- Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
- / ISBN・EAN: 9784165070801
作品紹介・あらすじ
遊牧の民の子。少年の名は"望"という。苦難のすえ商王朝をほろぼした人である。その波瀾の生涯を雄渾な筆でえがきつくす、全三巻。感動の歴史叙事詩。
感想・レビュー・書評
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『王家の風日』では敵側のサブキャラとして暗躍が描かれていた太公望。
その少年期、後の武王から一族を滅ぼされ逃亡する場面から、最終的に周と共に武王を倒し自らも国を興すまでを上中下三巻で描いている。
上巻が最もドラマティックで神話性に満ちた描写になっていて、後にはほとんど見られなくなる苦難の連続で感情移入もしやすい。
黄金に輝く謎の喬木の下で命を救われたり、洞窟に独り暮らす老師の下で二年以上もひたすら月を切る修行をしたりと・・・。
その間に何度も生命を脅かされ、その度に不思議なチカラで守られたり不屈の精神と人並み外れた智力で乗り越えていく様はまさに物語として秀逸。
特に上巻で印象的なのは、この時代を代表する三英傑である、箕子、鬼公、土公の会見に望が立ち会うシーン。
緊張感がありつつも、英雄同士の威厳と余裕に溢れた会話の展開に痺れる。
しかし、残念なことにその後はこの物語ではその三人はほとんど活躍が描かれなくなってしまう。
中盤以降はまさに暗躍に次ぐ暗躍で、東奔西走していく。あっちで案件まとめて、こっちで次の仕込みをして、その間に勉強して、部下を適宜配置しつつ育成し、さらに次の案件、な具合で商王打倒のために打てる手を全て打っていく。
他の者たちとは違い、一歩半先を見据えていると評される知識と先見の明で、もはや苦難らしきものもなく、どうせうまくいくんでしょう、と読者としては一歩引いて客観的に読み進めるしかない状態になってしまうのは残念。
もう少しコンパクトに収めた方が小説としてはまとまったものになったんだろうなと。あまりにも雑多に小さな国や事柄が出過ぎるし、古今東西の歴史書の描写を集めた資料集的な風合いが強すぎるので。
とにかく勝つか負けるか天の運というのではなく、勝つことをただ確かめるだけという状態にまで持っていって、慎重に誠実に事を為すことによって、五百年間も誰も成し得なかったことが達成できるのだと、そういう教訓を得たような気はする。
まだ不遇の時代に妻の逢青が妊娠し、子が産まれこのままここで一生豊かに暮らしていけるかもしれない、しかし商王長を倒すためには旅立たなければならない。そんな矢先に妻が亡くなり呆然とするあたりが、物語としてはクライマックスとも言えるかもしれない。
2015.06.12詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
太公望は色々な本に登場するが、いつも
「文王が釣りをしている太公望を召し抱えた」
ところから始まる。
この本は、釣りをするまでがメインであった。
いや~面白い! -
太公望 上巻
名前だけは知っている太公望のお話し。
少年時代の話がメインになっている。
中・下に続く -
封神演技を読んでから、「元の話はどんなものなのだろう」と手にして読みました。漫画とは全然違いましたが、凄い面白くってどんどん読み進めれました。というか、太公望天才過ぎます。
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やばいですね。
すっごい、面白いです。
三国志が好きな人などに、オススメです。
でも、この時代の背景というのが、紀元前1000年ぐらいのお話ですが、こんな頃には国家というものがすでに存在し、戦争や建築など行っているのが驚きですね。
ちなみに日本は、縄文時代の頃です。
この話に出てくる商という国家が、当時は物々交換をなりわいとして、始めたそうです。
そこからできた言葉が、「商業」という言葉。なんですって。 -
2001/8/27読了
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<上中図書館にて借りる>
商(殷)の受(紂)王を滅ぼし、後に法家の祖・菅仲が宰相として活躍する斉の国を作った人。
1人の遊牧民の子どもが成長していく中で、ちょっとたとえが違うけれども、
わらしべ長者みたいに、縁が縁を呼んで大国を滅ぼしてしまうまでの力を獲得していくのですね。
なのに釣り好きの代名詞ってところがなんとも庶民的でいいです。
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若い太公望が大活躍!!
「封神」の望ちゃんの容姿で楽しめます。 -
2008/8 再読