- Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163907284
感想・レビュー・書評
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えぐいね。この作品。
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面白かったけど難しかったな。岩手の川の自然の描写が壮大だった。濃密で。大きなものの崩壊に心を奪われてしまう日浅。「わたし」の釣り仲間だった日浅。岩手の唯一の友人だった日浅。突然会社を辞めた日浅。ノルマが足りないからと知人をまわって契約をとりつける日浅。学歴を詐称していた日浅。
「わたし」はひとりで釣りを続ける。
でんこう-えいり【電光影裏】
人生は束の間であるが、人生を悟った者は永久に滅びることがなく、存在するというたとえ。▽「電光」は稲妻のこと、「影」は光の意。「電光影裏春風を斬きる(稲妻が春風を斬るようなもので、魂まで滅し尽くすことはできない)」の略。中国宋そうの僧祖元そげんを元げんの兵士が襲って殺そうとしたとき、祖元が唱えた経文の一句。 -
わたしは すきな話だった。
それぞれの映像が目に浮かぶようで、
西山さんの人となりも想像できるし、
「次の人」のエピソードなんかもすごくよくわかるし、
独りで生きることを続けてきた者にはグッとくる作品になっていると思う。
ザーッとほかの人の感想見たけど、
そうか低評価の方々は、マジョリティ側として生きることの多い方なんじゃなかろうか。
それならば、この圧倒的孤独は、
たぶん、わかることのない痛みなのかもしれない。 -
文藝春秋に選評とともに掲載されているものを読みました。
きれいな自然の描写や生き生きとした釣りの様子がありながら、どこか不気味な人物の言動が描かれていたり、重大そうな要素がさらりと書かれていたりして、物語の雰囲気を感じとっているうちに最後まで一気に読めてしまう作品でした。なるほど純文学、なるほど芥川賞と思わされます。人によっては受け入れづらかったり読みにくかったりするでしょうが、こういった作品が好きな人も間違いなく多いはずです。
おもしろいなと読んでいながらも、こんな文章を書ける沼田真佑さんに嫉妬してしまうくらいに魅力的な作品でした。続編、もしくは新作も読んでみたくなります。 -
影裏
著作者:沼田真佑
発行者:文藝春秋
タイムライン
http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
大きな崩壊を前に、目に映るものは何か交差する追憶と現実
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文學界で読んだが、単行本でも。
文体と風景が大変好みです。