伝書鳩―もうひとつのIT (文春新書)

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著者 : 黒岩比佐子
  • 文藝春秋 (2000年12月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166601424

伝書鳩―もうひとつのIT (文春新書)の感想・レビュー・書評

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  • 【目次】
    1. 忘れられた鳩通信
    2. 鳩通信の発祥
    3. 軍用鳩の活躍ー第一次世界大戦まで
    4. 軍用鳩の活躍ー第二次世界大戦から現代まで
    5. 新聞社・通信社の鳩便
    6. 様々な鳩通信
    7. 通信から鳩レースへ
    8. 鳩の特殊な能力

    【概要】
    鳩通信について、軍事技術として生まれ、民間技術、そして娯楽へと移り変わる歴史を、丹念な取材でたどりつつ述べた本。

    【感想】
    伝書鳩など無線技術が生まれるまでのローテクとばかり思っていた僕には、目新しいエピソードがたくさん。
    第二次世界大戦でも活躍したどころか、新聞のスクープ合戦の一翼を担っていたり、牛の人工授精用精液の運搬に一役買っていたり、なんと1990年代までスイスに伝書鳩部隊がいたなんて!
    どれもこれもとても面白い内容だった。

    一方で、動物愛護の観点や、野生化したドバトによる鳩害などについては少し触れるだけで、あまり説明されていない。

    動物の異能の活用や、動物愛護の実態について、少し調べてみよう。

  • サブタイトルの「もうひとつのIT」というのが引っかかって読み始めてみましたが、もちろん昨今のコンピュータ的なITではなく、生物「鳩」が主役のインフォメーション(ロー)テクノロジー。

    伝書鳩といえば、せいぜい新沼謙治ぐらいしか思いつかなかった私ですが、これを読むと相当歴史深く奥も深い。インターネットのハシリは軍事目的。伝書鳩の発展に関しても然りで、インフォメーションテクノロジーと名の付くものはやはり戦争が重要なファクターとなってんだなぁと思った。鳩といえば「平和の象徴」なんですけどね。
    しっかりと調査され事細かく伝書鳩に関して書かれている分、昔の話題が多いので時代背景やら人物の多さやら難しい単語やら何やらかんやら・・・少々私には難しかった。若干そんなところはサラサラーっと読み流しつつ。
    冒頭で「ローテク」とは言ったものの、生物であるが故にいろいろな研究・実験・訓練が成されてきた様子。ある意味生物学はまだまだ未知の世界。その意味ではハイテクノロジーなのかもしれない。

    結局読了後の感想。「鳩・・・すごいな。」この一言に尽きる。

  • 『シートン動物記』などで知識としては知っていても、なかなか現実感のない伝書鳩。意外に最近まで使われていたようで、本書の副題に「もうひとつのIT」とあるように、確かにひとつの通信手段だった歴史をもつ。最後まで利用していたのは新聞社などの報道機関だが、様々なIT技術に同じく、「民生利用」に至るまでは、戦争がこの技術発展の後押しをしてきた。今となっては「平和の象徴」であるのは皮肉すぎる。
    もっとも、現代の通信技術と決定的に異なるのは、純粋な情報を運ぶのではなく、微小とはいえ物理的なモノを運べることで、緊急時の輸血に利用されたり、冷凍技術が無かった頃には、牛や馬の精液を迅速に運ぶ手段として活躍した時期もある。
    実用的に使役させられて鳩たちは、成績優秀な個体ほど度重なる激務故に短命で、逆に成績の悪い鳩は、セレモニー等で「緩い」仕事だけが与えられたというので、示唆的な話だ。
    その運動能力と帰巣能力は、現代では鳩レースという形で受け継がれている。

  • 伝書鳩には夢がある

  • 感想未記入

  •  切り口がおもしろい。
     好きなものだけを、おいかけている。黒岩さんらしい。そして、おそろしく、ひつこい。こんなすげぇ物書きになると、正直思わなかった。
     惜しいひとを亡くした、とこころから思う。

  • うわー興味ねぇ!伝書鳩。
    あと、伝書鳩にまで使われてしまうITという言葉の脇の甘さが素晴らしい。

  • 鳩を使役しなくても済む社会が平和で一番いいのだけれど、不慮の事態に備えて伝書鳩の伝統は絶やさないほうがいいんじゃないかと、思ったりもします。新聞社は鳩を飼う社員に報奨金を出したらどうかな、どうかな??

  • いっやー面白かった!内容はもちろん知らないことばかりで新鮮だし、エピソードは豊富だし、文が実に読みやすい。
    日比谷公園にたむろしている土鳩たちは、実はかつて新聞社で活躍していた伝書鳩の末裔ではないか、と疑問を抱いた著者が、丹念な取材で伝書鳩を解き明かす。
    戦時中やら関東大震災やら新聞記者のフィルム運びやら、思いもかけずいろんなところで役に立っていたんだな、鳩。
    人間の役に立つ動物(家畜としてでなく)には馬と犬と鳩がいるが、このうちの鳩だけは飼い主への忠義ゆえに働くのではない。鳩が数千キロも飛んで家に帰るのは、ただご飯が欲しいから、愛する家族のそばにいたいからだ、というあたりでなんとも言えず切なくなった。
    あと最後のところでそうくるとは思わんかった。

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