最愛の子ども

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906362

感想・レビュー・書評

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  • 男女別学(今どき少ないよなあ)の中高一貫の女子クラス。高2のあるクラスでの疑似ファミリーとそれを見守るクラスメイト達。父親・母親と子供である王子様。それぞれがそう思われていることをわかっており、そういう環境を受け入れている。見守るクラスメイトも、3人を理解し妄想し心配している。

    思春期の女子高生たちのセクシャリティー感。取り巻く親世代や教師たちの感覚。疑似ファミリーとリアルファミリーの比較と葛藤。なかなか面白かった。
    安価なYA小説にありがちな理解のない大人が少なく、大人もそれぞれ描かれていていいと思った。生徒を広い気持ちで見守る感じの教師や、行き詰まってしまった主人公たちに解決方法をさりげなく提示するグループの保護者。
    女子高生も、男子も、親も、教師も、それぞれの迷いや生き方をしていることがわかる書き方と思う。

  • 女子高生達の,空想と妄想の疑似家族,あるいは疑似恋愛のような小説.家族とは違った学校生活の中は,丸ごと一つの世界であり,だからこそあらまほしき物語のような想像とともに生活が共存する.たくさんの女子高生の視点を変えながら,選ばれた三人のパパ,ママ,王子を核にして綴られた夢見る乙女達の群像劇だ.

  • 今の女子高生って、こんなかんじなのかなあ、と思った。
    疑似家族より本当の家族の記述のほうがリアリティがあって、疑似家族にのめりこむ気持ちも、分からなくもない。それでも高校生だったら、それが現実という諦めがおおきいのではないかな、と思う。

  • ふわっとしててそれでいて描写は克明で面白かった
    少女たちの疑似ファミリーと現実の家族の距離は遠い
    アドバイスできる大人がすごいな
    タイトルにかなり違和感を感じてしまった
    ≪ やわらかい 少女の心 三人で ≫

  • 雑誌でも読んだが、単行本になるとなんとなく印象が変わる不思議。
    大変オモチロイのです。過去の作品も追おう!

  • 疑似家族を作る女子高生三人と、それを見守る級友達の話。
    「わたしたち」の語りは徐々に脱線していき、何が事実なのかわからなくなっていく。
    主人公は三人の誰かではなく、実体のない「わたしたち」なのではないか。
    子供達に終盤で手を差し伸べたような大人でありたいなぁ。

  • 自分の価値観に合っていなくて、尚且つ作者の意図が全く理解できなかった。

  • この女子校風?の世界観に入り込めなかった。
    鞠村の必要性もよく分からなかったし。

  • う~ん、なかなか微妙な本。
    松浦理英子さんにリアル感ある物語を期待はしていないが、今回はやや中途半端な気もしなくはない。
    おそらくは横浜界隈の中高一貫私学共学校での女学生たちが繰り広げる、少々高踏的な「家族ゲーム」と言ってしまえばいいだろうか。
    色んな書評を見て、期待しすぎたかもしれない。

  • 7月3日読了。図書館。

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著者プロフィール

1958年生まれ。78年「葬儀の日」で文學界新人賞を受賞しデビュー。著書に『親指Pの修業時代』(女流文学賞)、『犬身』(読売文学賞)、『奇貨』『最愛の子ども』(泉鏡花文学賞)など。

「2022年 『たけくらべ 現代語訳・樋口一葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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