語源でわかった! 英単語記憶術 (文春新書 296)

著者 :
  • 文藝春秋
3.18
  • (4)
  • (10)
  • (19)
  • (3)
  • (4)
本棚登録 : 329
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166602964

作品紹介・あらすじ

日本人は、聴く英語となると、なぜうまくゆかないのか。また、英単語を丸暗記しても、なぜすぐに忘れてしまうのか。どうすれば、この問題を乗りこえることができるのか。これが本書の主題である。著者の提案はただ一つ、「語源にもどれ」である。しかも、たった一〇〇語程度の語源を覚えれば、日常的に必要な英単語のほぼ八割を系統的に把握できる。そして、覚えた英単語の語源が耳に響くようになれば、「聴く英語」まであと一歩だ。さあ、「山並メソッド」で、もう一度、やさしい英語にトライしてみましょう。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  印欧祖語やケルト語など、今の英語を作っている諸言語に遡って、例えば「ker[カー 核]は心臓(heart)になった」(p.67)、「sert[サー ひとつづき]に糸をつなげばsew(縫う)になる」(p.228)など、大学受験レベル以上の単語について、語源から考えるとどういう意味が出てくるか、ということを解説している。
     正直、『英単語記憶術』というタイトルはミスリーディングで止めたほうがいいのでは。結構、理解して納得するのが難しい。cad「落ちる」からcheeseという単語があるが、これは「牛乳や山羊の乳蛋白をレンネットという酵素で落として固めたものだ」(p.243)とか、そうなのだろうけど、そんなこと考えてcheeseで「落ちる」か、と納得できない。pp.51-3、keuが「囲う」で、jailは分かるとしても、人間の住居はもともと洞穴だからcaveで、そこが集会所になってchurchで、kがhになってhouseで、家に住んでいる(band)男がhusband、と言われても、結構厳しい。そもそもbandの新しい意味を覚えないといけない。変な厳密さのせいでこうなっているのか、それだったら植田一三さんの『スーパーボキャブラリービルディング』という本にあるような、例えばsp, sprで「スパーッと飛び出すエネルギー spa(スパー)と温泉湧き出る」(同書p.39)でspasm, spawn, sperm, spew, splurge, spook...とか、もっとザックリ「音で捉える」感じにした方がよっぽど「記憶術」になるのではないかと思う。万人受けするようなタイトルを本につけるなら、ある程度の厳密さは犠牲にした説明も必要なのではないかと思わせる本。
     という訳で、多分この本は、英語をある程度知っている人が知識の確認や補強に使う本で、納得できなければ素通りしてしまえばいい、くらいに割り切った方が使えると思う。おれは途中からそんな感じで読んでしまった。あと著者は英語の専門家ではまったくないらしい。趣味の世界の披露、という感じもしてしまう。penの話で、「今日では、shot penningといって、硬い球体を鋼の表面にぶつけて表層を硬くする加工技術がある。日本にはこの表面加工の機械を製作する新東工業株式会社がある。歯車の表面加工など、自動車産業や機械産業に広く知られ、この業界では世界一である。」(p.83)とあり、なんだこの説明、と思ったら著者は「新東工業㈱社外監査役」が現職だそうで、これは笑うところなのか、という。
     あとはこの本を読んで役に立った英語に関するメモ。最近前置詞に関する教材と作ったが、そこに入れとけば良かったと思った表現。pertaining to「~に関して」(p.42)、under the custody of government「政府の管理下に」(p.53)、除去のofの例文The doctor tried to cleanse the deep wound of foreign matters.「医者は深い傷を洗浄して異物を流しだそうとした」(p.95)、The mild climate of Italy cured her of asthma. 「イタリアの穏やかな気候で彼女の喘息は治った」(p.110)、of+名詞の例文Efforts to save the burning ship were of no avail.「その燃える船を救おうとあらゆる手を尽くしたがおよばなかった」(p.203)、差のbyの例文She survived her child by over ten years.「彼女は自分の子の死後一〇年あまり生きた」(p.143)など。知らなかった単語や意味。perjury「偽証」(p.79)のjuryをperで通り抜ける、というのは納得。exploitは名詞で「偉業、功績」で「開発」はexploitation(p.168)、with abandon「思い切り」(p.170)、repose「安息、横たえる、休ませる」(p.179)、lachrymose「涙にあふれた」(p.199)など。picturesqueのように「-esque(極限まで求めた)」(p.151)で終わる単語がhumoresque「楽しい」。あとは「mayor(メイヤー=市長、mayの比較級maiorより有力な、がmayorとmajorになった)」(p.212)という説明も面白いと思った。(18/10/30)

  • 英語の綴りがたくさんあるため、本の向きがしょっちゅう変わるので読みづらかった。諦めて横書きにすれば良かったのに。

  • 今までのみた語源の本は綺麗に整理されすぎて面白くなかった。この本は流れに沿って読んでいけばなるほどと分かる。自分の知識は必要ではあるけども、分かる本である。英語語源辞典がほしい…

  • 語源が、わかってスッキリした。一方、解釈が、ようわからん部分も多数。

  • 20110107
    鎌田図書館

  • 単語覚えるためにも、出てきたわからない単語の類推法にも使えます。これが他の語学にも使えたりするのでおすすめです。

  • 英単語の起源は何かって感じ。記憶術ってかんじではないような…

全9件中 1 - 9件を表示

山並陞一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×