スポーツビジネスの教科書 常識の超え方 35歳球団社長の経営メソッド

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906171

作品紹介・あらすじ

【ベイスターズを5年で再生させた史上最年少球団社長が明かすマネジメントの極意】/////////////////////////////////////////////////////////////////////ビジネスパーソン必読!球団経営はすべてのビジネスに通じる。////////////////////////////////////////////////////////////////////★再現性のあるビジネスモデル★◇顧客心理を読む【マーケティング】◇「本物」の商品を生み出す【デザイン】と【センス】◇【コミュニケーション】と【ブランディング】の極意◇横浜スタジアム買収(友好的TOB)成功の要因◇東京五輪とスポーツの成長産業化の未来図第1章「経営」でチームは強くなる◇赤字24億“倒産状態”からの出発◇【経営者のロジック】でアプローチする◇【トライアンドエラー】を徹底する◇成功の鍵はブレずに【常識を超える】こと◇球団経営に必要な【人間力】第2章「売上」を倍増させる18のメソッド◇【顧客心理】を読む◇【飢餓感】を醸成する◇【満員プロジェクト】で満員試合が11倍に!◇グッズは【ストーリー】とセットで売る◇トイレに行く時間を悩ませる【投資術】第3章 理想の「スタジアム」をつくる◇【ハマスタの買収】(友好的TOB)はなぜ前代未聞だったか◇【一体経営】のメリット◇行政は【敵か、味方か?】◇【聖地】をつくる◇【地域のアイコン】スタジアムになるための選択肢第4章 その「投資」で何を得る?◇1年間の球団経営に必要な【コスト】◇【2億円で72万人】の子どもにプレゼントの意図◇【査定】の実態―選手の年俸はどう決まる?◇ハンコを押す? 押さない?―【年俸交渉】のリアル◇【戦力】を買うか、育てるか第5章 意識の高い「組織」をつくる◇意識の高さは組織に【遺伝】する◇戦力のパフォーマンスを【最大化】するシステム◇【人事】でチームを動かす◇【1億円プレーヤーの数】とチーム成績の相関関係◇【現場介入】は経営者としての責務第6章「スポーツの成長産業化」の未来図◇【大学スポーツ】のポテンシャルと価値◇【日本版NCAA】は本当に機能するのか◇東京五輪後の【聖地】を見据えた設計図◇スポーツビジネスと【デザイン】【コミュニケーション】◇【正しい夢】を見る力

感想・レビュー・書評

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  • DeNAベイスターズの球団社長に就いた5年間で黒字転換し、ベイスターズを横浜のシンボルとして地域に密着した存在へと押し上げた著者が自身の取り組みからスポーツビジネスの成功の秘訣とこれからのスポーツ界について書いた一冊。

    就任時赤字だった経営を黒字化し、チームも初のCSへ出場するなど躍進を遂げたDeNAベイスターズのその裏側にある秘訣を本書でたっぷりと知ることができました。
    野球の試合だけでなくスタジアムの中や外まで施設などを充実させて、エンターテイメント性を持たせたことやグッズや食事を充実させたりとチームを1つのブランドとして確立していくまでの様々な施策を知ることができ、また、スタジアム買収の真意や選手の年俸にまつわる真実など球団のフロントでないと知らないことを本書で知ることも出来ました。
    またアメリカと日本のGMやトレードについての違いも書かれていて勉強になりました。

    そんな本書でも1億円プレーヤーや生え抜きの選手育成に対する考え方は読んでいて感心しました。
    また、年棒とチームの成績の相関性も興味深いものでした。

    本書を読んで著者が、球団に腰を据えて選手や首脳陣と真摯に向き合い共に戦ってきたからこそ、ここまでの業績と成績を上げることができたのだと感じました。
    そして、常識を覆すために反省と改善を繰り返すことがスポーツを発展させるためには必要であり、ファンとのコミュニケーションを深めて一体感のもとにチームや競技が醸成されていくと感じました。
    東京オリンピックがもうすぐに迫った今、野球を通してスポーツ全般について色々と考えさせられる一冊だと感じました。

  • 元DeNAベイスターズ社長、池田さんのスポーツビジネスにおける手引書とも言える本書籍。
    特殊な業界ではあるものの、押さえるべき点さえ押さえていれば通常の企業経営とそう変わらないことが池田さんの実体験を基によくわかる。
    スポーツとはこうでなければいけないという常識に囚われずに柔軟な発想をすることなどはスポーツビジネスのみならず全ての企業経営に共通する点だと言える。
    今後の成長産業と言われているスポーツビジネスに少しでも興味がある人にとってとても有用な本だと思います。

  • 確かにビジネスパーソン必読、デスわ!
    書いてあることはシンプルな経営論。
    プロ野球、そして球団は特殊な事情があるかもしれないが「株式会社」として考えれば本当にシンプル。
    それは会社として存在し続けるためにやらなければいけないことが明確だからだ。
    課題を一つずつ真摯に改善すべく、経営の目線で実行を重ねていったのが、この池田(元)社長だ。
    すごいなぁ。35歳で社長就任。
    この本を執筆時で41歳か・・・。
    若さ&野球経験者でも無い故に様々な軋轢があっただろうが、ちゃんと結果を出した。
    最近色々な人と会話をすると、物事の課題を洗い出す事は出来る。
    課題の解決策も話合いの中で見つけることが出来る。
    しかしその後の実行がなかなか伴わない。
    それが何故なのか?自分でもいまだに分からない。
    何故、この池田氏に出来て、自分には出来ないのか?
    何が足りなのか?
    テクニック的に「進行管理」とか「フォローアップ」とか「KPI」とか様々あるだろう。
    しかしそういう事じゃない気がする。
    もっと本質的な何かあるはずなのだ。
    その一つの答えが「常識の超え方」だ。
    自分自身が見えない「常識という壁」を作っている。
    そんなものは超えていけばいい。
    他人も他人で「壁」を作っている。
    それも超えなければならない。
    当社も全く同じ。
    方法はすでに分かっている。
    「常識」を超えられるかどうかだ。
    大事なのは今からなんだ!
    (2017/6/25)

  • 弱かった横浜の人気がなんであれほどまでに回復したか具体的な経営手法を詳細に解説しているため、「球団経営」が好き・興味がある人には面白い本だと思う。全額返金Ticketとか連射バズーカとか無茶苦茶な企画をしたりしていることは知っていたけど、その裏では常に「ファン」をどう楽しませるかを過去の常識にとらわれずにチャレンジしていた結果であることがよく分かった。「強くなったからお客さんが増えた」ではなく「お客さんが増えたから強くなった」という事例で、「勝つことが最大のファンサービス」がすべてではないと考えさせられた。中からではなく外の環境の変化のために常識にとらわれず「非常識」にチャレンジするのは、自分の仕事でもヒントにしたい。

  • "DeNAベイスターズの球団社長を経験した著者のスポーツビジネス(主に野球)論。実践的な話が多く、スポーツ全般のビジネス的な側面を学ぶ良い教科書になっている。
    球団社長に就任したのが35歳。最年少の球団社長。しかし、この仕事に就く前には2回もの社長経験をしている。才能ある人材がスポーツ経営を任されたことで、生まれた成功事例ともいえる。
    就任直後にチーム関係者に以下のようなことを語ったとのこと。

    私は経営者であり、球団全体、全社全体の再建・再生をすることが役割だ。
    チームは大きなものだが、球団の一要素。
    観客とファンをどんどん増やし、全試合満員にする。売上と利益をもっと増やす。それが社長としての役割。
    チームの役割は勝つこと。各々が役割を全うする組織になろう。

    そして、実行し、結果を残した。

    売上を構成する5本柱
    「チケット」「シーズンシート」「グッズ」「スポンサー」「放映権」

    チケットはプレミアム化を目指すべき、無料チケットの使い方も戦略的に、効果的に使うべき。全体の5~8割がスマホでチケットを購入する時代。購入しやすさへの配慮も重要。イベント化で満員を狙う。

    シーズンシートは売りすぎに注意。着券率で販売数を調整。

    グッズはデザインとセンス。ブランドとのコラボ。ライセンス方式も視野に入れるべき。ブランド管理をしっかり行い、本物とデザインにこだわること。ファンの心をつかむストーリーが大切。

    スポンサーとは共感が重要。

    放映権

    ファンクラブ収入 得点チケット、先行販売などでファンクラブ会員増加へ。

    地域すべてがマーケット。

    意識の高いチームを作る。

    等、スポーツ運営に携わる人に参考になる本。"

  • 自分自身はタイガースファンだが、最近、ベイスターズが面白くなってきているのを感じていた。この本を読んで、ベイスターズが変わった理由が分かった。

  • 横浜ベイスターズを5年で復活させた、業界最有名人の1人、池田純さんの著書。池田さんが書いた本、池田さんを書いた本はいっぱいありますが、ベイスターズや池田さんのこと知るならこの本だけで十分です。すごく面白いし、スポーツにかかわらずビジネスマンにはためになります。This is 自己啓発本 です。

  • スポーツ業界にまかり通る気合いと根性だけでなく、いかにガバナンスが大事か ということがよくわかる。

    スポーツチームを“会社“として成り立たせるために実施されてきたこと、
    その具体的な収益の仕組みがよく理解できた。

  • めちゃくちゃタメになった。もともとプロ野球が好きで、球団経営に興味があって、そっちの道に進むことも考えていたから、成功者はこういう風に考えるんだ、とか、簡単そうに書いてあるけど、実際すっっっっっっごい大変だろうなって思ったり。卒論執筆当時から落ち着いたら絶対読みたいって思ってた本をやっと読むことが出来た。いまは全然スポーツも経営も関係の無い職についているけど、いつかもし何かの縁があってそういう世界に行く時になったら、バイブルとして参考にしようと思った。読むことは簡単、サービスを受け取るのは簡単、だけど生み出すのは超絶大変。ホントに尊敬する存在。また池田さんの著書読みたい。勉強になりました。

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著者プロフィール

1976年1月23日横浜市けいゆう病院、星川生まれ。横浜市立いずみ野小学校、藤沢市立第一中学校、県立鎌倉高等学校、早稲田大学卒業後、住友商事、博報堂勤務などを経て2007年に株式会社ディー・エヌ・エーに参画。2011年横浜DeNAベイスターズの初代球団社長に就任(35歳での球団社長就任は当時、球界で最年少)。2016年まで5年間社長を務め、コミュニティボール化構想、横浜スタジアムの友好的TOBの成立をはじめさまざまな改革を主導した。観客動員数も、2011年の110万人から194万人へ大幅増加させ、球団は5年間で単体での売上が52億円から110億円超へ倍増し、黒字化を実現した。退任後はスポーツ庁参与、明治大学学長特任補佐、Jリーグ特任理事、日本ラグビーフットボール協会特任理事などを務めた。2019年3月、さいたま市と連携してスポーツ政策を推進する一般社団法人さいたまスポーツコミッションの会長に(~2021年6月)。2020年3月、B3リーグさいたまブロンコスの経営権を取得し代表に(2021年6月退任)。また、世界各国130以上のスタジアム・アリーナを視察してきた経験をもとに「スタジアム・アリーナミシュラン」として、独自の視点で評価・解説を行っている(https://plus-j.jp/)。著書に『空気のつくり方』(幻冬舎)、『しがみつかない理由』(ポプラ社)、『スポーツビジネスの教科書 常識の超え方』『横浜ストロングスタイル』(文藝春秋)など。

「2021年 『横浜改造計画2030』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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