- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163906317
感想・レビュー・書評
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編集者である筆者は字が汚い。ワープロが普及してから手書きで書かなくなるから余計に汚くなる。
字の汚さには自信のある私は非常に共感を持ってこの本を手に取った。
字が汚いというテーマ、意外と単調になりそうだけど、切り口がたくさんあり、飽きさせない。
同じように字が汚い人へのインタビュー、ペン字講座、通信講座へ通ってみる、小説家、芸能人、野球選手、政治家の字、丸文字や変体少女文字、手書きの文字ってこれだけ味わく事ができるんだと、はっとさせられる。
流石編集者、目の付け所が違う。
やはり、手書き文字=人間、人柄という関係も濃く、字のことをインタビューすると、その人に対する何か味わいのようなものが出てくるんですね。この本を面白くしているのはそういう部分。
意外と知らなかったこともたくさん。
・楷書よりも行書の方が上達しやすい。
・ペンは中指で支えて親指で挟む。人差し指は添えるだけ。
・石原慎太郎の悪筆
・メルケル首相は文字が下手
ドイツ人は字のきれいさを気にしない。
・うどよしさんの書は、あえてトメ、ハネ、ハライをなくしているというのは、コロンブスの卵的な視点で面白いなと思ったけど、実は昔の文字(篆書)はトメ、ハネ、ハライがなくて、その後の隷書で初めて右ハライがでてくる。
字に対して興味を持つのって、奥が深くて人生に深みが増しそうと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
そうそう。そうなのよ。幼少の頃より汚文字だった自分には、著者の悩みが痛いほどわかる。一方で文字を書くのは結構好きだ。好きこそものの上手なれ、という格言がこんなに虚しく聞こえることもない。
という訳で齢50を過ぎてペン習字の通信教育を始め、今月全課程を修了した。多少はうまくなったかな?という程度で、理想の美文字とは月とスッポンなのだが、本書にもあるように添削してもらうとグンと上手くなる(気がする)。
この本を読んでも決して字が上手くならないが、共感しまくりで実に面白かった。
★5つ! -
世界的には字の綺麗さにこだわっているのは日本ぐらいのものらしく、その辺りも取材されていて面白い。筒井康隆の字は美しく、大江健三郎の原稿は絵画のようだという。石原慎太郎の字の汚さは写真付きで面白い。政治家も習字をやると綺麗だけど、フリップボードの字は綺麗ではないことが多い…などなど。字の綺麗さにまつわるあれこれが書いてある。
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似たようなことを考えペン字講座に手を出したことがあるのでとても面白かった
最後の絵馬なんか、本人は納得してないけどかなり良い感じになってるのでは? -
肉筆というものをあらゆる角度から眺めてみる。そして改善向上を目指す。この方法は自分を取り巻くあらゆる問題に使えるな。読後、久しぶりに書き取りをしてみたよ。
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ゲバ字、丸文字、ヘタウマ文字など、手書き文字の流行についての考察が面白かった。