観なかった映画

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 109
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906041

作品紹介・あらすじ

映画ファンたちの話はなにかと「すごい」。「今年は何百本も観た」「あの監督はすべて観た」と盛り上がる。「観なかった」側は、その話には入れない。でも、映画の中で何が起きているのかを語るだけで、映画を語れるのではないか?マニアックな語りから遠く離れて、映画にしかできないことに注目する、長嶋有&ブルボン小林、初の映画評論集!【目次より】映画みたいな名前(『ヴィダル・サスーン』)市民のバイクを奪うこと(『007 スカイフォール』)心を射ぬくワンカット(『ホーリー・モーターズ』)「玩具」としてのリメイク(『死霊のはらわた』)名前を題に冠した納得感(『板尾創路の脱獄王』)作家が主人公の映画(『ワンダー・ボーイズ』)アニメーションの甲斐(『君の名は。』『この世界の片隅に』)2012‐2016の映画備忘録 ……ほか、書き下ろし多数収録!試写会で、DVDで、飛行機で、撮影現場で、もちろん劇場で、観まくった新作200本以上を紹介。

感想・レビュー・書評

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  • 『安全な妄想』の次に読んだ。「褒め言葉が重なる」や「褒め言葉が均一になる」といったワードが何度か出てきたように思うが、そういう映画ってあるよねと思った。

  • 読友さんからの借り本。切り口が面白くて、アレもコレも、ああそんなこと言っちゃうのと癖になりそうな感じ。最後の映画備忘録が楽しい。「そんなに優しくされかったわけでもない」、「一生に摂取してよい濱田岳成分」、500日のサマーの「堺雅人説」、面白いけど「誰の褒め言葉も均一になる」、とか。映画館でポップコーンの音をうるさいと思うようにはなりたくない。

  • なるべく固有名詞(俳優名など)を出さずに映画を語ってみようという試み。
    おもしろくなくはないけど、平坦な文章が続くので読んでいてだんだんつらくなってくる。
    途中から目を通すような読み方になった。
    この人の文章と相性が悪いのかもしれない。

  • 映画にそこまで興味がなくて観てないものがほとんどだけど、長嶋有が読みたくて買った。そして(特に後半にすすむにつれて)すごく楽しかった。「映画原作者はバズーカ砲を持っている」で「ピストルですむところをバズーカ砲を渡されているような気分である。使えないよ! という。」っていうのに一番笑った。

  • 固有名詞以外の、映画の中の運動だけで
    映画が持つ良さ、面白さを伝えようと試みる。

    映画が好きなら、そういう風に語ろうとしてしてしまいそうなのに、いつでも今なんとなく行われて、他の人がどうしてなのか考えたり、そもそも立ち止まったりしないところで
    立ち止まって、じっくりしっかり見つめて言葉に変えていってしまう。長嶋有さんは信頼できる人だなー。

  • 観てますよね…?映画好きは役者や監督名をばんばん出して盛り上がるとのご指摘はごもっとも。なので、あえて固有名詞を出さずに映画評をしたのが本作。でも名前だしてくれないと誰だったか思い出せずにもやもやする!巻末の映画鑑賞備忘録はけっこうな量で、それだけでも面白かった。

  • ダメ出しというか、こき下ろしまくってまくりまくっています。なんだか素人のブログを読んでいるようです。小説は好きなんだけどなぁ…

  • 778

  •  紹介されている映画を見たいという気が起こらない世にも珍しい映画本であった。すでに見ている映画が多かったというのもあるのかもしれないが、あまり絶賛せず、個人名を出さないので内容があまり思い浮かばない。それでも文章が面白いので読んでいて楽しかった。はっきりと批判しているのがかっこよかった。

     製作者の苦労を思うとあまり悪く言うことに気が引けたり、自分が見たものをいいものと思い込みたい気持ちもある。しかし、自分で自分の気持ちにふたをしてしまう必要などあるのだろうか。そんなことを改めて思わされた。

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著者プロフィール

小説家、俳人。「猛スピードで母は」で芥川賞(文春文庫)、『夕子ちゃんの近道』(講談社文庫)で大江健三郎賞、『三の隣は五号室』(中央公論新社)で谷崎潤一郎賞を受賞。近作に『ルーティーンズ』(講談社)。句集に『新装版・ 春のお辞儀』(書肆侃侃房)。その他の著作に『俳句は入門できる』(朝日新書)、『フキンシンちゃん』(エデンコミックス)など。
自選一句「素麺や磔のウルトラセブン」

「2021年 『東京マッハ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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