おんなの城

著者 :
  • 文藝春秋
3.26
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本棚登録 : 81
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163905242

作品紹介・あらすじ

結婚が政略であり、嫁入りが人質と同じだった戦国時代。各々の方法で城を守ろうとした女たちがいた――2017年のNHK大河ドラマに決定した女城主、井伊直虎ほか、三人の女の運命を描いた中篇集。二つ年下の甥・織田信長の政略によって岩村城主遠山景任に嫁いだ珠子(おつやの方)。景任の死後、珠子は、信長が養子として送り込んだ御坊丸とともに城主として君臨した。それもつかの間、岩村城は武田信玄の別動隊、秋山信友によって包囲される。秋山信友は密使を送り、自分が珠子と縁組し、そのうえで御坊丸に家督を譲るという条件を申し入れる。嫌々ながらもそれを受け入れた珠子だったが、意外にも信友に惹かれていき……。(「霧の城」)七尾城主畠山義綱と、側室・佐代のあいだには義隆という息子がいた。義綱は、正室とのあいだに生まれた息子・義慶ではなく、義隆を跡継ぎにしたいと希望していた。ところが、遊佐美作守らによって義綱が領外に追放され、義慶が次の当主となる。義隆と佐代を奉じて兵を挙げようとする動きがあると噂が流れ、城中が不穏な空気に包まれると、佐代は、その事態を収めるために遊佐美作守と夫婦になるよう提案される……(「満月の城」)今川、武田と強敵に囲まれ、相次いで当主を失った井伊家は、桶狭間の戦いで戦死した直盛の長女、奈美(後の次郎法師直虎)を女地頭に立てる。奈美は過去のある事件を機に出家していたが、井伊家存亡の危機にあたって還俗。徳政令を迫る今川家をかわし、謀反を企む家老・小野但馬守から井伊谷城を奪回し、緋おどしの鎧に身を包んで武田の軍勢を迎え撃つ。(「湖の城」)

感想・レビュー・書評

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  • 戦国時代の3人の女性が主人公。

    戦国時代の武将ばかり目立ちますが、その影でしっかりと生きた女性たちの姿がありました。

    誰かを守るために自分が犠牲になってもいいという生き方がまたすごいと思いました。

  • (2021-03-23)

  • 時代に翻弄されながらも自分の才能と勇気を持って立ち向かった三人の女性の短編集。

  • 戦国時代、武士の家に生まれた女性も、時代に翻弄されたんだなとひしひしと伝わってきた。

  • 短編集。戦乱の世を生き抜いた3人の女性を描く。
    霧の城では、織田信長の祖父信定の末娘として生まれた珠子(お直の方)。信長の年下の叔母で3度の政略結婚をさせられる。1562年、甲斐の武田に対する前線基地ともなる美濃の岩村城へ三度目の政略結婚で嫁いできました。
    子供が出来なかったため、後の岩村城 主として信長の五男、五坊丸を養子として迎え入れて養母として育てることになる。1570年(元亀2年)武田の家臣、秋山信友が信玄の命を受けて、岩村に侵攻、上村合戦となりました。
    その時の戦いが元で、景任は病死。それまでのように夫が討死した後は、岐阜へ戻ることも出来たのでしょうが、お直の方は城に残る道を選びました。3度の政略結婚で振り回される人生であったが、最後は自分の人生を生き抜いた勇敢な女性。
    満月の城では、上杉謙信に抗した女性。畠山義隆の実母、畠山義綱の側室佐与を描く。
    七尾城主畠山義綱と、側室・佐代のあいだには義隆という息子がいた。義綱は、正室とのあいだに生まれた息子・義慶ではなく、義隆を跡継ぎにしたいと希望していた。
    ところが、遊佐美作守らによって義綱が領外に追放され、義慶が次の当主となる。
    義隆と佐代を奉じて兵を挙げようとする動きがあると噂が流れ、城中が不穏な空気に包まれると、佐代は、その事態を収めるために遊佐美作守と夫婦になるよう提案される。佐与は息子畠山義隆と共に七尾城の戦いで上杉謙信と激闘をする。
    湖上の城では、ご存知、女地頭、次郎法師様である井伊直虎を描く。
    今川、武田と強敵に囲まれ、相次いで当主を失った井伊家は、桶狭間の戦いで戦死した直盛の長女、奈美(後の次郎法師直虎)を女地頭に立てる。奈美は過去のある事件を機に出家していたが、井伊家存亡の危機にあたって還俗。徳政令を迫る今川家をかわし、謀反を企む家老・小野但馬守から井伊谷城を奪回し、緋おどしの鎧に身を包んで武田の軍勢を迎え撃つ。
    短編ではあるが、非常に魅力的な3人の女性を描いており、読んでいてあきない。

  • 何度読んでもあきず、何度読んでもハラハラドキドキして、何度読んでも面白いところがオススメです。

  • 請求記号:913.6||A 12
    資料ID:W0187417

  • 3つの短編が入っています。お昼休みにさくっと読むのにいいですね。知らずに借りましたが、3話目が、大河の直虎が主人公です。それなりに設定が大河と違いますが、実際はこちらに近かったんじゃないのかなとか思ったりします。

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著者プロフィール

作家。1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒。東京の図書館司書を経て本格的な執筆活動に入る。1990年、『血の日本史』(新潮社)で単行本デビュー。『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『下天を謀る』(いずれも新潮社)、『信長燃ゆ』(日本経済新聞社)、『レオン氏郷』(PHP研究所)、『おんなの城』(文藝春秋)等、歴史小説の大作を次々に発表。2015年から徳川家康の一代記となる長編『家康』を連載開始。2005年に『天馬、翔ける』(新潮社)で中山義秀文学賞、2013年に『等伯』(日本経済新聞社)で直木賞を受賞。

「2023年 『司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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