隣の女・男どき女どき[小説] 向田邦子全集〈新版〉 第三巻

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166417001

感想・レビュー・書評

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  • 向田さんの短編はどれも本当に面白い。

  • 向田邦子は無条件に良い。

  •  『隣りの女』と『男どき女どき』の小説作品を収録。

      「隣りの女」
      隣りの女
      幸福
      胡桃の部屋
      下駄
      春が来た

      「男どき女どき」
      鮒
      ビリケン
      三角波
      噓つき卵

     この作者の「退屈だが永続すると思われた平穏がふと破れ、自分が不穏の直中に在ることに気付く」瞬間の描写は巧みで、嫌味が無い。普段は隠している人の醜い部分が発露しかける場面は、読者全てに当て嵌まりそうな既視感や普遍性すら感じる。本書では「三角波」がお気に入り。

  • 「春が来た」が切ない。
    弱さ、かっこ悪さ、ばつの悪さ、やるせなさ。
    愛しくもあり、きゅっと胸が痛くなる。
    自分の経験からもどこかしらに共感を覚えつつも、だからこそ思い出したくないような触れられたくないような痛みがちくちくと刺さる。

  • 先の全集二冊よりも円熟味を増していた。いや円熟というより色艶といったほうが正しいかもしれない。
    今回は「下駄」、「ビリケン」を抜かした全ての作品が恋愛をテーマに据え置かれ、特に表題作「隣りの女」にはどきりとさせられた。
    向田作品は学生時代に好んで読んでいたが、じつは怪しげな大人の世界に魅かれて読んでいたのではないかとふと思った。

  • 向田さんの書く物語は一見してごく普通の日常の中に
    淀んでいる空気が、ひょんなきっかけ(のように見えて、毎日うつろに積み上げられたものの崩壊であったり)で露見したり、人をつっついたりする。ギクッ。 中断

    隣の女
    幸福
    胡桃の部屋
    下駄
    春が来た


    ビリケン
    三角波
    嘘つき卵

  • 「見栄はらないような女は、女じゃないよ」
    向田邦子が登場人物に吐かせることばのこの小粋さ。
    一見、何気ないのだ。だがこの何気なさを台詞に託し、
    こうも見事に物語をつくりだすことのできる人はなかなかいない。

    どの作品も粒ぞろいで、女が女として生きながら抱える哀しみと
    やるせなさに満ちている。そう、だからわたしは向田邦子を読むのだ。
    何度も、何度でも。

  • 2009.09.30.

  • 向田邦子の描く女の人は好きだ

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著者プロフィール

向田邦子(むこうだ・くにこ)
1929年、東京生まれ。脚本家、エッセイスト、小説家。実践女子専門学校国語科卒業後、記者を経て脚本の世界へ。代表作に「七人の孫」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」。1980年、「花の名前」などで第83回直木賞受賞。おもな著書に『父の詫び状』『思い出トランプ』『あ・うん』。1981年、飛行機事故で急逝。

「2021年 『向田邦子シナリオ集 昭和の人間ドラマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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