出会いなおし

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著者 : 森絵都
  • 文藝春秋 (2017年3月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906201

出会いなおしの感想・レビュー・書評

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  • 表題作「出会いなおし」と他5作、すべてが出会い、別れ、再会、また別れを描いているように思えた。
    人生は出会いと別れの繰り返し。佐和田さんのように「ああ、年をとるって、面白い」と思える私でありたい。

    「出会いなおし」
    おなじ相手に、何回も出会いなおす。人は会うたびに知らない顔を見せ、立体的になる。

    「カブとセロリの塩昆布サラダ」
    主婦のプライドをかけた孤独な戦い。もしも、惣菜売り場で買った、カブとセロリの塩昆布サラダのカブがダイコンだったら…。清美は惣菜売り場に電話をいれる。スーパー主婦やわ(⁎˃ᴗ˂⁎)
    1番好きな話だった。いつの時代の話だろう?ちょっと不思議な感覚。

    「ママ」
    苦しい時悲しい時、黒いバッグを持ったママに会いたくなる。

    「むすびめ」
    子供の頃の忘れられない失敗。あるある。いつまでも胸に疼くあの時の事をはっきりさせたい彼女が向かった先は小学校の同窓会。あったね〜、あの番組!

    「テールライト」
    輪廻転生。何度も何度も繰り返す、出会いと別れを描いている。願うことは…、どうか、どうか、どうか。最初の出会いが凄い。

    「青空」
    切ない再会。高速道路を走っていたら前のトラックからベニヤ板が飛んできて…。本当に1、2秒があんなに長いのだろうか、語りが面白い(笑)

  • 最近あんまりレビューを書いていないので、どうしようとも思ったんだけれどやっぱり書いておくことにした。
    だって、なんだろ、ドンピシャだったんだもの、この作品。
    話題作の「みかづき」も確かに良いんだけど、私は断然こっち。
    短編一つ一つに描かれている心象風景が、鮮やかに目の前に浮かびあがってきて、私の心の奥底からぐーっとあふれ出てしまうようなそんな気持ち。
    森絵都って、もしかして断然短編が上手いのかな?
    数多く読んでないのでなんとも言えないのだけれど・・・。

    どれも甲乙つけがたいのだけれど、一押しは表題作の「出会いなおし」。
    共感度200%ですよ。
    私、日ごろから人って良い所も悪い所もある。良い時も悪い時もあるってそう思ってて、だからあんまり人を嫌いになりたくない。
    出来れば出会った人はみんな忘れたくないし、いい思い出にしておきたい。そんな風に思っていて。
    離れてしまっても根っこでは繋がっているような。
    青臭いのかな?
    でも上手く説明できないこんな私の気持ちをこの作品は代弁してくれているような気がして。

    どの作品も良かった。
    読んで幸せな気分になった。
    森絵都が好きになった。
    もっと読んでみよう。

  • 帯の一文。「年を重ねるということは、おなじ相手に、何回も、出会いなおすということだ」。
    本当に縁がある人とは、一度関係が途切れたように思っても、また出会って再びの交流が始まることがある。ということは、たったの30数年しか生きていない私でも知っている。

    5編からなる短編集で、表題作はまさしく2人の男女が“出会いなおし”を何度も果たす物語。
    その2人は恋人にも友人にもなったことはない。女性イラストレーターと男性編集者をいう仕事を介した関係性なのだけど、ものすごく強いというわけではなくとも静かに長く続く結びつきには、一度でも濃くあった関係性よりも縁の確かさようなものを感じた。
    消え入るようにふっと途切れたものだけど、心の中にはずっと残り続けている。恋焦がれるような強さはないけれど、ふとした瞬間にまた会ってみたいと感じる。どんな人間にもそう思える相手が存在するような気がする。

    その他の4編にも、「出会い」「別れ」「再会」の匂いを根底に感じた。
    それは人に限らず、自分自身の中にあった想いであったり、過去の記憶であったりもする。
    すっきりしないまましこりのように自分の中に在り続けた過去の思い出と、時を経て再び触れる機会が訪れ、また別の視点からその思い出を見つめることが出来た時、そのしこりが優しく解れていく。そういう過去の出来事との「出会いなおし」も、きっと長い人生の中で何度か訪れる。

    表題作の他は、「カブとセロリの塩昆布サラダ」と「むすびめ」が特に好きだった。
    実際自分の身に起こってもおかしくない現実感と、わだかまりが解れる瞬間のカタルシスが心地良い。

    一度離れた人と再び「出会いなおし」を果たした時、その相手について、とても変わった部分と全然変わっていない部分の両方を感じることがある。
    それはきっと自分も同じで、様々な経験を積み重ねることで変化していく部分と、生まれ持ったまま変化しない部分がある。そしてそのことを恐らく、私と出会いなおした相手も感じているのではないかと思う。
    そしてそれは自分自身の中でも起こりうることで、まっすぐに生きていれば、時とともに更新されていく自分と「出会いなおし」を果たす瞬間があるのだと、読み終えた本を閉じながら思った。

  • 表題作「出会い直し」と「カブとセロリと塩昆布のサラダ」、「むすびめ」が特によかった。

    年を重ねることで、見えてくるものもある。

    考え方を変えれば、一緒に暮らしている相手でさえも、毎日出会い直せるんだ。

  • 過去を振り返ってみるまでもなく、
    思い出すだけでウワ~~~ッと声をあげたくなるような失敗や恥ずかしい出来事は山ほどある。
    あの時あんなこと言わなければよかった・・・なんて後悔ならもうわんさかと星の数以上にあるんじゃなかろうか。
    タイムマシンがあったらなぁ、、、と思わなくはないけれど
    そんないつやってくるかわからない未来を待たなくても過去は変えられるのだ。
    この本の主人公たちは
    気まずく疎遠になってしまった人と、
    もう二度と会えないはずの人と、
    ムカついて、ぜってーゆるさねー!と思っていた人と、
    それぞれもう一度出会いなおし
    少しだけ今を変えていきます。
    でも主人公たちが本当に出会いなおしたのは
    あの頃の自分より成長した自分の姿なのかもしれない。
    少しだけ過去と向かい合う勇気をもらえた気がする小説でした。

  • 人と人との「出会い」に関する短編6作品。
    6作品全てが心に響いて温かい気持ちになった。

    表題作の一文「年を重ねるということは、同じ相手に、何回も出会いなおすということだ」が印象的。
    「出会いなおす」ってなんて素敵な言葉だろう。
    会うたびにその人の知らない一面が見えて、それが人としての深みになっていく。
    「出会い」とは一期一会。
    偶然の出会いのようで実は必然だったりするから「出会い」って不思議だ。

    また様々な行き違いから縁遠くなってしまっても、年月を経て人は誤解のむすびめをほどき、理解しなおすこともある。
    人と人とが出会い、縁を結ぶってとても素敵なことだと思わせてくれる短編集だった。

  • かぶと大根と話が面白かった。

  • とてもよかった。昔読んだ「永遠の出口」や「カラフル」の森絵都さんが好きで直木賞の「舞い上がるビニールシート」には違和感を持ったけれど、この作品は人生の深みとか味わいとか、機微とか、いろんなものを感じさせてくれ、また森絵都さんの本を読み続けたいと思った。

  • 冬の寒い朝にぬくぬくの布団から抜け出せないような雰囲気を持つ心地よい短編集。個人的には「カブとセロリ」「むすびめ」「青空」が印象的だった。「青空」はその瞬間の話よりもそこで語られる妻との別れのくだり。「最後の1週間は意識もなかったから、どこで別れを告げたかのかすらも曖昧のままだ」とか「やりたいことをやらせてやれなかった罪の意識が作用して」などの部分が切実に刺さったから。短編集と言う事もあり本屋大賞にノミネートはされなかったけど次作品にも期待。

  • 17/12/21 (93)
    短編集とは知らずに図書館の予約で待つこと数ヶ月。表紙のセンスが素敵。表題と『ママ』の二作がとりわけ好き。だれかに「かなしみはふたつのタイプがあるんだよ」て話したくなった。

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