生涯投資家

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著者 : 村上世彰
  • 文藝春秋 (2017年6月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906652

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生涯投資家の感想・レビュー・書評

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  • これは本当に「最初から最後まで」読むべき書籍です。家族愛の深い人に、心根のマズい人はいないと思います。

    「寄付と投資は同じもの」という形で寄付についての考えを述べていましたが、その中で、NPOやNGOの持続可能性について、

    「NPOやNGOは、寄付者に『寄付して良かった』と思ってもらえるようなコミュニケーションを取っていく必要がある」

    という意味合いの考えを述べているのを見て、この村上世彰という人は、いろんな「上場企業のあるべき姿」という社会正義の実現を建前としつつも、投資先の企業から、

    「投資してくれてありがとう」

    と言って欲しくて、

    「投資して良かった」

    と思いたくて、投資家稼業をしていたのだろうな、と感じました。

    しかし、本人も言っている通り、髪も真っ白になり、中尾彬みたいなミドルになりましたね。

    あれから10年超。20代半ばだった私も、もうアラフォーです。(その是非はあれど)著者の仕事の大きさを感じる年齢になりました。

  • 志高く優秀な人が世の中への表現のされ方次第でこうもつらい目にあわなければならなくなるものなのか。読んでて本当に悲しくなった。

    メディアに本当に嫌気がさす。
    村上さんはとっくにいろいろなことについて諦めてしまってはいるだろうけど、その最高峰の能力・志を少しでも多くの人に伝えて、そういう人材を日本に増やすような活動をしていただきたいと、私は願います。

  • 評判が良かったので購読。当時のあのフレーズで悪役になってしまったが、本書内の氏の言わんとすることには、自分が現在投資しているからなのかストンと納得できた。
    多少の綺麗事はあるにしろ氏の主張に時代が追いついてきたと思うし、逮捕されたのもある意味、時代の生贄的な面があったと感じた。
    ガバナンスを通じての資金流動化により経済を活性化させることは大事だし、同時に個人の金融リテラシーの有無がこの先大きな差として現れることが改めて確信できた。

  • 今年株式投資を初めたので、投資に勝つ本ばかり読んでました。

    本のタイトルから株式投資のハウツー本ではない気がしましたが、
    あの村上ファンドの村上氏の本なので読むことに。
    内容は、村上氏の人生とコーポレート・ガバナンスの重要性を謳うものでした。

    恥ずかしながら初めてコーポレートガバナンスの言葉と意味を知り、村上氏のイメージも変わりました。

    この本読み終えて投資の考え方が変わり、視野も広がったので、投資初心者から一歩前進した気がします。

  • 図書館で借りた本。村上ファンドで一時期世間を騒がせた村上世彰さんの自伝。投資にまつわる話が中心。本人の信念と情熱、裏付けされたデータ、筋を通す事を信条に投資をやっている。本人も自分は短気なので言葉の行き違いでの誤解や印象が悪くなった部分も否めないと言ってるが、私はマスコミの印象操作も大きなマイナスになったと思う。今ならツイッターやFBや動画や対談で意思表示できる手段が多いのに当時はテレビだけ、インタビューも都合よく編集されただろうし。本の中でこうしたら良いと言ってるのは、企業の内部資金を巡回させるのは日本経済にとって有意義な事。日銀のマイナス金利やアベノミクスで何とか経済回そうとしてるのは分かる。なぜコーポレート・ガバナンスにこだわるのか?は徹底して説明している。後は国の借金問題、高齢化・出生率減、不動産投資、NPOやNGOなどの解決策案。村上さんが投資を通じてやろうとしてたコーポレート・ガバナンスが今頃、15年後に具現化してくるとはなぁ。東日本大震災で炊き出しに来てた村上さん。本の収益も日本の投資の教育・啓蒙活動に使うそうだ。どんどん人材を育てて欲しい。

  • きわめてまっとうな事が書いてある本。読み終わって感じたのは、村上さんって自分の正義(というか価値観)に則って動いている人なんだな、という事。日本の株式市場の考え方は歪んでいるなぁ、というのは改めて感じるし、上場する必要が無い会社はMBOすべきだし、IRRは15%を望むというのも、資金を循環させる事で資本市場を活性化させるという観点からは、なるほどな、と思う。
    村上さんは、慈善活動もやってるし、日本の将来についてもしっかり考えているし、こういう人が逮捕されずにもうちょっと活躍してくれれば、もう少し違った日本が見えていたのかな、と思ったりもした。
    日本の上場企業にコーポレートガバナンスが根付いてくれると、幸せな人が増えて良いな、と個人的にも感じた。まずは、自分が出来ることを着実にやっていきたいな、とそんな事を考えた。この本は本当にオススメ。

  • 村上世彰氏の自伝。当時はライブドアの堀江氏と同じような扱いを受けていたが、彼が意図していることは、国民に全然異なっていることが本書で明らかになった。メディアの伝え方によって、両者の真の意図が全く国民に伝わっていないことは、メディアの責任だと思う。
    村上氏は、コーポレートガバナンスを日本企業が意識するようにしたいという使命を自らに課し、その目的のために様々な手段を使って企業や国民に伝えようとしたが、上記のとおり村上氏の一部の行動のみにフォーカスした報道によって穿った意図が伝わってしまっている。
    村上氏の考えを簡単にまとめると、企業は不要な内部保留をせずに、その資産を株主に還元するか将来の投資に回す必要がある。そうそれば、株主は次の投資先に資産を回すし、投資されればさらなる収益を生み出し、社員や株主に還元され、市場全体にお金が循環し、GDPも上昇し日経市場の時価総額も上昇するというもの。
    メディアの報道を鵜呑みにしてはいけないということを改めて教訓とするとともに、一日も早く正しい報道がなされるようにメディアが変わることを願う。

    ・父はいつも「上がり始めたら買え。下がり始めたら売れ。一番安いところで買ったり、一番高いところで売れるものだと思うな」と言っていた。まさにその通りだった。

    ・大きな企業の役員になるということは、業務執行能力の高さだけでなく、社内の昇進競争を勝ち抜きながら人望を集め、社長によって役員に任命されることを意味している。日本では今でも、今の社長が次の社長を選ぶ、すなわち経営者が次の経営者を指名するのが一般的だ。こんな慣習の下では、役員の方々の素晴らしい能力が、彼らに経営を委託している株主にではなく、自分を役員に選んでくれた社長の意向に沿うことにのみ費やされてしまう。

    コーボレート・ガバナンスとは、投資先の企業で健全な経営が行なわれているか、企業価値を上げる=株主価値の最大化を目指す経営がなされているか、株主が企業を監視・監督するための制度だ。根底には、会社の重要な意思決定は株主総会を通じて株主が行ない、株主から委託を受けた経営者が株主の利益を最大化するために経営をする、という考え方がある。経営者と株主の緊張関係があってこそ、健全な投資や企業の成長が担保できるし、株主がリターンを得て社会に再投資することで、経済が循環していくメリットがある。日本でもコーボレート・ガバナンスの意識な高めることが、日本経済全体の健全な発展のために必要だと、その当時から私は強く信じていた。

    ・私が投資判断な行なうにあたって重要視しくいる指標がIRR(内部収益率、Internal Rate Of Return)だ。手堅く見積もってもIRRの数字が15%以上であることが基準となる。

    ・企業がROEを高めるためには、当期純利益を高くするか、純資産を減らすか、という2つの方法しかない。当期純利益を上げるためには、利益を高める努力が必要た。純資産を減らすためには、自己株式の取得や配当などで投資家へ還元することになる。

    ・日本には上場企業だけで三百兆円を優に超える内部留保がある。そのうち半分が現預金た。普段から資金を手元に積み上げておかなくても、必要になった時に市場から調達できるのは上場企業の大きなメリットだし、そもそもそのための上場であるはずだ。資金を積極的に新規事業や設備投資に使って業績を拡大していくこともせず、株主に還元することもせず、手元に過剰に貯め込んで執着している経営者こそ、将来的かつ長期的な企業の成長を望んでいない張本人である。自分が会社にいるあと数年の間だけ、事業環境が悪化しても潰れずに生き残ることにたげ重きを置いくいるように見える。やはり「守銭奴」と呼ばざるを得ない。

    ・そもそも社外取締役の候補者を経営者が選んでいるのだから、経営者寄りの社外取締役ばかりたくさん出てきてしまう。私も投資先の社外取締役と面談することがあるが、外部から経営のチェツク機能を果たすという社外取締役の役割すら理解していたい取締役もいた。

    ・コーボレート・ガバナンスが徹底され、経営者が株主を向いた経営な行ない、株価が高く維持されている上場企業では、よほどシナジー効果の見込める理由がない限り、乗つ取りや敵対的買収は起きない。上場企業が買収されることをリスクと考えるのなら、買収防衛策や持ち合いといった保身的な意味での対策を取るのではなく、コーボレート・ガバナンスを徹底し、企業価値の向上に注力することだ。それこそが、買収されるリスクを下げる有効な手段だ。株価の高い企業は乗っ取られない。それは世界の常識だ。

    ・上場企業は、成長のための投資に必要な資金より多額の剰余金を手元に持つ場合、自己株取得や配当で還元する、MBOをする、事業を切り離して解散する、などの手段で株主及び低すぎる株価に対して、何かしらの対応をすべきだ。

    ・こうしてIT企業の動きを振り返ると、これらの企業への「期待値」は非常に高いものだったとわかるし、それぞれに長い助走の期間を経て離陸するのだということが理解できる。市場での資金調達が必要なくなり、十分な運転資金を事業から確保できる段階に達したら、次のステップは、成長のための事業投資と併せて、株主への還元を積極的に考えるべきだ。マイクロソフトやAppleは、すでにそのステープに立っている。リターンを得た投資家は必ず次の投資を行なうものであり、その資金が有望な企業に回って成長するきっかけを生み出し、そのリターンがまた次の世代へ回る......という好循環を生み出すからだ。

    ・将来この国は、どうなっていくのだろうか。GDPは、もう四半世紀伸びていたい。成長なきところに、投資は起きない。投資家にとっては、成長性こそ最重要事項と言っても過言ではないからだ。成長とは,投資家にとっては将来のリターンであり、投資をする理由そのものだ。だから日本の株式市場はGDPと同様にこの四半世紀、成長してこなかった。上場企業の資本効率は世界的にみても低い水準のままだし、したがって評価も低い。日本市場は投資家にとって魅力的とはとても言い難く,投資の対象として厳しい状況にある。
    ・日本の株式市場の規模は、およそ5~6百兆円。アメリカの株式市場らの規模はおよそ二千兆円たから、日本の三~四倍の規模となっている。しかし上場している企業数は、いずれも二千数百社と大して変わらない。違うのは株価倍率(PBR)だ。日本のTOPIX企業の平均のPBRが1~1.3倍程度なのに対し、米国のS&P500のPBRは三倍弱となっている。これは純粋に、同じ規模の純資産を保有する企業であるにもかかわらず、日本企業の価値は株価に反映されていないということを意味している。日本の企業が将来的に、現在の資産以上の価値な生み出すと期待されていない、と言い換えることもできる。

    ・2014年に発表された「伊藤レポート」では、「企業と投資家、企業価値と株主価値を対立的に捉えることなく、「筋創(協調)」の成果として持続的な企業価値向上を目指すべき」という概念を示し、「中長期的にROE向上を目指す「日本型ROE経営」が必要」だとした上で、「8%を上回るROEを最低ラインとし、より高い水準な目指すべき」と、具体的に数値目標も掲げている。

    ・米国のS&P500企業の数値でみると、傾向として、毎年ほぼ利益の全購額を株主還元に回し、新規の事業への投資などは借入によって賄っている。こうして適度なレバレッジを掛け、自己資本を減らす効果は、ROEの向上のみにとどまらない。不要な手元資金をリリースする一方で、必要に応じて資金な銀行から借り入れれぱ、銀行は貸し出しを新規に行なえる。銀行に眠っくいる巨額の預金も、有効に活用されるのだ。銀行の貸付資金が長期で見ると減少傾向にある点を見ても、いかに資金が循環していないかがわかる。必要以上に内部留保な積み上げる理由が、私には全くわからない。

    ・企業の無借金経営は、倒産のリスクな避けられるし、金融機関の干渉も受けないから望ましい、などという考えはとんでもない間違いだ。資金循環を滞らせると同時に、負債活用度の数値な下げることになり、ROEを低くしてしまう要因となる。それであれば、自社株を購入して非上場企業にするべきである。

    ・日銀は、直接的に株式を保有でまないためETFを通じた投資となっくいるが、運用する証券会社を巻き込んで明確な議決権行使のルールを実施する。投資家として、より直接的に投資先企業へのメッセージを明確に伝え、日本という国が上場企業に対して何を期待しくいるのか、当事者間のみならず海外を含む市場参加者全員に伝わる環境を整えてほしい。

  • なんとはなしに悪い奴、とぐらいにしか思ってなかった村上ファンドの村上氏。
    なにを目指してきたか、ということが分かりやすく記されている。
    持って生まれた才能も、熱意も、環境も、全くかなわないということを感じつつも、目指すところには共感できるというのが、感想。
    騙されてるのかもしれないけど。

  • すごく面白かった。

  •  モノ言う株主で一世を風靡した作者が、表舞台から姿を消した今になって、言いたいことや言いたかったことを書いたと称する本である。
     確かに作者の主張が述べられており、それは多分正しいと思うのだが、どこか上滑りしている感がある。多くの著名なビジネスマンや会社が登場し、作者の名を高めた事件を振り返っても、その説明に終始しているようで何か新しいことが書かれている気がしない。
     唯一、最後のほうで家族のことに触れたところで、そんなことがあったのね、と初めて作者の心情の深いところに触れたように思った。どうも弁が立つせいか、なかなか信じきれないキャラクタの作者は、一皮向けるともっと面白くなると思う。作者は、そんなことで名を売るのは不本意かもしれないが、あと2-3作書いたらもっと良くなると思うけど、どうだろうか。
     

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生涯投資家の作品紹介

「お金儲けは悪いことですか?」 2006年6月、ニッポン放送株をめぐるインサイダー取引を行った容疑で逮捕され、のちに執行猶予つき有罪判決を受けた村上ファンドの村上世彰氏。逮捕間際に言ったその言葉が注目された。以後、表舞台から姿を消したが近年株式取引の世界に復帰。その動向が注目されている。 本書は、その村上氏の最初にして最後の著書であり、半生記であり、投資理念の解説書でもある。灘高―東大法―通産省を歩んだエリートがなぜ投資の世界に飛び込み、いったい何を試みたのか。ニッポン放送、阪神鉄道、東京スタイルなどへの投資において、いったい何があったのか。その投資哲学、日本企業、日本の経営者たちへの見方はどうなのか。そして今後何をしようとしているのか。 村上ファンドを率いて日本に旋風を巻き起こした著者が、その実像と思いを自ら書き上げた話題作。(目次)はじめに――なぜ私は投資家になったか第1章 何のための上場か上場のメリットとデメリット/官僚として見た上場企業の姿/コーポレート・ガバナンスの研究/ファンドの立ち上げへ――オリックス宮内義彦社長との出会い/日本初の敵対的TOBを仕掛ける/シビアな海外の投資家たち第2章 投資家と経営者とコーポレート・ガバナンス私は経営者に向かなかった/私の投資術――基本は「期待値」、IRR、リスク査定/投資家と経営者との分離/優れた経営者とは/コーポレート・ガバナンス――投資家が経営者を監督する仕組み/累積投票制度を導入せよ――東芝の大きな過ち第3章 東京スタイルでプロキシーファイトに挑む東京スタイルへの投資の始まり/十五分で終わった社長との面談/激怒した伊藤雅俊イトーヨーカドー会長/決戦の株主総会/なぜ株主代表訴訟を起こしたか/長い戦いの終わり第4章 ニッポン放送とフジテレビフジサンケイグループのいびつな構造/ニッポン放送株式についてくる「フジテレビ株式」/グループ各社の幹部たちの思惑/本格的にニッポン放送への投資に乗り出す/生かされなかった私たちの提案/私が見たライブドア対フジテレビ/逮捕第5章 阪神鉄道大再編計画西武鉄道改革の夢――堤義明氏との対話/そして阪神鉄道へ/会社の将来を考えない役員たち/阪神タイガース上場プラン――星野仙一氏発言の衝撃/またしても夢は潰えた第6章 IT企業への投資――ベンチャーの経営者たちITバブルとその崩壊/光通信とクレイフィッシュ/USEN、サイバーエージェント、GMO/楽天――三木谷浩史氏の積極的なM&A/ライブドア――既得権益に猛然と挑んだ堀江貴文氏第7章 日本の問題点――投資家の視点からガバナンスの変遷――官主導から金融機関、そして投資家へ/日本の株式市場が陥った悪循環/投資家と企業がWin‐Winの関係になるには/海外企業の事例――Appleとマイクロソフト第8章 日本への提言株式会社日本/コーポレート・ガバナンスの浸透に向けて/モデルケースとしての日本郵政/もう一つの課題――非営利団体への資金循環/世界一の借金大国からの脱却第9章 失意からの十年NPO/東日本大震災について/日本における不動産投資/介護事業/飲食業/アジアにおける不動産事業/失敗した投資の事例――中国のマイクロファイナンス、ギリシャ国債/フィンテックへの投資おわりに

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