ミスター・メルセデス 下

  • 文藝春秋
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感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163905174

感想・レビュー・書評

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  • 一気に読破面白かった。次作も楽しみ。

  • 自分の不幸は社会のアンバランスと錯覚
    何故、如何に犯人はこんな無差別殺人を犯し続けるのか。自分への不幸・不平等は社会、周りが悪いと「八つ当たり」するところなのだろうか。ミステリーの面白いところは元刑事があらゆる可能性(探究心)を追求していくところだ。この小説もそうだが、読者の多くも「電子機器」(ソフトウエア機能・PC・スマホ・無線機器など)の基本知識を必要とするストーリーが多い。世の中フェイク情報も多く、正しい知識をしっかり身につけておくことが必要だと感じた。

  • 自分がキング作品を読むときは、スロースターターで、前半はなかなか読み進められないのが、途中から一気に加速するという感じです。すでに上巻でエンジンかかっているので、どんどん読み進められました。
    読んでいる側は犯人側の動きがわかるところで、緊迫感がまし、のめり込みました。
    上巻の最後の方でジワジワきていた毒餌の展開もさることながら、そこからの展開も意外性があります。
    ホッジスやジェロームの会話が、軽妙でおもしろく、逆に犯人の心情や主人公周辺の嫌な人達の描写は、本当に嫌な感じで、キングらしい描写だと思います。
    シリーズものになっているということで、続編も読んでみたいですね。

  • 夏休みにはいったら日頃の運動不足も解消して、主人公ホッジスなみのからだから元に戻そうと計画していたのに、その時間をホッジスから奪われた。

    退職刑事が抜き差しならない状態で違法捜査に踏み切るドキドキ感。探偵を現代に甦らせたら、やっぱりこんな切ない存在になるんだろうな。読ませるな〜。

    老いていくなかでのモチベーションを自分だったらどのように引っ張り出すのか、突きつけられる作品でもある。

  • 退職した元刑事が主人公。警察小説というよりは、クライム・ノヴェルやハードボイルドという感じ。謎解きメインではないので犯人は早々に登場する。ストーリーは元刑事と犯人の視点を入れ替えながら展開し、上巻はややスローペース。一定の間合いを保った互いの距離感、水面下での主導権争いにぞくぞくしながら徐々に引き込まれる。

    自殺願望を抱えた元刑事。サイコ・キラーに加えてイタさも半端ではない犯人──この両者の歪んだ心理状態にリアルさを感じて、キングの思う壺にだだハマり。中盤から登場する強烈なキャラも含めて、やっぱ人物造形は巧い。登場人物の背景を描いて読み手の心情をさらりとえぐり、またメイン・ストーリーのレールに乗せるという展開ににやにや笑いが止まらない。

    頭脳戦と並行して描かれるのが崩壊と再生の物語。事件の進展とともに、それぞれの中に燻っていたものが「成長」するプロセスはキングの真骨頂。ミステリとして特に目新しい展開ではないが、厚みがあってほどよくチープな充実した読書時間だった。あと二作読めるなんてラッキーだわ。

  • クライマックスも楽しいし、オチもブラックで良いし、スティーブンキングはミステリー小説も書けるのだな。とても楽しい本だった、上下巻あっという間に読んだ。

  • スティーブン・キングの初のミステリーという話ですが、あれ?そうだっけ?って感じです。これまでのもミステリーだと思って読んでいた。
    ミスターメルセデスという殺人犯と、引退した刑事との攻防。メルセデス乃思惑と全く違った展開になって(毒殺を目論むが)、その意外性が良かった。その後の展開は悲しかったけど、これまでの人生から抜け出せたホリーの存在があって救われた気持ち。
    スティーブン・キングを読んでるという感じはあまり無かったけど、充実した読書タイムでした。

  • 退職した刑事が活躍・・・はいいんだけど、ヒロイン役のはずの女性が死んでしまい、なおかつ犯人の事情がさらけ出せれるにつれて結構、感情移入してしまうし、え~と思うような二人がワトソン役で大活躍。二冊合わせると枕にできそうなほどの分量の本でしたが、丁寧に、それでも一気読み。

    「11/22/63」や「アンダーザ・ドーム」の有り得ない感ではなく、実際にそういった犯人現れそうなのが身に迫った怖さを感じる。
    脇を固める二人の魅力的なこと!
    あとがきに三部作との情報、飛び上がらんばかり。

  • 読みやすくて良かった。
    3部作とのこと、また次も読みたい。

  • これで私のキング月間はひとまず終了〜。

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著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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