高杉晋作 (文春新書 236)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166602360

感想・レビュー・書評

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  • (読み途中)
    読みながら素直な感想のみざっくばらんに書き留めていく。
    他の高杉晋作の本との違いや、おすすめ度合い、本の構成についての評価などはしない(できない)ため悪しからず。

    激しい思いがありながらも、自分の生まれに誇りを持ち、時に悩みながら自分の在り方を模索している。
    自分の置かれた立場の中、悶々とする様は今の私に重なる部分がある。

    松陰の人の個性に目を向ける教育は、欠点に目がいき評価をしてしまう私にとって新鮮であり、必要な考え方であると思う。
    世間一般的に良い人とされる方向に促そう、矯正しようとする考え方を改める必要があると感じるが、そこには志が必要であるように感じる。
    誰のため、何のために

    自分のことだけを考えることに精一杯な私(現代人)にとって、何の疑いもなく、国を想い良くしていこうと学び、行動する姿はかっこよく、尊敬する。
    美しくすらある。

    過去に読んだ言葉が次々に思い起こされ、私の中で昇華させることができていないと感じる。

    勝者が歴史を作るとよく言うが、松下村塾生が機を見て、それぞれがなすことをなした結果、今でも眩しいほどの物語が現代に伝えられている。

    同様の本を読んでも、地元である上杉藩は登場すらしてこない。
    勉強不足でもあるが、これまで出てきた記憶もなく気になる。

    まずは高杉晋作の歴史を振り返りながら、幕末の上杉藩の動きについても学んでいきたい。

    松陰処刑までの感想。

    結婚後の彼の挫折の連続で、航海や剣術等で思うようにいかず、プライドも砕かれた。
    井の中の蛙だった自分が大海にでて、打ちのめされ、自分を思い知らされる経験は私も経験がある。
    その中で生きようとする自分と、殻を破りたいともがく今の自分に重なる。

    晋作にとって上海視察での経験が大きな転機となった。
    他国の属地となった上海を見て、日本の将来の危機を悟った。

    帰国後の長州藩のやり方は、上海を見てきた晋作にとって満足できるものではなく、志を立てたここからの晋作の行動は痛快。
    熱い想いをもって狂いながらも(からこそ?)最終的には頼りにされた晋作は痺れるほどかっこいい。

    機を見る才覚にはいつも感心させられる。

    先に勝者が歴史を作ると書いたが、半分外れていたようで、伊藤博文はじめ長州藩の若者をイギリスに送り込んでいた周布の長期的な展望、先見の明もその一端を担っていたようだ。

    時代のうねりの中、様々な人との関わりの中で、晋作が活躍する舞台が整っていく。


    晋作が武士や農民、藩すらも超えて、有志者により結成した奇兵隊。
    晋作はいつか、士と民が分かれていないアメリカ人の話を怪しんでいたが、この話も奇兵隊結成に何らかの影響を与えたのだろうか。

    思い返せば晋作には
    籠に乗ったまま関所突破
    徳川に対して征夷大将軍
    松陰の改葬時に真ん中の橋を通る等
    聞いただけで痺れる逸話が多々あるが、この本では紹介されていない。
    証拠がないのか薄いのか。
    当時の出来事に尾鰭がつく。
    これも歴史の面白さかと思う。

    白石正一郎のことまでの感想。

  • 面白き こともなき世を 面白く

    辞世の句に惹かれ好きになった高杉晋作の伝記
    保守的なのに時代を動かす姿は現代からみても参考にしたい

    小説ではないので淡々と書かれてはいるが、晋作が時代にどう飲み込まれそして時代をどう動かしていったのかがよくわかる

  • 小学校6年の時に読んだ。こんなになににも縛られずに革命をリードした日本人がいたこと。100年以上たっても日本人を魅了し続ける
    おもしろき
    こともなき世を
    おもしろく
    の句を作った男の人生に胸を打たれる。

  • 面白きこともなき世に面白く
    すみなすものは心なりけり。
    詩を作るのが好きで、海外を駆け巡りたいと願いながら、夢やぶれた高杉晋作。なんだか共感できる部分がある。

  • 今までのイメージと異なる高杉晋作でしたね。何かもっとスマートで連戦連勝みたいな感じだけど、たくさん挫折してるし、失敗して処分されることも一度や二度のことではないしね。その度に松陰の志を継ぐ思いか、立ち上がりまた画策する。
    うたを詠むシーンが多く、武家の人間らしい教養をにじませるところもイメージが事なったとこですね。
    しかし、実はほぼテロリスト。チカラで体制を変えるという思想は現代的かもしれないね。おもしろい。若い頃父ちゃんに迷惑かけまいと動かなかったのも人間らしくおもしろい。

  •  幕末、攘夷派の中心となった長州藩で奇兵隊を率いた高杉晋作の一生を追う形で描かれています。

     高杉晋作の出生から死ぬまで、当時の時代背景と共に描かれていて非常に読みやすかったし、高杉の人間らしい感じが全開で読んでいて面白かったです。
     が、その反面、高杉を中心としているためどうしても長州藩正義派に視点が集中し、幕末各藩の動向や幕府内の様子、また、長州藩内でも俗論派の見解に関しては浅かったと感じました。
     ついでに、なんとなく吉田松陰、高杉晋作をよいしょし過ぎな感じがした…まあ、著者の高杉好きが全面に押し出されているなあ、という感じでした。

     私個人として一番驚いたのは、三十年に満たない人の人生を辿っていく中で、百近い人の名前が出てきた事。
     後に活躍した人も、夜明けを迎えぬまま死んだ人も、いろんなところでいろんな思想を持って行動していたんだなあ、と。
     幕末の動乱が窺える一面でもありました。

  • 司馬遼太郎「世に棲む日々」を読んだのは随分昔だが、その当時の印象は「高杉晋作一人が騎兵隊を率いて藩全体を敵に回して回天の偉業を成し遂げた」というものであった。本書「高杉晋作」は、この印象を大幅に改めさせてくれた良書。見方によっては晋作は脇役だ。また、晋作は、藩主親子に呼び出されて一仕事して一歩身を退くと又藩主に呼び出される。この繰り返しが続いたため、晋作は本当にやりたいことを実現できなかったのか、という点が興味深い。

  • 2002.3.20 初版/2009.8.3 購入

  • 高杉の生涯を、細かく丁寧に追っている本です。
    彼の手紙や詩歌も駆使されていて、興味深かったです。

  • 一坂さん、流石です。

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著者プロフィール

一坂太郎

萩市立博物館高杉晋作資料室室長。1966年兵庫県芦屋市生。大正大学文学部史学科卒業。歴史研究家。著書『幕末歴史散歩 東京篇』『同 京阪神篇』(以上中公新書)、『高杉晋作』(文春新書)、『坂本龍馬を歩く』『高杉晋作を歩く』(以上山と渓谷社)、『司馬遼太郎が描かなかった幕末』(集英社新書)、『わが夫坂本龍馬』(朝日新書)ほか多数。

「2020年 『暗殺の幕末維新史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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