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著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906676

作品紹介・あらすじ

任期満了を迎える黛新太総理の後任候補に、48歳という若さと美貌で国民的人気を誇る、越村みやび厚労大臣が名乗りを上げた。日本初の女性総理誕生が、にわかに現実味を帯びはじめる。そんな中、医療・福祉系投資会社JWFの元CEO片岡司郎が、収賄の疑いでみやびを告発したいと東京地検特捜部に接触する。JWFは越村が推進する社会福祉制度改革のパートナー的存在、楽田恭平の会社だ。特捜検事の冨永真一は片岡の事情聴取を行うことにした。裏には永田町の策謀が潜んでいた――。 ベストセラー『売国』につづく冨永検事シリーズ第2弾!

感想・レビュー・書評

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  • あまり身近にない政治の世界。検察と国会議員の戦い。もう少しオチが欲しかった。五十嵐さんももう少し活躍して欲しかったw

  • 女性総理 越村みやび が誕生する直前の出来事。
    現在の黛総理のマウンティングが、
    実に巧妙で、スキャンダルを利用しながら
    人を操っていく。頭が上がらないようにする。

    越村みやびが、政治献金と賄賂の区別が
    明確でなく、賄賂に手を染めていく過程が、
    もう少し 心理的葛藤があってもいいのだが。
    それでも、清廉潔白と言い切るには無理がありそう。

    富永という検察のエース。その上司の羽瀬。
    羽瀬は癖がある。豪胆で、狙いも特捜だ。
    特捜の手口があからさまで、特捜がメディアにリークして
    犯罪の既成事実化していく姿は、日本の暗部だね。

    神林という新聞記者のエース。その上司の東條。
    なぜか、富永とは背とよく似た関係になっている。
    記者と検察の深いつながりが見える。

    3億円を受け取った俊策が、会社の1億円融資で
    あたふたしているのは、どうかな。
    それにしても、結末が結末として、闇の中に放り込まれる。
    実際の政治は、もっときな臭いだろうけどね。

  • 冨永検事シリーズ第2弾。
    厚生労働大臣である越村みやびは、日本初の女性総理として任期満了を迎える黛新太総理の後任に名乗りを上げる。しかしながら、社会福祉制度改革のパートナーであった楽田の会社からの収賄疑惑で告発され、東京地検の富永が捜査にあたる。目立つ彼女を貶めたのは誰か、そして彼女は。。。
    村越みやびのキャラクターがいま一つ共感できなかった。酒蔵出身とういことで、もっと日本の良さや高齢者に対しての現状を憂い、凛として立ち上がる、というようなことを期待したのだが。

  • シリーズ1作目の「売国」より遥かに重厚な作品で,ミステリーとしても,社会派小説としても読み応えがあった.サ高住は本当に色々で,「ここなら」と思う所と「ここじゃ…」って所と本当にピンキリなんだよな,それは豪華さとか全く無縁のところで.
    内情やや知ってるだけに,よく取材して表現してくれたなぁってのが感想.
    願わくば,「女性総理候補」の胸の内,何故そこに至ったのか?をもう少し書き込んでくれると更に面白かったんじゃないかなぁ,と思う.

  • プロローグから結末まで、主に4つの視点で物語が綴られています。
    すごいのは、ほぼ全ての視点が密接に関与しながら同時進行で進んで行くにも関わらず、互いに無駄に干渉していないということ。
    何という表現力!噛みごたえのある作品でした。
    ハゲタカシリーズは最後のどんでん返しが醍醐味でしたが、それとは違った楽しみ方が出来ました。
    もっと早く読めばよかった。
    次は「コラプティオ」、「売国」を読みます。楽しみです。

  • 巨悪を眠らせないにせよ、不偏不党に基づいて捜査に取り組む検察官の冨永。
    日本初の女性総理大臣と目される越村みやびにまつわる黒い噂、不正なお金の流れ・・・

    検察庁が行政組織である以上、民主的統制に服するのはやむを得ないが、果たして政治家にどこまで任せていいのやら。

  •  スッキリとしないこの中途半端な終わり方が、今のこの国の現実だろう。政治も、成功者も。
     ジャーナリストも、弁護士も、検察も、政治家も、どこに焦点をあてるかで、相対的にしか正しさは現れないか。

  • ストーリーは面白かったけど、結末がスッキリしなかったかも。。かなり残念!

  • 近未来の話で、武装が許されている警備員達。日本は荒れてすさんでいる。敵と戦うので警備員とういうよりボディガードといった方がよいかもしれない。仲間たちがどうなったのかわからずに終了してしまい、次作があるのかもwww

  • 102政界のドロドロはステレオタイプ。女性首相を誕生させたかったのか、女性というキーワードがなくても成り立つお話のような気がする。これはこの主人公の続編を書かないと作家としてどうなんかな?

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著者プロフィール

1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収の壮絶な舞台裏を描いた『ハゲタカ』でデビュー。映像化された「ハゲタカ」シリーズをはじめ、 『売国』『雨に泣いてる』『コラプティオ』「当確師」シリーズ『標的』『シンドローム』『トリガー』『神域』『ロッキード』『墜落』『タングル』など話題作を発表し続けている。

「2023年 『それでも、陽は昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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