怪盗 桐山の藤兵衛の正体 八州廻り桑山十兵衛

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著者 : 佐藤雅美
  • 文藝春秋 (2017年7月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906782

怪盗 桐山の藤兵衛の正体 八州廻り桑山十兵衛の感想・レビュー・書評

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  • この作者の本は、文章が流れるように展開していくので、多少読み疲れることもあるが、内容は丁々発止と言葉をぶつけあうところがおもしろい。

  • オール讀物2014年11月号、2015年3、7、11月号、2016年3、7、12月号掲載のものを2017年7月文藝春秋から刊行。シリーズ10作目。十兵衛さんのねばり強い探索が興味深く、面白い。感心してしまいます。

  • 八州廻り桑山十兵衛の何冊目?~勘定奉行の私生活の悪口を言った挙げ句に博奕に絡むいざこざで中追放を受けた太田宿の元髪結い長五郎が舞い戻っていると聞いて桑山は太田に来たが、領主役場を預かる佐山小兵衛は面倒だと逃がしたらしい。頼るのは足尾の知り合いだと出掛けるが、日が暮れて辿り着いた山の中の一軒家は、大きな教場を持つ手習塾だった。雑炊をご馳走になっていると、現れたのは捜している長五郎。大人しく捕まった。山の中に80人の子を面倒見ている元御家人・河門笑軒は怪しい。太田に戻ると、様子の良い女・たきが証文を交わした百姓家の息子と祝言だ、別れるなら金だとごねている。領主役場では196両を落としたのに、返して貰えない豆蔵が桑山に相談を持ちかけるが、一割五分で決着を付けたのは河門だという。水戸街道から松戸に行くと、嫁を貰って落剥したその親父が転がり込み、威張り散らすので、欠落していた百姓・幸吉が江戸で六尺廻りをしている隙に家を乗っ取られた騒動に首を突っ込むが、嫁と舅・長右衛門と新しい婿が惨殺され、馬で逃げたと判明した。長右衛門が仲間に仕掛けだろう筋の良い祠堂金の話を聞きに岡っ引きを訪問すると、大きな仕掛けであったらしく評判になっていて、岡っ引きから誘われた芸者の持つ小料理屋へ行くと、芸者たきと再会し、長右衛門を探りに松戸へ行ったことが知れた。下総東吉田村の勘右衛門の養子・喜之助が嫁よねの不義密通だと騒いでいる中、倅が殺され、勘右衛門も行方不明になった。勘右衛門は勘次と名乗っていた若い頃は牧士の勢子で馬に親しんでいた。家出した嫁によると伊勢の御師の手代・千太が出入りしていたが、昔の仲間の様子を探りに来ていたに違いない。行方不明の勘右衛門が沢で死んでいるのが見つかり、たねが云う様子の良い年寄りとは誰なのか。たねは一味に違いない。上州小松村の手習塾を訪ねて直接聞きたいが、口実がない。勘次が江戸に出て大八車を引いていたなら痕跡があると、浮かび上がってきたのは回向院付近で評判の俳諧師・山口桑園。上州木崎で桑山に鉄砲を射かけてきた八州殺しの喜三郎の甥・喜十郎が、道案内の辰次が寝込んだのを幸いに威勢を張っている。道案内を集め、桑山が喜十郎退治と声高に呼ばわると喜十郎は逃げていき、笑軒が馬に乗って颯爽と現れた。笑軒は馬を三頭飼っている。河門笑軒は大店だけを襲った怪盗・桐山の藤兵衛ではないのか、馬は少なくとも90両するだろう。江戸に戻って桑園の事を探ると勘次と千太と言う名が出てきた。近所では小間物の行商をしていると触れている千太も家を処分して消えた。たきも消えているはずだ。笑軒は桑園なのか?桑園の指はしなやかだったというが、笑軒のそれはごつごつしていた。我孫子で百姓家が立て続けに押し入れられ、十両足らずが奪われた。いずれも上野牧の勢子をしていて冷や飯ぐらいがいて、最近連れだって取手で女郎買いをしている。松戸の長右衛門を殺したのはこの三人。木賃宿に泊まっていた三人が何処にも出掛けていないと証言させた幸吉も怪しい。何度も桑山を騙しているたきは何処にいるのか?千太の在所で行方を捜すと、成田で見たとの噂を聞き込み、成田では粋な女が小料理屋を開いたと言う。言ってみると、確かにたき。宿屋で青息吐息の爺の正体は千太、たきは千太の娘であったと認めた。たきを連れて江戸へ戻る途中、木下で桑山を呼び止めた武士は、かつて世話した小藩の勘定方で、息を引き取ったのは藤兵衛の頭目・山口桑園こと但馬早川松平の家臣・湯浅桑之助であった。主君が急死して藩の大老が自分の身内を藩主に据えるために幕閣に賄賂したが、脱藩した湯浅は、遠乗りが趣味であった元藩主を殺害し、それでも自分が推す隠居の落とし胤が主になれないのを悟って、江戸に出て俳諧師となったのだ。昔の同僚に幕閣を寝返らせるための資金提供を申し入れられ、人を殺さぬ押し込みを始めて、各自が500両を稼いだところで一味を解散したのだった。河門笑軒は諸国漫遊の途中で但馬に立ち寄り、学問所を開き、隠居の落とし胤も世話したが、武家奉公構となって、諸国放浪の果てに伊勢崎に辿り着いたのだった。桑山は河門が桐山の富兵衛でないかと疑ったのを謝罪する~カバーがソフトだから100円安いのかな?最後の種明かしは、訳かが分かりすぎていて逆に納得が行かないが、やっぱり巧いね、佐藤さん

  • 初出 2014〜16年「オール讀物」
    八州廻り桑山十兵衛シリーズ第10作

    会話と淡々とした事実の記述の間に十兵衛の推理が書かれ、ついふむふむ、そうだそうだと思ってしまう。
    書くペースが遅くなっているようだが、他の人気シリーズと共に期待を込めて次作を待ちたい。

    今回は20年も前に鳴りを潜めた馬を使う盗賊団の犯人にたどり着く話。

    巡回中に偶然宿を借りた年配の儒者に疑念を持った十兵衛は、色々な事件が20年前の盗賊団に関連するように見えてくる。謎の女に振り回されたり、回り道をしながらやっと辿り着いた真相は十兵衛の最初の疑念とは違っていた。

  • 【大人気八州廻りシリーズ 記念すべき第十弾】消息を絶っていた盗賊「桐山の藤兵衛一味」。再び動き始めたのはなぜか。時代に翻弄される人々への、十兵衛の深い眼差しが胸を打つ。

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怪盗 桐山の藤兵衛の正体 八州廻り桑山十兵衛はこんな本です

怪盗 桐山の藤兵衛の正体 八州廻り桑山十兵衛の作品紹介

悪は必ずしも悪ならず。思いがけない事件の結末が胸を打つ!ドラマ化もされたヒットシリーズ、『八州廻り桑山十兵衛』待望の第10弾。松戸近辺に住む強欲な百姓一家殺害事件で、十兵衛は、一時期世間を騒がした盗賊たちが、再び動き始めたのではないかと疑います。十兵衛の前に現れては捜査を攪乱する謎の美女、さらに事件の背景には盗賊たちの人生を変えたある悲劇がありました。時代に翻弄される女と男に対する十兵衛の深い目線が胸にささります。

怪盗 桐山の藤兵衛の正体 八州廻り桑山十兵衛のKindle版

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