作品紹介・あらすじ
「べらんめエ」ばかりが江戸っ子ではない。伝統的に東京人は、小心なくらい他人に気をつかうもの。昭和の東京ことばを振り返り、下町に残る「本寸法の東京人気質」を語る。
感想・レビュー・書評
絞り込み
-
寅さんの映画に出てくるような言葉がいっぱい、今の言葉に残っていたり、惜しくも消えてしまっていたり。
意外と自分でも使ったり、自分では使わないけれど親戚の家で聞いたことがあったり、親は時々使うという言葉もけっこうあって、明治は遠くなりにけりとはいえ、一応時代が繋がっていることを感じられました。
当時のひとの話しぶりが具体的に書いてあって面白い。最後のエピソードには思いがけずぐっときた。
それにしても、なるべく古式ゆかしくきれいな日本語を使いたいものだと心がけているものの、「お疲れさまです」や「お世話になっております」をヘンテコな日本語と云われてしまうと立つ瀬がないなあ。
前者は人間の上下関係がなくなってきているということでいいじゃないと自分的にはすっぱり割り切れるのだけど、後者は云われてみれば確かにという感じで…しかし「いつもお世話になりましてありがとうございます」なんて電話に出るたびいちいち云ったら、今時のひとはちょっとびっくりしちゃうわ。
これからは「お世話になっております」と云うたびに、なんだか釈然としない後ろめたい思いをすることになるなあ。
いつの時代の人間だって、前の時代の人間にヘンな日本語使ってやがると思われてきたのだろうから、致し方ないことなのだけどね…。
-
-
[ 内容 ]
「べらんめエ」ばかりが江戸っ子ではない。
伝統的に東京人は、小心なくらい他人に気をつかうもの。
昭和の東京ことばを振り返り、下町に残る「本寸法の東京人気質」を語る。
[ 目次 ]
1 神田で生まれて(早い話が―江戸っ子は気が短かい?;全くの話が;有体に言えば ほか)
2 東京人の話し方(ごめんくださいまし;ごめんなさい、すイません;ごんめん蒙る ほか)
3 東京のあけくれ(おめでとう存じます;弥助;たまか ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
-
噺家さんがかいているのですが、
それもいろいろ混ざってて読みづらい。
やっぱ自分大好きな感じ。
-
東京というのは、新しいモノもどんどん生まれているのだが、なぜか古いモノもさりげなく残っている。そういう古いモノは、たとえ一度も見たり聞いたりしたことのないモノであっても、なぜか懐かしい気がするのだ。そして一番懐かしいのが、古くからの言葉と、それを話す人たちではないだろうか。そんな言葉を拾い集めた、ちょっとガンコな著者の本。
-
祖父母と一緒に暮らしていたおかげで、またまた祖母が好きだった時代劇(主に夕方の再放送)を、子供の時分によく見ていたおかげで、自分のことばとして使いこなすことはできないけれど、ちゃんと生きていることばとして実生活で聞いたことがある言い回しがほとんどでした。やっぱりじいちゃんばあちゃんは、偉大だ。
著者プロフィール
1942年東京・神田生まれ。慶應義塾大学卒業。ソニー・ミュージックプロデューサーとして、レコード、CDの録音制作を行う。六代目三遊亭圓生の『圓生百席』をはじめ、古今亭志ん朝、柳家小三治など、録音の総制作タイトルは250以上。古今亭志ん朝が唯一その高座の録音を許した。TBSテレビ「落語研究会」の解説を担当。
「2017年 『落語ことば・事柄辞典』 で使われていた紹介文から引用しています。」
京須偕充の作品