宮廷文学のひそかな楽しみ (文春新書 202)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166602025

作品紹介・あらすじ

清少納言がシナリオ作家なら、紫式部はミステリー作家。「弁内侍日記」に登場する、貴公子と女房の打々発止のいたずらごっこ。南北朝の政争に翻弄された光厳院の、深く哲学的な歌。宮廷の人びとの生活と心情を味わい深い文章で描きだし、これまでの研究で見落とされてきた諸問題を解きあかしつつ、古典を敬遠しがちな現代の読者に、王朝文学の面白さを堪能させる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 最初の「はいぶし」の話でガッツリ掴まれてしまった。おおお、そう言われれば…っっ!昔のおばあちゃん達はこんな風にものを食べていたような記憶が…薄っすらとある気がしてきた(笑)。女性ならではの…というよりは、宮家にうんと近かった人ならではの視点かな。
    あとは『讃岐典侍日記』。「ほ文字のり文字」の鳥羽天皇ね。なんてラブリーなんでしょう。こんな一面を後世の我々にこっそり伝えてくれる、女流日記文学の真骨頂だわ。

  • 名著です

  • [ 内容 ]
    清少納言がシナリオ作家なら、紫式部はミステリー作家。
    「弁内侍日記」に登場する、貴公子と女房の打々発止のいたずらごっこ。
    南北朝の政争に翻弄された光厳院の、深く哲学的な歌。
    宮廷の人びとの生活と心情を味わい深い文章で描きだし、これまでの研究で見落とされてきた諸問題を解きあかしつつ、古典を敬遠しがちな現代の読者に、王朝文学の面白さを堪能させる一冊。

    [ 目次 ]
    「枕」と「源氏」の新発見(「はいぶし」物語;シナリオ作家清少納言;ミステリー作家紫式部;サクラ読本の「源氏物語」;みそっかつの花散里)
    宮中の人びと(男をさへぞ打つめる;「萩の戸」のふしぎ;四つの緒の調べ;はだかぎぬ)
    日記の真髄(ほ文字のり文字;みめほしきつとめて;霜・雪・霰;つれづれなるままに)
    和歌の変遷(歌合三種、生中継;花は盛りに;月はくまなき;ともしびの連作)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 中世女流日記研究者の著者が枕草子(中古女流文学)に表れた「はいぶし」の謎を解く様は、大変あざやか。専門性よりたしかな目?

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著者プロフィール

大正15年3月、東京生まれ。昭和20年3月、女子学習院高等科卒業。鶴見大学名誉教授。文学博士。
著書に、『京極派歌人の研究』(笠間書院 昭49年)『あめつちの心 伏見院御歌評釈』(笠間書院 昭54年)『京極派和歌の研究』(笠間書院 昭62年)『木々の心 花の心 玉葉和歌集抄訳』(笠間書院 平6年)『玉葉和歌集全注釈』全四巻(笠間書院 平8年)『宮廷に生きる 天皇と 女房と』(笠間書院 平9年)『宮廷の春秋 歌がたり 女房がたり』(岩波書店 平10年)『宮廷女流文学読解考 総論中古編・中世編』(笠間書院 平11年)『永福門院 飛翔する南北朝女性歌人』(笠間書院 平12年)『光厳院御集全釈』(風間書房 平12年)『宮廷文学のひそかな楽しみ』(文藝春秋 平13年)『源氏物語六講』(岩波書店 平14年)『永福門院百番自歌合全釈』(風間書房 平15年)『風雅和歌集全注釈』全三巻(笠間書院 平14・15・16年)『校訂 中務内侍日記全注釈』(笠間書院 平18年)『文机談全注釈』(笠間書院 平19年)『秋思歌 秋夢集新注』(青簡舎 平20年)『藤原為家勅撰集詠 詠歌一躰・新注』(青簡舎 平22年)『岩佐美代子の眼 古典はこんなにおもしろい』(笠間書院 平22年)『竹むきが記全注釈』(笠間書院 平23年)『讃岐典侍日記全注釈』(笠間書院 平24年)『和泉式部日記注釈[三条西家本]』(笠間書院 平25年)岩佐美代子セレクション1『枕草子・源氏物語・日記研究』(笠間書院 平27年)岩佐美代子セレクション2『和歌研究 附、雅楽小論』(笠間書院 平27年)『京極派揺籃期和歌新注』(青簡舎 平27年)『為家千首全注釈』(笠間書院 平28年)ほか。

「2017年 『京極派と女房』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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