玉依姫 八咫烏シリーズ 5

著者 :
  • 文藝春秋
3.64
  • (74)
  • (170)
  • (174)
  • (24)
  • (5)
本棚登録 : 1290
感想 : 200
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163904894

作品紹介・あらすじ

累計40万部! 大ヒットファンタジー最新刊女子高生・志帆が、故郷の山奥で遭遇したものとは。ついに明らかになる異世界「山内」の秘密に震撼する“八咫烏”シリーズ最新作。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 八咫烏シリーズ5作目。
    舞台はうって変わって現代の日本、人間の世界に。

    高校生の志帆は、祖母と二人暮らし。
    自分の親のこともよくわからないまま育ち、親戚から連絡を受けて故郷のことを知りたいと思い、村を訪れます。
    祭りを見てみたいという気楽な気持ちでしたが、その祭りというのが‥

    生贄伝説のある龍ヶ沼と、その隣にそびえる荒山。
    祖母が母だけを連れて村を逃げ出したという、その理由は‥
    危機に陥った志帆の前に現れたのは?

    これまでの作品と急にトーンが違うので、戸惑いました。
    土俗的な雰囲気というか、和風ホラーのような。
    そういう雰囲気も書けるんだ、とは思いました。
    優しい性格の少女がふいに異常事態に巻き込まれるというか、先祖伝来の問題に気付かされるというか。

    八咫烏の世界につながってはくるのですが‥
    壮大な流れというよりは、逆に世界が小さくなってしまったような印象も受けました。
    構成の問題かも‥
    無理に大きく繋げず、熱っぽく書き込まれている部分だけでまとめて、後は謎を残したほうが良かったのでは。
    まだ十分、謎は残っていますけど。

    この部分は異色作で、後はまた違うエピソードになるのか?
    はたして面白くなるのか、謎は深まるばかりなのか。
    乞うご期待です☆

  • いよいよ全体像というか世界が広がって行ってる。 烏、猿、山神、人間。 ただ、面白くなかったってことはないんだけど、そもそも私が興味持ったのがミステリー的な展開を期待してだったからいよいよ離れてきたかな。

  • 八咫烏シリーズ五作目。

    山内と下界、猿との繋がり、山神の存在が明らかになる。

    うーむ。2、3、4巻は個人的にグイグイ引き込まれて読んだのだが、5巻はちょっと足踏みというか…。
    世界が広がり過ぎて、焦点がちょっとボヤけた感じがする。
    山神のオレ様キャラに人間臭さを感じるといえばそうなのだが、ちょっと横暴すぎやしませんかね…祟り神というより、暴君。玉依姫になる志帆自身の人となりがあまり描かれずに御供さんになってしまうので、志帆に感情移入出来なかった。

    古事記や地方に伝わる伝説のような神と人の世界を描いているのだが、現代の人間社会が登場することで、なんかこれまでの重厚さが薄れてしまうように感じるのは私だけだろうか。2019.9.10

  • 志帆は突然山神の生贄にされ、母親役として山神を育てる。奈月彦は記憶を取り戻し、山神•猿•烏の関係が明白に。

  • えー、ちょっとガッカリ。
    期待値が高すぎたのだろうか。スピンオフと考えれば悪くもないのだけど、烏シリーズからはちょっと外れてしまって本当に残念。
    若宮のキャラが、山神に仕えてるという設定なせいなのか歯切れが悪いし、雪哉がいないのも残念。
    ただの山神と玉依姫の恋物語だった。なぜ烏シリーズのスピンオフとして発表しなかったんだろう。前作までは独特な素晴らしい世界観だったのに、今作でただのありきたりな神話ベースの作品となってしまった気がする。

    • jinbeizamekunさん
      私もがっかりしました。期待していた分もやもやと残って。すっきりまとめて下さってありがとうごさいます。次回作に期待でしょうか。
      私もがっかりしました。期待していた分もやもやと残って。すっきりまとめて下さってありがとうごさいます。次回作に期待でしょうか。
      2016/07/22
  • 八咫烏シリーズの第5弾。今回は八咫烏の世界がどうやって出来たのかなど色々と明らかに。登場人物も今までと変わり、人間の世界寄りの話。日本の神様の事などが沢山出てきて興味深かったです。
    今までの登場人物の雪哉達が出てこなかったのは寂しかった。それと、若君も大人し目だったので次巻(第1部完結)で暴れてくれるのに期待してます!!

  • 文庫『空棺の烏』を読破し、
    来月最新刊が出るのならと、それまで文庫待ちをしていたけど単行本購入。

    『空棺の烏』の解説ページに、
    ”「玉依姫」の話が原点となって八咫烏シリーズが始まった”
    と書いてあったので、時代は過去に遡るのかと思っていたら
    『空棺の烏』から数年後みたい。

    どういう経緯で奈月彦が山神と相見えて再び仕えることになったのか
    その辺の話を次の第一部最終巻で明かされるのか

    webインタビューをさらっていたら、
    「5巻と6巻は表と裏」と著者がおっしゃっていたのを見たので、期待したい。

    山神の怒りに触れて死んだ側近は誰なのか
    大火傷をして生死をさまよったのは明留なのか
    これまで山内にどっぷり浸かってきたのに
    山内衆については奈月彦とますほの薄くらいしか実名が明かされず
    奈月彦は巻を重ねるごとに威厳が薄まって行く。
    最初は完全無欠のなんでもお見通しやろうだと思っていたのに。
    山神と相対する奈月彦は、やっぱり愛情という面において個に対する情を持てないから
    山神とは分かり合えないんだなと思った。

    玉依姫より産まれ育てられ神になっていく山神は
    個に対する情を抱き、玉依姫によって成長し
    悟りを得ることで神になっていくのか

    さよは山神にとって愛情を与える存在ではあったけど
    個に対する愛情を教えたのみで
    万人に対する愛を教えることはできなかった。

    志帆の性分は神に近いのでは
    相手が喜ぶなら自分を省みない
    「志帆はからっぽなのだ」
    それは中身がないというより滅私奉公の方が近いと思う

    だから最終的に山神と相性がよかったんだろう

    最後病院から抜け出して新しい神と相対するシーンは、
    1巻を思い出して「また女子が病んでる系か?」と思ったけど

    最終的に本当に病んでないのかまともなのか
    微妙だと思ったまま終わりを迎えたわけだけど、
    まあ神だなんだな話をする女子はいずれにせよ
    「大丈夫?」ってなるよな。

    やっぱり女の子の話を書かせると爽やかにならなくなる方なんだな、、、と思ったのであった。

  • やっぱり、この巻は、作者が高校生くらいの時に書いたそうなので、作品自体が荒いですね。
    設定だけ使って、大幅改訂してから、出版した方が良かったのでは。
    今の作者の、冴え渡るストーリーテリングでは、全くありません。

    読了してから、もう一度読み直せば、随所に伏線が散りばめられてた!見逃してたー!というような、驚きはないです。何もかも、唐突な感じ。ご都合主義的で、完全にライトノベルのレベル。
    表現も、今までに比べて稚拙だし…何より、物語に説得力がないのです。

    今までの作品なら、どんなサイコパスが出てきても、これだけ酷い体験をしていたら、まぁこんな風になる人も、世の中2〜3%くらいはいるかもしれない…という説得力はあったのです。
    つまりは、全く理解できないこともない、というか。

    今回は、主人公の女の子が、こんな性格になったのがなぜなのか、全く描かれていない。昔から自己犠牲的だったと、第三者に語られてるだけ。主人公目線で語られてないので、物語の裏の背景が読み取れない。
    キャラクターの背景は、ほんの数十行で、記していいことではないはずで、作者の丁寧な仕事の代名詞だったと思うのですが。

    元からのキャラクターも、かなり変わってしまっている。猿はいうまでもないけど、特に金烏が、なんというか、別人ですね。
    今までしっかり描いてきた、奈月彦の複雑だけど、実は優しさの塊のような性格が、読者に全く伝わりません。ただの自己中になっている。

    この作品から読む読者のことを考えたら、今までのように細やかに金烏について、性格の補足をすることは大事だったのではないかと思うのです。

    今まで、作者は、本当に丁寧に物語を紡いでいたと思う。それが損なわれているのは、残念でなりません。

    内容としては、奈月彦がなぜ記憶を引き継げなかったのか、先代金烏に何があったのか、そもそも山内とは何だったのか、八咫烏の世界の謎が一気に明らかになります。
    今後のシリーズ展開の中で、謎解きのポイントになる、重要な巻と言えるでしょう。

    シリーズを通して読みたいなら、読む必要がある巻ですが、2作目3作目4作目のような、綺羅星のごとく素晴らしい構成ではないことだけは、お伝えしておきます。

  • これまでもずいぶんな展開に(よい意味で)裏切られ続けてきましたが、これは想定外も甚だしく、ちょっとテンション下がりました。時代が現代で、人間世界からはじまったのにビックリ。山内衆は、ここでは脇役。
    玉依姫の伝説と、山神を結びつけた展開なんだけど、志帆はなぜここまで尽くすことができるのか、玉依姫とはなにか、のちに分かるようにはなっているけれど、そこに至るまでの志帆の姿には無理を感じてしまう・・・。
    玉依姫の気持ちに添いにくかったのもあり、いまひとつのめりこめず。
    それでも山内の秘密がついに明かされ、八咫烏たちの運命まで予見させる展開は、ますます目が離せない。

  • 山内から外界に視点を移した作品。
    烏達の出番が少ないため面白くないのかな…?などと思っていたらあっという間に読了してしまった。
    山神に対する志帆の優しさが滲み出ていて感動した。
    また、玉依姫についても興味が湧いた。

全200件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、史上最年少の20歳で松本清張賞受賞。デビュー作から続く「八咫烏シリーズ」は、松崎夏未氏による漫画化、中台翻訳など進行中。19年『発現』(NHK出版)刊行。

「2023年 『烏は主を選ばない(4)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

阿部智里の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
恩田 陸
有川 浩
阿部 智里
有川 浩
森見 登美彦
阿部 智里
宮部みゆき
三浦 しをん
阿部 智里
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×