生涯投資家

  • 393人登録
  • 4.29評価
    • (52)
    • (61)
    • (13)
    • (1)
    • (0)
  • 48レビュー
著者 : 村上世彰
  • 文藝春秋 (2017年6月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906652

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ベン・ホロウィッ...
デール カーネギ...
ブラッド・ストー...
リンダ グラット...
伊賀 泰代
有効な右矢印 無効な右矢印

生涯投資家の感想・レビュー・書評

  • これは本当に「最初から最後まで」読むべき書籍です。家族愛の深い人に、心根のマズい人はいないと思います。

    「寄付と投資は同じもの」という形で寄付についての考えを述べていましたが、その中で、NPOやNGOの持続可能性について、

    「NPOやNGOは、寄付者に『寄付して良かった』と思ってもらえるようなコミュニケーションを取っていく必要がある」

    という意味合いの考えを述べているのを見て、この村上世彰という人は、いろんな「上場企業のあるべき姿」という社会正義の実現を建前としつつも、投資先の企業から、

    「投資してくれてありがとう」

    と言って欲しくて、

    「投資して良かった」

    と思いたくて、投資家稼業をしていたのだろうな、と感じました。

    しかし、本人も言っている通り、髪も真っ白になり、中尾彬みたいなミドルになりましたね。

    あれから10年超。20代半ばだった私も、もうアラフォーです。(その是非はあれど)著者の仕事の大きさを感じる年齢になりました。

  • 志高く優秀な人が世の中への表現のされ方次第でこうもつらい目にあわなければならなくなるものなのか。読んでて本当に悲しくなった。

    メディアに本当に嫌気がさす。
    村上さんはとっくにいろいろなことについて諦めてしまってはいるだろうけど、その最高峰の能力・志を少しでも多くの人に伝えて、そういう人材を日本に増やすような活動をしていただきたいと、私は願います。

  • すごく面白かった。

  • まさにコーポレートガバナンスの教科書的な内容だった。上場する意味、株主に対する考え方等全てが参考になる。娘さんが流産してしまったことには気の毒でならない。

  • 投資関連の本の中でも、群を抜いて非常に読みやすい。
    何よりも村上世彰氏について、間違った認識、イメージを持っていた。
    日本を良くしたい、ではどうするべきかなど村上氏の思いが詰まった著書。

  • 期待通り、いや、期待以上の内容でした。

    誤解を受けることの多い村上さんですが、ご本人から真意を語っていただくことができたような印象を受ける一冊です。

    付箋は40枚付きました。

  • 1990年代、著者率いる村上ファンドの悪名は有名だった。株式を大量に買い取り、経営陣に難題をふっかけて混乱を巻き起こし、その果実をむしり取っていた。と、誰もがそう思っていた。インサイダーでの逮捕もやっぱりね、という印象。

    が、世界標準の投資や株式、経営視点から見ながら、本書を読んでみると、当時の著者の行動、発言は投資家として当然だったことに気づく。当時の日本は「投資」をあまりにうさんくさいと、考えすぎていた。

    企業が上場することは誰もがその株式を購入できることであり、経営に誰もが介入できることだ。その覚悟がなければ上場するな、投資家である著者が言いたいことはこれに尽きる。

    そんな覚悟のない経営者が運営する企業は淘汰されてもやむを得ない。そうした企業の代表が本書で登場する、東京スタイル、阪神タイガース、ニッポン放送などなど。彼らは大株主である著者のコーポレート・ガバナンスにもとづいた要求を無視し、対立した。が、こうした企業は生き残り、著者は逮捕された。これが日本投資社会の限界なのだろう。

  • 投資家としてあるべき姿を学んだ。彼の真意とメディアの報道がかけ離れていたことがわかった。コーポレートガバナンスとは何かについて学べた。

  • おそらく何冊かある人生を15度くらいターンするきっかけとなる本。
    今まで投資に興味を持ちつつも一歩以上踏み出せない状態が続いていたが、この本を読んでからは生活と投資を結びつけて考える癖ができて、何事にも興味深くなった。
    何年か経ってこの感覚を忘れても、このレビューを読み直し本を再読し、姿勢を立て直したい

  • なんとなく良いイメージがない人を詳しく知ると好きになる現象。ホリエモンに次いでこの人も。

  • めちゃめちゃ面白かった。上場企業とはなんなのか?上場するとはなんなのか?を本質的にかつ経験を交えて語っている。「会社は誰のものなのか」という問いにはあまり意味はなくて、少なくとも上場しているのであれば、資本主義の論理の上で、どうやってやりたいこと(もちろん社会的に価値のあることという前提だが)を実現するのかを考える方向に進む方がよっぽど生産的。ただ、そのためにはゲームのルールを知る必要があるので、それを知るにはうってつけの一冊だと思う

    P11
    父はいつも「上がり始めたら買え。下がり始めたら売れ。一番安いところで買ったり、一番高いところで売れるものと思うな」と言っていた

    P158
    上場企業が買収されることをリスクと考えるなら、買収防衛策や持ち合いといった保身的な意味での対策を取るのではなく、コーポレート・ガバナンスを徹底し、企業価値の向上に注力することだ。それこそが、買収されるリスクを下げる有効な手段だ。株価の高い企業は乗っ取られない。それは世界の常識だ

    P179
    2003年9月には「旅の窓口」を運営していたマイトリップ・ネットを323億円で買収する。この発表の直後、三木谷氏から電話がかかってきた。「村上さん、もうお金はないですよ!」と知らせてくれる声は、とてもうれしそうだった。

    P234
    ガバナンスの効いていないところでは、必ず資金循環に滞りが生まれる。資金は循環しなければ、何も生み出さない。上場企業であれば非営利団体であれ、その仕組みは全く変わらない

  • メモ


    上がり始めたら買え、下がり始めたら売れ。一番安いところで買ったり、一番高いところでうれるものだと思うな。

    投資とは、将来的にリターンを生むであろうという期待をもとに、資金などをある対象にあてること。投資にはかならず何らかのリスクが伴う。しかし、投資案件の中には、リスクとリターンの関係が見合っていないものがあり、それを探しリターン>リスクとなる投資をするのが投資家。

    村上世彰の投資は徹底したバリュー投資。保有している資産に比して時価総額が低い企業に投資するという極めてシンプルな投資。こうした会社は、経営に問題を抱えていることが多く、株主の立場から働きかけて改善を試みると、ハゲタカと批判されてしまう。

    上場することでIRなど、必要な部署やコストがかかるため、株式発行による直接金融で資金を調達する必要がない企業は、上場を廃止して非上場になることを検討すべき。
    現預金をたくさん保有したり、財務状況がよく銀行からの借入余力のあるような投資先に対して、MBOして非上場化しようという提案を行うと、上場による信用力が無くなる、取引先との関係が維持できないなどの理由で断られることが多い。

    本来は投資家である株主が経営者を選ぶもの。企業が自らの事業計画を株主に説明し、株主はそれを吟味した上で経営者を選ぶのが資本主義の原則。会社法もこれを前提に定められている。
    声をあげなかった株主にも責任はあるが、日本における株主は物を言わない、顔が見えない存在であり、銀行の顔色は伺うが、株主を重視する姿勢はない。

    投資家と経営者では、必要な能力や資質が全く違う。投資家は、リスクとリターンに応じて資金を出し、会社が機能しているかを外部から監視する。経営者は投資家に対して事業計画を説明し、社内の人材や取引先などをマネジメントして最大限のリターンを出す。

    ROE(Return on Rquity)は、投資した金額に対して利益がどの程度生まれるかを示す。すなわち、当期純利益/純資産という式で算出できる。投資家にとっては、自らの投資したお金がどれだけ効率的に利益を生んでいるかを知る指標。
    企業がROEを高めるためには、当期純利益を高めるか、純資産を減らすかしかない。投資家はROEの改善を求めるが、経営者は安定経営のために手元に資金を確保したい考えが強い。それが純資産の過剰な増大につながるため、日本は米国に比べROEが著しく低い。

    余剰資金を貯めこむのではなく、より高い利益を求めて積極的に投資に回すか、投資の機会がなければ投資家に還元すべき。投資家は経営陣に対して、銀行預金で僅かな金利収入を得ることを求めていない。投資家はその資金を、成長のために資金を必要とする別の企業に投資する。そうしてお金が循環し、経済がまわっていく。

    ROEのグローバル水準は8%。

















  • かつて村上ファンドで世間を騒がせた村上氏が、自身の投資に対する信念を紹介しながら、過去の出来事を振り返った1冊。面白いし、投資、市場、経営の勉強になります。

    日本の市場でしっかりと資金を循環させるためにコーポ―レートガバナンスを実現することが彼の目指してきたことだそうです。1990年代~2000年代前半の日本市場は、今よりももっと閉鎖的で、大企業間の株式の持ち合いが多かった中で、当時の彼の行動は正直なところかなり奇異に感じられました。(ライブドアの堀江氏と行動が重なったために、強烈なイメージが倍増したこともある)しかし、東京スタイル、ニッポン放送/フジテレビ、阪神電鉄に対する物言う株主としての言動は、コーポレートガバナンスの実現を目指した戦いだったと説明されると、かなりの納得感があり、正論をかざして戦った彼のパワーに敬服もしてしまいます。

    当時からはかなり変わったとはいえ、まだまだ日本企業の経営や、それに対するマスコミの論調には、古き良き高度成長期へのノスタルジーを感じさせるものが見受けられるように感じます。第一線からは引退という村上氏ですが、彼の知見が受け入れられ、活かされるのはこれからではないでしょうか。本書をきっかけに、まだまだ発言を続けていただきたいと願います。

  • 当時大学生だった自分に経済と金融に興味を持たせたのは堀江さんと村上さんだった。
    村上ファンドの行動に時代が追いついていなかったのは間違いなく、当時の日本には刺激が強すぎたのだろうがそんな日本にその後に続く風穴を開けたのは間違いない。
    にしても手金での投資はファンドのプレッシャーから解放されて楽しそうに感じるなー。

    もっと若かりし頃、個人的に村上家にちょっとした繋がりがあったことはまた別の話、、、笑

  • この本を読むことで今までの村上世彰氏に対するイメージが180度変わる。
    そして今世間を騒がせている加計学園"問題"と同じで、いかにマスコミが印象操作を行なっているかが思い知らされる。
    村上世彰氏の投資に対するイメージ熱い思いと、世間からのバッシングによる悔しい思いが文章に滲み出ている。
    そしてあとがきではショッキングな内容が明かされる。それでもこうして本を出版されたことに敬意を表したい。

  • [物言いの物言い]ニッポン放送をめぐるインサイダー取引の容疑で2006年に逮捕された村上世彰。「物言う株主」として注目と批難の嵐を集めた男が,自身の歩みを振り返りながら,投資家とは何か,日本企業に欠けている理念と視点とは何かについて語り尽くした作品です。

    本年の暫定ベスト。ノンフィクション,自伝,そして学術書の良いところを全て凝縮したような仕上がりになっており,とにかく抜群に面白い。本書が出た後も村上氏の考え方には賛成・反対が出てくると思いますが,間違いなく同氏の位相を変化させる一冊になったと思います。この本を元手にいろいろと議論が進みそうな作品です。

    〜「意義や必要性はわからないが,とりあえずステータスとして上場していたい。でも,自分が嫌いな相手には株を持ってほしくない」という姿勢は,上場企業として通用しない。〜

    人の話を直接聞くことの重要性を再認識☆5つ

  • 多くの投資家は、リターンが0円になる可能性がある程度高い(例えば20%)高いと投資しないが、自分は全て「期待値」で判断する。期待値を的確に判断するには、投資対象の経営者の資質の見極め、世の中の状況の見極め、経験に基づく勘など、様々な要素が含まれる。まずは現場における「期待値」を導き出し、その「期待値」を少しでも上げるために、外部要因や将来予測などを冷静に見極めながら、様々な戦略を立てていくのである。

    「期待値」のほか、投資判断を行うにあたって重要視している指標がIRR(内部収益率)。手堅く見積もっても、IRRの数字が15%以上であることが基準となる。資金循環こそが将来のお金を生み出す原動力。企業がその投資資金によって新たな資金を生み出し、加速度的に事業を大きくしていくことができるかどうかを、相手の商慣習や国ごとの政治的なリスクも踏まえて見極める。

    「期待値」とIRRにリスクの査定を加味した3点から、投資するか否かの最終的な判断を行う。リスクを査定する際には、定量的な分析よりも定性的な分析が重要なポイントとなる。数字や市長の判断よりも、経営者やビジネスパートナーの性格や特徴をつかむことだ。

  • これも超面白い。一つにはあの当時の裏話を結構正直に書かれている。(しかしまだ書かれてないことも山のようにあると思われる。一冊限りと言っているけど次作に期待) そしてコーポレートガバナンスコードなど、彼に時代が追いついて来た面もある中で、まとまった主張が読めたのも良い。基本的に妥当なことを言っているし、なぜ彼がわざわざ日本のためにそこまで、というのは、彼自身の利得と方向性が一致するからということを割り引いても、思う。

生涯投資家のKindle版

ツイートする