ってなんだろう、と疑心暗鬼に駆られてしまいそうになる。
    表題作は、まったく人間というものは、なんとままならないものだろうというのが、率直な感想である。雪子と薫、アナログとデジタルの象徴であるかのようなふたりだが、お互いの考え方がまるで違うことに(主に雪子が)疑問を抱きながらも、遠ざからず遠ざけずに一緒にいるということ自体、0か1かで割り切れない何事かがあるからだろう。人間ってやつは、自分で自分のことすらわからないのであり、ままならないのが普通のことなのかもしれない。雪子と薫の補完し合う関係性が愛おしくもある。自分は雪子寄りだと思って読み進んだが、薫の言葉にも頷けるところがあって、そんなところも、0か1かではないのだと思わされる一冊だった。

  • #読了。
    「レンタル世界」と表題作「ままならないから私とあなた」2編。価値観の違いを考えさせる作品。
    雄太は先輩の結婚式で気に入った女性と、後日偶然出会う。新婦の友人と思っていた彼女は、実は「レンタル友達」として式に出席していたのだと知る。その考え方についていけない雄太だったが。。。
    小学校からの親友、雪子と薫。効率を追い求め、無駄なことをしない薫と、そこに意味があると考える雪子。戸惑いながらも関係は続くが、雪子が追い求めていた音楽が、薫の合理性によって侵されたとき。。。
    もちろん人の価値観はそれぞれで、だからこそ面白いこともある反面、まったく理解できないこともある。理解し合おうと努力をどこまでするのかというのも、距離の近さによって変わってくるだろう。表題作の薫の言う「効率」という点では、単に人間関係だけの話でなく、社会的なシステムにも言えることなのだろうと。

  • 先輩の結婚式の新婦友人席にいた可愛い女の子と偶然再会した雄太は、彼女が「レンタル友達だった」と知る。本当の人間関係のつながりのよさを教えてあげようと、彼女をレンタルして先輩の家へ遊びに行く―【レンタル世界】他、表題作

    ◆ああああ。もう。さすがの朝井リョウ。表題作は、どうにもあらすじまとめられない。だって「これ!」って事件はなしに、小雨が水位を増したのに、決定的!なとこでダム決壊みたいな激しさがあるんだもの。どっちが正しいわけじゃない、だけど薫みたいにボタン1つで雪子のそれまでの努力が無駄、みたいのは…て
    雪子の「努力」を応援したいんじゃないかな。でも薫だってそのプログラムを作るために努力してないわけない。ユッコの夢を叶えるために作った、「ユッコが作りだせる曲を生み出せるソフト」がユッコの夢をつぶす。無駄なものにこそ人間らしさがって力説するけど、「自分に都合のいいことだけちゃっかり受け入れて自分を脅かしそうな新しい何かが出てくると人間として大切な何か~って逃げる。変化していく社会に理解がある顔して自分は自分のままでいたい、ずるいそんなの」ってカオルの絶叫にガツンとやられる 。

    本当、「ままならない」っていう言い方がぴったりすぎて。朝井リョウ、本当最近純真なだけじゃない、みんなが声を大にして言いはしない本音を突き付けてくるから怖いー

  • この2作品、湊かなえの小説だって言われてよめば納得してしまうかもしれない。作風が似ている。
    リアルな会話とか、デティールの細かさ、後味の微妙なとことか…。
    レンタル世界、これ最近読んだ”リップヴァンウィンクルの花嫁”の題材になった友人、家族のレンタル業の話しと通じるとこがあった。
    まさか先輩の奥さんまでが!でいろいろ理由をつけて写真も撮らせないメアドも交換しないってとこで怪しいとは思ったけど。
    で、これよりも長編だった表題の”ままならないから私とあなた” 親友同士の薫とユッコでも小学校時代の渡辺君がでてくるあたりが好き。学校を休んだ薫にプリントを届けるとことか、黒板消しを背の高い渡辺くんが手伝ってくれたり。
    著者が男性なのになんでこんな女子の微妙な心の揺れがわかるんだろう。
    途中から絶対薫なユッコを裏切るか何かよからぬことをしでかすだろうと思ったよ。
    まさかここ一番ってとこでやらかしてくれたよ、しかも自分はすごいいいことをしたと思ってるとこが致命的。
    でもラストのオチは必要だったんだろうか。
    薫に言わせれば、データをとって計画的にしないとそうなるのよってことなのか。

  • 朝井リョウはこういう作風でいくことにしたのでしょうか。
    世の中の風潮、従来の価値観、正しいと信じられてきたこと。そういったものを登場人物の誰かがバッサリと切り捨てていく。
    この手法はこれまでもすでに何度か繰り返されてきていたけれど、これがまたクセになるほど気持ちいい。まるで絶叫マシンでものすごい角度を一気に下降していく感じ。
    自分がこれまで積み重ねてきたものがこうも覆されるのは、爽快感と呼んでも間違いではないと思う。

    朝井リョウは、実際に自分が感じていることや言いたくてたまらないことをストレートに作品にぶつけてくれる気がします。そういうのわりと好き。
    善であるか悪であるか、正解であるか不正解であるか。
    結末まで読んでも、そういった答え合わせは一切くれない。
    ひたすら残酷なまでの唐突さと勢いで、力いっぱいぶつけてくるだけだ。

  • 朝井リョウ氏らしいこの感性、すごいびりびりくる。
    ままならない、そういうもどかしく曖昧でどうしようもない感じのものまで合理的に具現化されちゃうのって単純にものすごく怖くないですかね。
    もう色んなツールがなかった不便だった過去には戻れないけれど、だからこそ大切にされるものもたくさんあるわけで。
    なんだかんだいってルネサンス的流れもあると感じるしな。
    でもまぁ薫ちゃんの考え方も嫌いではなく的を得てる部分もあると思う。
    新しい価値観や人間関係や創造性がイノベーションであり進歩なのだろうから。

    まぁこれからどうなっていくのやらと思うと楽しみ半分恐怖半分だな。
    最近の小学校、壁がなかったりチャイム鳴らなかったり家庭訪問なかったりするだけでヘ~イマドキって思ってたけど、本気でタブレット化されてランドセルが消える時代が来るのかなぁ。
    ボカロもいいけど人が歌い奏でる音楽は廃れないと思うよ。

    あとラストはえーここで終わり?と本気で疑った。
    ままならない…
    どうしたのかな、二人の友情も仕事も、雪子はできてたのかな結婚するのかな


    短編の「レンタル家族」ちょっとしたホラーだな。
    いやでも解るような理解しがたいような。
    いやー人間関係いろいろめんどくさいよね。
    しかし結婚して風俗はないぜ。

  • 同僚の結婚式で見かけた、新婦友人の一人に一目惚れ。後日、偶然出会った彼女は全く違うプロフィールを語っていて…「レンタル世界」

    主人公の男の考えがうざったくて、最後に彼女からバシっと言われていてスッとした。


    無駄と思えることは全て切り捨ててきた薫と、切り捨てたものにこそ大切なものがあると信じる雪子。幼なじみの二人は真逆の価値観を持ちながらも仲良く友人関係を続けていたが・・・「ままならないから私とあなた」

    この二人、最後はどうなるんだろうとモヤモヤしながらどんどん読み進められた。薫の言う事も雪子の考えもどちらも共感できる。どちらかというと私は雪子側の人だけど。

    どちらの作品も、現代の多様化する価値観とそれに伴うサービスや技術など新しいものの登場にどう向き合っていくかというのがテーマなのかな。
    これまでの自分では受け入れがたい新しいものに直面したとき、なるべく考え方を柔軟にしながら取り入れられるものは取り入れたい。それで自分も新発見をしながら変化できるのかもしれないし、変化を楽しめる自分になれたら。
    最後まで読みきったあとに、だからこのタイトルなのねと納得できたのが嬉しい。

  • 「ままならないことがあるから、人間…」
    (薫)

    [レンタル世界]も[ままならないから私とあなた]も何年後かに当たり前の世界になっているのかも。
    雄太と高松さん、雪子と薫、どちらも間違ってはないと思う。

  • DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー2017年5月号で朝井さんのインタビュー記事で取り上げられていた本。
    「レンタル世界」と表題作。
    どちらも現代の新技術などによる合理化と従来の感性との対比をテーマにしています。どちらが良い、悪いではなく、朝井さんらしい切り口で解決の糸口を提示してくれています。視点が鋭いと思いました。
    インタビュー記事を読むと、朝井さん自身、結構進んだことをしていることがわかり、面白かったです。
    そんな朝井さんだから、この本が書けたんだろうなと思うとともに、将来はこの本に書かれていることが現実になるかもしれないと想像する楽しみがあります。
    これから先、生きていく全ての人にお薦めです。

  •  「レンタル世界」は人間関係をレンタルするという設定の短編。趣向は面白いがかなり早い時点で結末が予想できてしまうのが残念だ。
     「ままならないから私とあなた」は少女時代から大人になるまでの登場人物の成長を背景として、人生のかけがえのなさをテーマにした小説だ。AI社会を予測するちょっとした未来小説にもなっている。この方は面白い出来だった。ただこれも展開が中ほどまで読むと予測できてしまう。
     個人的にはこの作家の作品には可能性があると思う。今後も実験的な作品を書いてほしい。

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先輩の結婚式で見かけた新婦友人の女性のことが気になっていた雄太。しかしその後、偶然再会した彼女は、まったく別のプロフィールを名乗っていた。不可解に思い、問い詰める雄太に彼女は、結婚式には「レンタル友達」として出席していたことを明かす。 「レンタル世界」成長するに従って、無駄なことを次々と切り捨ててく薫。無駄なものにこそ、人のあたたかみが宿ると考える雪子。幼いときから仲良しだった二人の価値観は、徐々に離れていき、そして決定的に対立する瞬間が訪れる。 「ままならないから私とあなた」正しいと思われていることは、本当に正しいのか。読者の価値観を心地よく揺さぶる二篇。

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