交通事故紛争 (文春新書 302)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166603022

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  •  交通事故はだれもが望まないが、おきてしまうことがある。
     「運転者・歩行者」の別なく誰もがおこすこともまきこまれてしまう場合があるが、その時に「知識」があるのと無いのとは天地の違いとなってしまう。
     本書は、交通事故を扱う弁護士による経験書だが、簡単に読めて、それなりの知識も得ることもできる。
     しかし、やはり「できればこんな経験をしたくはない」という気持ちがあるせいか、ぽんと手を打ちながら納得する気持ちは持てなかった。「生活書」あるいは「ノーハウ本」を読んだような読後感である。
     家族が交通事故の「被害者」となり、現在もまだ事故処理が全て終わっていないこともあり、本書を手にとったが、できればこのような知識が「必要ない」状況でありたいものであると痛切に思った。
     本書は生活上必要な知識を得ることができる本ではあるが、その知識が生かされる状況を誰もが望まないことから、評価も読後感もあまり高くはできない本であると思った。

  • 交通事故の半分の側面を網羅している基調な文献である。
    水没、酒、休業補償、面積、傷跡、塀、医療調査、示談、替え玉、海外事故、量刑、保険料など、項目を見ると、かなりの事項を網羅しているようにみえる。
    コーナーストーンという考え方で、塀の補修について説明しているのは具体的でよくわかりました。
    車両の設計上の不備、道路の設計上の不備、安全法規の不備、交通安全体制の不備など、交通安全の再発防止につながるような視点がないような気がする。
    「犯罪事件や飛行機事故や医療事故でなくてよかった」
    という記載があります。犯罪事故は、被告の支払い能力により被害者に不利だということは理解できます。医療事故と交通事故は、自動車や交通体系の提供者から情報提供がないという点で、似ていないでしょうか。飛行機事故は、事故調査がきちんとして再発防止をしようとするのに対して、交通事故は事故調査が保険会社と警察だけで、自動車と道路の設計者による調査がなく、再発防止もないという点で、悲惨ではないでしょうか。
    専門家による調査と再発防止がないという点が、本書に書かれていないことではないでしょうか。交通事故紛争の最終地点だと思いますがいかがでしょうか。
    電子化されている自動車で、事故時のデータを利用者がどうやって利用したらいいかが分らないことがおかしくないでしょうか。

  • 分類=車社会・交通事故・法律・訴訟トラブル・子供・老人。03年2月。

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著者プロフィール

●著者紹介
加茂隆康(かも・たかやす)弁護士・作家。2008年リーガル・サスペンス『死刑基準』(幻冬舎文庫)で作家デビュー。他に『審理炎上』(幻冬舎文庫)、エッセイ集『弁護士カモ君のちょっと休廷』(角川書店)、同『弁護士カモ君の事件グルメ』(ぎょうせい)、新書は『交通事故賠償』(中公新書)、『交通事故紛争』(文春新書)、『自動車保険金は出ないのがフツー』(幻冬舎新書)などある。デビュー作『死刑基準』は、2011年、WOWOWでドラマ化され、東映ビデオよりDVDとしてリリースされた。『審理炎上』は、ブックファーストの2016年「絶対読得宣言!」のイチオシ本「PUSH!1st.」に選定された。東京・汐留で加茂隆康法律事務所を経営。交通事故の専門家として、テレビ、ラジオの報道番組にたびたび出演、新聞でのコメントも多い。一方、刑事事件にも情熱を注ぎ、これまでに、強盗殺人や放火の事件など、100件近い弁護を手がける。


「2022年 『密告の件、Mへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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