コンビニ人間

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著者 : 村田沙耶香
  • 文藝春秋 (2016年7月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906188

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コンビニ人間の感想・レビュー・書評

  • 「コンビニ人間」ってなんだろう、と思って読んだら「コンビニ人間」だった。

    あまりにもいろいろな所でプッシュされていたので、芥川賞受賞後もなんとなく読まずにいました。
    良くも悪くも万人受けする作品なのか、だとするとあまり期待はしないでおこうと思っていたけれど、読んでみるととても面白かったです。舞台設定がコンビニでのアルバイトなのと、文章が読みやすい。
    コンビニでのアルバイトの描写が結構細かく書かれていて、主人公・恵子のプロフェッショナルなコンビニバイトぶりが伝わってきて、楽しかった。バイトにここまで責任感を持って働ける人が世の中にどれだけいることだろうか!と感動さえしてしまった。
    そして自らがコンビニそのものとなってしまう、その異様なまでの没頭ぶり、常識から逸脱した価値観。
    気味が悪い部分も沢山あるけれど、淡々と進む会話がおかしくて、笑ってしまう。
    白羽もよっぽど気持ち悪いけれど恵子はそれをさらに越えて気味が悪い。
    一番おかしかったのが妹がアパートにのりこんで来たときの、妹と恵子の会話。狭いから風呂場に住まわせてる、とか餌、とか『ああああ…!もう…だめだ…!』と読んでいてゾワゾワする。でもあくまで恵子は淡々としているので、そのシュールさがおかしくて仕方がない。
    あとは白羽の態度や言動が「ネットで見る偏った価値観の人」で、こんな人周りにいたらと思うとゾッとしてしまう。でも実際には存在する。恵子のような人もきっと。
    そんな現代のリアルな描写が面白くて、この作品は人気なんだろうなと思いました。本当に面白かった。

  • 自分は、自分が「正しい」って思い込んで、その正しい自分とは「異質」の感覚を持っている人に対し、どんな態度を取って来たか?
    ズケズケとそれこそ強姦してこなかったか?
    目の前では言わずとも、陰で異質排除のような言動を取ってこなかったか?
    たぶん、してきた。

    そしてその反面、主人公と同じように、この歳で独身でアルバイト⁉︎と自分が異質に思われることに対し怯え、聞こえのいい自分なりの言い訳を考えたりもしている。

    ものすごく、胸が痛くなり、耳が痛くなり、読んでて辛い場面もあったが、クライマックスへの流れは本当に爽快で、読後感は最高の気持ちだった。読んで良かった!

  • 読了。面白くて一気に読めた。

    ずっと同じところにいる不安を感じる人がいるが、主人公は違った。子供の頃から異質な存在として扱われていたこともあり、彼女にとって型にはまった人生こそが正しく「普通」の人間である。

    自分は世間からズレ、異質ではじかれようとしていると感じている白羽でさえ、古倉の足元にもおよばなかったな。

    以前作者がテレビに出ていて、とても繊細な人で少しのことにも心動かされる人のように感じた。そんな人が書く文章に思えないぐらい過激だなと思った。
    (170719)



  • 芥川賞受賞作品 

    なかなか 芥川賞らしい作品。
    粗削りだけど引き込まれて、ちょっとグロくて・・・

    主人公 恵子の浮いた感覚は、小さなものは普通の人でも感じることだろう。
    ただ ことばづらを真に受ける感覚は、やはり 発達に問題がある設定のようだ。

    マニュアルさえあれば なりきれるコンビニ店員。
    立派に生きてるじゃないか。
    それを・・・

    白羽は 腹が立つ。 
    人のせいにして 世の中のせいにして 自分は努力しないなんて・・・

    そんなわけで 面白かったけど、
    本当にダメ人間な奴に 言われっぱなしなのはちょっと納得できなかった。

  • ふつう、ってなんだろう、と考えさせられました。就職して結婚して子供を持って、、、生き方が多様化してきたと言いつつみんな同じじゃないと「治そう」とする。おかしいと考える。白羽も最低だな、と思いつつそれは固定観念なのか?意外と難しい問いかけをされた気がします。

  • 不思議なショートショートのような、現実離れしている物語。村社会で強調される、"普通"への恐怖はわかるし誰しも主人公と似た部分はあると思う。

  • 普通でない人の視点で、普通の生き方とは何かを問いたかったのか。

  • コンビニで仕事をして、はじめて世界の部品になることができた。普通に見せるための取引としての結婚。

    「普通」じゃないと生きづらい社会の現実。「普通じゃない」人が主人公だけれど、蜘蛛の糸のようなある意味比喩話と比べれば、かなり現実味があるのでは。

  • 最初は面白かったのだが、途中から「?」。終わりはもっと「???」。

  • 2016年上半期芥川賞受賞作品で、ずっと興味があったので読んでみました。
    結論としては、とても面白かったです。殺人事件はないし、恋愛ドラマでもないけど、面白かった!

    この作品は人物の描き方と世界観が秀逸で、登場人物が本当に存在する人、本当に身近にいる人のように感じられました。

    主人公は、普通でない人物として描かれていますが、誰もが彼女に自分の一部分を投影できるのではないでしょうか。(あくまでも一部分であって、決して全てではありません。)日本人の同調圧力をうまく利用して、読む者が「私もうまく同調できないところがあるんだよね。」という部分を主人公に投影させることで、より深く作品の世界に没入することが可能になっているのかもしれません。
    それと本作品の展開上の肝は「白羽」という男の存在ですが、主人公と彼との奇妙な同居生活に進んでいくのが面白みの一つです。彼の個性の描き方が誇張気味ですが、「こんな負け組の考え方をする男っているな。」と思えるリアルさで、主人公の異色さと相まって作品の魅力を増しています。その他の登場人物も、とてもリアルに描かれており、その場に居合わせているかのような錯覚すら覚えます。
    推測するに、主人公は発達障害の女性であると思います。その発達障害の女性と、敗北した人生の責任を他者になする男性の物語であると考えると、面白かったと思います。

    著者は”普通”が何であるかを問うために、本書を書いたのであれば、相当な書き手であろうと思います。私も他人の目を気にしないところがあるので、「主人公の視点が分からなくもないな。」と同感するところがありました。「普通”であることの難しさ。」を軽妙に描いていると思います。
    ただ、最後は唐突に終わります。「欲を言えば、ラストの余韻がもう少し欲しい。」という感じです。

  • 4.0 多様性の理解。頭では解ってるけど当事者になると難しいんだろな。芥川賞作品。期待以上に面白かった。

  • 読んで1年経ちますけどそこそこ記憶に残ってます。
    なんかこうしとけば周りに普通だと思ってもらえるとかそういうことを考えながら生きてかなきゃいけないしんどさとか普通ってなんだっけとかそういうのが詰まった作品でした。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしいと突きつけられるが…。「普通」とは何か?現代の実存を軽やかに問う衝撃作。第155回芥川賞受賞。

    まず、芥川賞作としてはトップクラスに面白かったです。正直芥川賞作はさほど好みではないので。これは良かった!
    この主人公の女性は発達障害なのでしょうね。普通の人の言う普通が理解出来ず、合理的に説明が付く事はつつがなく出来るが、情動的な事は一切理解出来ない為、普通と言われる表情や行動や慣習を学習するというなかなかにハードモードな人生を歩んでおります。
    マニュアル化されたコンビニ店員がまさに転職で、コンビニ店員で有るが為に生きているのであります。
    そんな中で年齢によって世間の普通から再び乖離していくのがなんとも痛ましく、ただただマニュアルに従っていたいのに・・・。という気持ちがひしひし伝わってきますね、架空の人物なのに。
    みんなほっといてやってくれよ!と読みながら思っておりましたが、自分の周りにいたとしたら同じような反応になってしまうだろうなあ・・・。
    とにかく面白かったし、普通ってなんぞやというのを考えさせられるいい本だと思います。誰も彼も就職結婚出産というルートを辿る必要はないであろうと、この本を読んだ人は思うのではないかな。

  • こういう人もいるだろうな、これが日常のことだな…と思う。
    なんというか、色々な人がいるし、普通ってそれぞれ違うし。今まで読んだ本の中で共感も否定的な部分もない、日常だな…と思えた本。

  • 面白くて一気に読んだ。

    少し主人公の恵子の気持ちが分かる。
    「普通の人」になるのって難しい。

  • 18年間コンビニでアルバイト店員として働く女性。コンビニが生活のリズムを作っている。コンビニの店舗のなかではパターン化された応用力も発揮し、一緒に働く店員たちが人と接する時の態度を決めるモデルになっている。コンビニが生活を支えているのだ。自身の特性に自分は疑問はないのに、周囲の人は治さなければいけないという。そのプレッシャーから抜け出そうと変化しようとするがリズムを作っていたのはコンビニだった。

  • 想像以上におもしろかったし、色々考えさせられた本でした。
    30代半ばまでずっとコンビニ一筋で働いてきた主人公の恵子はまさにコンビニ人間。これはこれで幸せ~って感じの毎日なのだが、周囲はそうは見てくれないのが現実社会。

    女性がずっと独身でいると、早く結婚しなさい。結婚すれば、子供はまだ?
    日本はこういうフォーマットががちがちにありすぎて、一定の人には生きずらい世の中なのかもしれないなと改めて考えさせられました。
    周りのおせっかいな登場人物を見ていても、本当に一般的な意見だし、実際私も同じこと言っちゃいそう。
    でも皆同じ考え方とは限らないんだし、もっと慎重に言葉を発しなけばいけないなと反省しました。
    ラストも良かったです。

  • 落ち込んでいる時に読むべきじゃないんだろうな、と思いながら読んでいました。
    普通ではないという決めつけが、誰かのプライベートに踏み込む免罪符になっていなかっただろううかと、我が身を恥じるばかりです。

  • すごく共感できるし良い本だと思った。売れる理由が分かる。コンビニって深いなとかいろんな要素で面白かった。ラストももすごく好き。

  • 情緒的に何かが欠落したような恵子は、普通の人の悲しみや怒りに共感する事が出来ません。
    本当の自分を出すと周囲から浮き上がってしまうことは重々承知で、常に周りの人の「普通」を模倣しながら生きています。

    そんな恵子が、大学時代に始めたコンビニのアルバイト。
    声の出し方すらマニュアル化されたコンビニこそが、恵子を安心させてくれる唯一の場所であり、生きる術なのです。

    コンビニで働き続けて18年がたち、30代半ばになった恵子に、周囲は容赦なく干渉してきます。

    いつまでバイトのまま?
    結婚は?
    子供は?

    周りの雑音をやり過ごし、普通を装い続けるために、恵子がとった次なる行動とは?

    主人公の心理は共感できるものではなく、想像を絶していて、寄り添おうとしても撥ね付けられます。

    物語には、もう一人の「普通」でない人物、白羽が登場しますが、彼は少数派であるというだけで人々に心を蹂躙されたと感じ、歪んだ攻撃性を持っています。
    かなり嫌な人物として描かれていますが、まだこちらの方が人の悲しさや人間臭さを感じます。

    そして、「普通」側にいる人たちの無神経さたるや…。
    自分こそが正しいと信じて、人の心にズケズケと土足で踏み込む。
    リアル過ぎてゾッとします。

    果たして自分はどうなのか?と思わず問いかけてしまいます。
    面白いと感じるかどうかは人によると思いますが、ぜひ体験してみてください。

    図書館スタッフ(学園前):山姉さん

    ----------
    帝塚山大学図書館OPAC
    http://opac.tezukayama-u.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&category-book=1&category-mgz=1&materialid=2110030219

  • 読み進めるうちに、この社会への絶望を深めるばかりでしたが、最後は大逆転で、すがすがしい気持ちになりました。大逆転といっても、生きる道にかかわることなので、本当に気持ちの問題ですが、これは本当に大きいです。

  • マイノリティには、生きづらい世の中だ。
    相手のためとよかれと思って助言する「まっとうな」人間たちのことばが痛い。自分も同じようなことを無意識にやっているのだろう。本当に、余計なお世話だと辟易する。
    多様性を受け入れる、ということばが薄っぺらく聞こえるくらい、リアルさを感じる。異物と出会ったときには、この小説のおかげでワンクッション置いて接することができそうだ。

    青いかわいい小鳥が死んでかわいそうと、泣きじゃくりながらその辺の花の茎を引きちぎって殺している子どもたちに対する矛盾の思い。花の死体。若干シュールで恐ろしさもあるけれど、これは金子みすゞさんの大漁の発想と似ている。発想は飛び抜けて斬新だし、とても賢いし、この能力を上手に昇華させることができたらとても有益なのにな、と思った。治すではなく、押し込めるでもなく、昇華。この主人公は、自力でコンビニ人間という、自分らしい生き方を見つけ出した。とても賢明な処世術だと思った。
    —————————————
    何かを見下している人は、特に目の形が面白くなる。そこに、反論に対する怯えや警戒、もしくは、反発してくるなら受けてたってやるぞという好戦的な光が宿っている場合もあれば、無意識に見下しているときは、優越感の混ざった恍惚とした快楽でできた液体に目玉が浸り、膜が張っている場合もある。
    —————————————
    正常な世界はとても強引だから、異物は静かに削除される。まっとうでない人間は処理されていく。そうか、だから治らなくてはならないんだ。治らないと、正常な人達に削除されるんだ。家族がどうしてあんなに私を治そうとしてくれているのか、やっとわかったような気がした。

  • 自分は、著者が言うところの普通の人間。普通の人間がこの本を読むと・・・妙な世界を覗き見たという感じなのですが、、、

    ムラの掟に反していても生きていける人はいるのだが、周囲の普通の人から異物と見られるのは確か。それに打ち勝つ強さというか無神経さがあれば生きていけるんだが、、、うーん、、、

    この作品が賞を取るということは、、、それほどまでに現代社会は生きにくいということなのだろうか。よくわからない

  • 芥川賞にしては理解しやすかったけど。
    いやーーーな話だった-。
    的を射ている部分もあり、それがまた嫌な感じでもあるのだけど。
    試合の開場待ちの時間で一気に読めたから、ひきつけられるものはあったのだな。

  • 一気に読んだ
    白馬さんにいらつかない主人公にひたすらいらついてしまう私もこの中では「普通」の人間なんだと思う
    常識とは何か、普通とは何かと考え
    自分の中にある答えにたどり着く主人公の強さを感じる。
    主人公のことが羨ましく感じる自分もいる。

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コンビニ人間の作品紹介

第155回芥川賞受賞作!36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。オープン当初からスマイルマート日色駅前店で働き続け、変わりゆくメンバーを見送りながら、店長は8人目だ。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。仕事も家庭もある同窓生たちからどんなに不思議がられても、完璧なマニュアルの存在するコンビニこそが、私を世界の正常な「部品」にしてくれる――。ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は「恥ずかしくないのか」とつきつけられるが……。現代の実存を問い、正常と異常の境目がゆらぐ衝撃のリアリズム小説。

コンビニ人間のKindle版

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