- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163906683
作品紹介・あらすじ
ダ・ヴィンチBOOK OF THE YEAR 2015 1位!(エッセイノンフィクション部門)『時をかけるゆとり』に続く、待望の第二弾。「別冊文藝春秋」「日本経済新聞 プロムナード」掲載分に大量の書き下ろしを加え、計500枚の大ボリュームでおくる傑作エッセイ集!・レンタル彼氏との騙し合い対決・担当税理士の結婚式にて炸裂させた渾身の余興・初めてのホームステイにてマル秘パンデミック勃発・ファッションセンス完全外注の経緯・特別収録!痔瘻の発症、手術、入院――著者の肛門にまつわるすべてをしたためた100枚超の手記「肛門記」……読んで得るもの特にナシ!! 立派な感想文なんて書けっこない、ひたすら楽しいだけの読書体験をあなたに。
感想・レビュー・書評
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「学生時代にやらなくてもいい20のこと」の読了の勢いそのままに、ゆとりシリーズ第二弾「時をかけるゆとり」を読んでみた。
前作の学生時代から少し時は進み、兼業作家として過ごしていた社会人時代で起きた出来事を中心にエピソードが綴られている。
前作にも増しておもしろさはパワーアップ。こちらも前作同様、笑うことなく本を読み終えることは難しいため、公共の場での読書はおすすめしないことを先に伝えておきたい。
著者のファッションセンスにまつわる話、ビーチバレーでの出来事、社会人生活での出来事等々のエピソードも十分に面白かったが、最終章「肛門記」ですべて持っていかれたような気がする。それ程までにおもしろかった。ここまで赤裸々にありのままに肛門と向き合った話など聞いたことがない。こういった出来事を引き当てる、引き込むことができるのも才能なのだろうか。もちろんこれも著者の痛快な語り口あってのおもしろさなわけだが、前回同様最高に楽しませていただいた。
この勢いで第三段「時をかけるゆとり」を早速読み始めてみることにする。 -
ブクログの「トップ」タブをクリックすると、「あなたへの新刊情報」が見られるのはご存知だろうか。
その新刊情報欄に「そして誰もゆとらなくなった」(朝井リョウ・著)が表示されたのは、8月のことだった(多分)。
あの爆笑エッセイ「時をかけるゆとり」(既読)の続刊かな??とおもい、紹介を読んでいくと…「そして誰もゆとらなくなった」はまさかまさかのゆとりエッセイ3作目だった…!
「え、エッセイ2作目が、この間に、ある、の…?」
というわけで慌てて手に取ったのが本書、ゆとりエッセイ2作目の「風と共にゆとりぬ」である。
冒頭の「眼科医とのその後」は、前著「時をかけるゆとり」から続く眼科医との攻防(?)の話だった。
がしかし、著者も指摘しているように、前作の眼科医との話があまりにもくだらなくておもしろい話だったため、きれいさっぱり忘れてしまっていた。
なので読み始めて早々に「風と共にゆとりぬ」を閉じ、「時をかけるゆとり」を開いたのであった。
そしてどちらの眼科医の話もくだらなくておもしろくて、読み終わってほぼ話は忘れたのに、そこには「おもしろかった」という感触だけが残されていた。
恐るべし、朝井リョウ…さん…
中でも爆笑してしまったのが、本書の最後に収録されている「肛門記・前中後編」である。
いわゆる肛門付近にできてしまったアイツを手術で退治する話なのだが、そこに至るまでの過程がなんとも愉快な肛門記として綴られており、もうなすすべもなくただただ爆笑するしかなかった。
この話は題材が肛門付近だからおもしろいのではない。
これは、朝井リョウさんが書く「肛門記」だから、おもしろい、のだ。
肛門付近に悩まされている方もそうでない方も、医療職の方もそうでない方も、ぜひこの「肛門記」を読んでおもしろさの中に身を委ねてみてほしい。 -
「マーガレット・ミッチェルに捧ぐ」という献辞から始まるエッセイ集。
読後、まず頭に浮かんだのは「朝井リョウは本当にこの本捧げていいんかいっ!」という心からのツッコミでした。
1冊丸々読者を笑わせにかかっているのですが、著者の思惑どおり、涙がにじむくらい笑かされました。
3部構成で、第一部は日常のエッセイ。
こんなギャグマンガみたいな日常…すてきすぎ。
特に応援している俳優への手土産を選ぶエピソードは、笑いすぎて悶えてしまいました。
日本経済新聞の「プロムナード」の連載を集めた第二部は、掲載媒体を考慮して少し控えめなのですが、ここでためたものを一気に爆発させるかのような第三部がすごい。
タイトルからして『肛門記』だもの。
入院・手術も伴う症状の治療は大変だったと思うのですが、もう全部笑いに変えてやる…という著者の思いが迸っています。
今後の朝井さんの人生において、バーベルを持ち上げる機会が訪れないことを祈っておりますw
以前読んだ『学生時代にやらなくてもいい20のこと』(文藝春秋)もめちゃめちゃ笑った記憶があるので、未読の『時をかけるゆとり』にも期待大。
とにかく細かいこと考えずに笑い倒したいときに読もうと思います。 -
あまりにも自分をさらけ出す朝井リョウ、好きです。
肛門記は、この症状に悩む人必須本ですね。病院に置いて欲しいくらい。いやもう置いてあるかも。
第一部、第三部が面白過ぎたので、ちょっと真面目な第二部は寝かかってしまった。ごめんなさい。
ネガティブっぽいけど、心の中はテンション高めな朝井さん。これからも応援します! -
WBCの決勝、8回表にダルビッシュが!なんて今日がたまたま休日だったんで優雅に興奮しています。あ!ホームラン打たれた!こんな実況してたらレビューがおろそかになっていまう!集中集中!
はい、「そして誰もゆとらなくなった」から遡ってのこちら。前作でも感じたが、朝井リョウくんがどんどん好きになっていく。もう肛門記なんて自分ならカミングアウトしないだろう恥辱。その他のお話もどれも面白いんだな。あの小説を書く人と同一人物とは思えない。
やった!ダルビッシュなんとか抑えた!もう最終回!頑張れ侍ジャパン!頑張れリョウくん!このエッセイは面白ので。本人談「ためにならない」と書いてあるけど、読むとほぐれます。 -
朝井リョウ2作目のエッセイ。
前回の『時をかけるゆとり』が面白かったので今回も期待して読んだ。文庫になるのを本当は待っていたのだが気になりすぎてハードカバーで買ってしまった。この感想を著者に見られればしめしめと思われるだろう。
帯に「電車の中で読めない本No.1」「1冊で100回笑える、腹筋崩壊エッセイ」と書いてあったのでとてもハードルを高くして読んだが、前回から変わらずこの人の世の中の見方はとてもおもしろかった。