- Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166601400
作品紹介・あらすじ
たとえ脳死と宣告されても、心臓が鼓動をきざみ、肌は温かいのに治療を止めるのは忍びない。他方、一日千秋の思いで臓器の提供を待ちわびる患者たち。その両者の立場と痛みを知る著者はまた、日本における、いわゆる脳死立法の波乱の十余年を終始ウォッチし関わってきた。法の見直しが叫ばれる今、改めて、一九九七年に制定された臓器移植法の理念と、その成立までの対立点を明確にし、真の患者のプライバシーとは何か、日本人の死生観とは何かを問う。
感想・レビュー・書評
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一九九七年に制定された臓器移植法の理念と、その成立までの対立点を明確にし、真の患者のプライバシーとは何か、日本人の死生観とは何かを問う。
ついこないだ改正臓器移植法が施行され、今さら興味を持ちました。この改正で本人の意思が不明でも、家族の承諾で提供できてしまうということを改めて実感し、この本が書かれたのは10年前なので時代は違うのかもしれないけど、でも本人の意思なしで提供できてしまうという事実に恐怖すら覚えてしまった。これほど「患者の意思」が大切だと叫ばれているのに、これでいいんだろうか。家族を信用している、していないの問題じゃない。医療の側が常識とズレてるんじゃないか、もし取り返しのつかないことになったら・・・そんなことを考えると臓器提供を自分はできないかもしれない。あと、法改正のとき何も考えず国会を見守っていた自分の惰性を強く恥じた。無知・無関心が一番ひどいこと。反省。 -
読みにくいが、臓器移植法制定までどんな議論があったか、法案成立過程がよくわかる。「このことは前の本読んで」の姿勢が読みにくい原因だと思う。もったいない。