コンプレックス文化論

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 388
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906829

作品紹介・あらすじ

ミュージシャン、俳優、小説家、芸術家、デザイナー……カルチャーを生み出す当人は、なぜ、その表現活動を始めたのか。「それしかできることがなかったのさ」と気取ったり、「モテるためかな」とはにかんだりするかもしれない。しかしその本当の理由は、自分自身のコンプレックスに潜んでいるのではないか?「コンプレックスが文化を形成してきたのでは」と仮説を立てた著者が、コンプレックスに向き合って、数々の文献を読み解きながらしつこく考察した評論集。その仮説を裏付けるべく、コンプレックスを「キャラ」や「欲」に変えて活躍しているミュージシャンやアーティストなど10名へのインタビューも収録。天然パーマ、背が低い、下戸、ハゲ、一重(ひとえ)、遅刻、実家暮らし、親が金持ち ……だから生まれたものがある!第1回「天然パーマ」ミュージシャン 有馬和樹(おとぎ話)第2回「下戸」ミュージシャン 澤部渡(スカート)第3回「解雇」ハイパー・メディア・フリーター 黒田勇樹第4回「一重(ひとえ)」アイドル 朝倉みずほ(BELLRING少女ハート)第5回「親が金持ち」クイズ女王、昆虫好きの現役慶応大生 篠原かをり第6回「セーラー服」イラストレーター 中村佑介第7回「遅刻」デザイナー・ソラミミスト 安齋肇第8回「実家暮らし」現代美術家 泰平第9回「背が低い」ミュージシャン 鈴木圭介(フラワーカンパニーズ)第10回「ハゲ」臨床心理士 矢幡洋

感想・レビュー・書評

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  • それぞれコンプレックスを持つ人(?)へのインタビューが面白い。

  • 天然パーマ、背が低い、一重、親が金持ちといった10種類のコンプレックスについて、武田砂鉄の論考、当事者インタビュー、インタビュー後の再考という構成で作られた本。
    「遅刻」のインタビューが秀逸すぎる。

  • 面白かった!
    次々と畳みかけるように繰り出される皮肉とユニークな発想。
    エンタメ本でありながら、世間で無意識に前提とされていることに一石を投じる部分も。

  • コンプレックスをバネにしている、どこかで昇華させた人々のインタビュー集。
    武田砂鉄が好きだから読んだが、インタビューがメインだったため、そんなに好きではなかった。一つだけ、「遅刻」に登場した安斎肇は面白かった。

  • コンプレックスが文化を形成してきたと仮説を立てて、10個のテーマを掘り下げていく。コンプレックスを糧にしている芸能人インタビュー章が考察の間に挟まっているのも面白い。特に安齋肇さんが出ている遅刻章が最高。

  • 単に面白がっているわけではなく、
    ちゃんと当事者とインタビューで話を深めていったりと、
    興味深い本。
    面白おかしい文章で(たまにやり過ぎ感)読みやすい。
    理解できる、と簡単に言えない問題だけど
    関係ないと知らないでいたことを、知るという意味で、
    大事な本だと思う。
    安齋肇の「遅刻」の話は、「悪いと思っている」と言われても
    なんだかよく分かんなかったが。

  • 思索

  • 【投票者イチオシ】武田砂鉄さんのフランクな語り口と鋭いつっこみが笑いを誘う、疲れた時にぴったりの本だと思います。https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001133519/?lang=0

  • あとがきが良かったです。

  • 平成29年11月発行のYAだよりで紹介された本です。

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著者プロフィール

1982年、東京都生まれ。出版社勤務を経て、2014年よりライターに。近年ではラジオパーソナリティーも務める。
『紋切型社会――言葉で固まる現代社会を解きほぐす』(朝日出版社)で第25回Bunkamuraドゥマゴ文学賞などを受賞。他の著書に『日本の気配』(晶文社、のちにちくま文庫)、『マチズモを削り取れ』(集英社)などがある。

「2022年 『べつに怒ってない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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