美しい国へ (文春新書 524)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166605248

感想・レビュー・書評

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  • たまたま手に入ったんで読んでみた一冊。安倍首相が官房長官だったときの本で、正直な印象として内容には物足りなさを感じました。首相の原体験・集団的自衛権についての考え方はよくわかったけれど、全体的に説得力に乏しいというか一般的な話が多く、「周りや時代の変化に合わせて日本ができていないところがあるのでこうします」というスタンスの話ばかりだなという印象でした。それは対応していけばいいと思うけど、もう少し夢の持てる内容を期待していただけにちと肩透かしでした。

  • 前々から気になっていた本。
    安保法案でまさに蛇蝎のごとく嫌われはじめた安倍さん。でも、TVで見ると穏やかだし,ユーモアもある。どんな人なんだろう。

    岸内閣の退陣を迫ったデモ隊、ロシア外交中の父の急逝、初当選の93年は自民党下野時代。政治家の孫だからこそわかる事情。米国の留学から親米すぎるのは気になるが、全共闘時代のマスコミ偏向報道ぶりって、当時も変わらんね。

    家族回帰や、教育改革、デモ隊への嫌悪、安倍晋三の原点がわかる本。第一次内閣時の直前2006年出版。

    もはや語られないけれど、やはり北朝鮮の拉致被害者を帰国させた貢献は大きい。


    改憲は別に安倍さんの持論じゃなくて、占領後の不平等な日米関係解消のために、自民党政権が目指してきたものだった。
    この人が国民に嫌われてでも勧めようとしている集団的自衛権。それが日本を救うことになるのを祈るばかりである。

    ただ少子化対策や年金問題は理想論に傾き過ぎ。
    国民年金70数万ももらえるからお得でしょって、健康保険引いたら実質月4万だったりするんだよね。このあたりの経済感覚はやはり庶民とずれてるな、という印象。

    外交問題に対する見識はやはりさすが。
    いまの野党では絶対に対処できない。それぐらいのキャリアをこの人は積んでいる。やはり首相になるべくしてなった人というべきか。

  • 前回の安倍政権の時に出版された本。2006年当時の青写真が見事なまでに実現しつつある現在、政策の意図を確かめるために読んでみました。

    一番評価されてる安倍政権の外交戦略。これが父御さんで元外務大臣も歴任した安倍晋太郎の秘書時代の経験が大きいのだろう。
    アメリカ・韓国・インド・オーストラリアなど自由と民主主義の理念を共有する国々との連携は非常に重要視されている。
    また、中国との政経分離した繋がりの重要性を指摘。


    こういう点をきちんと読むと、国の利益という視点から見れば中韓に対するヘイトスピーチが如何に愚かしいことかが分かるかもしれない。

    ただし、安全保障の項目はどうも引っ掛かる。論理のすり替えのような気がしてならない。少し引用すると、

    p66「安全保障について考える、つまり日本を守るということは、とりもなおさず、その体制の基盤である自由と民主主義を守ること」
    →この部分は安全保障の在り方を示す。首肯できるだろう。国民の生命を守るのは政府の役割、そのために主権国家は国民の生命を守るための自由と民主主義を維持すべく安全保障をきちんと行う必要がある。

    p.p.106〜107で鷲尾克巳少尉の特攻隊の話を出し、
    p108「たしかにいのちは大切なものである。しかし、ときにはそれをなげうっても守るべき価値が存在するのだ」
    同「この自由や民主主義をわたしたちの手で守らなければならない。」
    →国民はいのちをなげうってでも自由と民主主義を守らなければならない、とある。主権在民の国家にあっては、国民の生命あっての国家である。国民の生命が第一義に守られる必要があるのでは?
    →あと安全保障の方法は多岐にわたり、軍備以外にも国際協力により他国の信頼を得ることなども国際政治学的には安全保障の範疇に入るらしい(かじった程度に勉強したぐらいなので、本当はもっと沢山事例がある)。
    なので安倍さんにはこんな極端なやり方を書くのではなく、得意の外交戦略を通じた安全保障についても言及して頂きたかった。

    現在日本で暮らしてる人々には、政府がどの方向に向かっているのかを知る上でも、是非とも改めて読んでもらいたい一冊であった。

    外交戦略の部分は本当に魅力的である。この部分は現在の安倍政権でも特に重視しているところなので、一読して頂きたい。こういう本を読む際には、批判的な精神を以て読まないとただ単に流されるだけになってしまうので要注意。

  • 第一次安倍政権発足前に執筆されているが、この本と現在の言動にブレが無いのが嬉しい。
    特に年金問題については分かりやすく書かれていて、思わず応援したくなった。

  • 小見出しでコロコロと話が変わり、一貫したテーマがない。
    バカが文章を書くとこうなるのかと、ある意味良い発見だった。
    新書に出来るレベルではなく、政策云々の前に思考が足りていない。

    こんな人が総理をやっている、日本の危うさを知るためには良著。
    BOOK・OFFで100円で買って読み捨てれば良いと思う。

  • 大変読みやすい、安倍晋三さんの私小説。っぽいもの。思想はある程度理解できる。政策というほどのものは分からない。
    安倍晋三という人の考え方を知る入門書のようなもの。
    正直、政治家の書く本は「何を言っているのか分からなくて読むのを諦める」くらいの方が賢そうに見えるから困る。

  • ここに書かれた事が、ただの綺麗事に終わらないようにお願いします。どうやら僕はネトウヨのようです。安倍さんがんばって。

  • 安倍さんとは政治的に共感できる部分もあると感じているが、決定的に相入れない部分もあって、やっぱそうなんだなと改めて思う一冊。

  • 次の首相になりそうな人は何を考えているのかしらと一読。「美しい国」像はわたしが考えるものとは異なるようだ。

  • 安倍元総理の著書。安部さんが政治家として、どのような想いを抱いているのかを丁寧に綴った本。外交、軍事、教育など様々な分野に渡り、条文うんぬんではなく本来「あるべき」「理想」の形を追っている。共感できることは多々あるし、安倍さんのような想いをもった政治家がいることを嬉しく思う。

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著者プロフィール

安倍晋三(あべ・しんぞう)
1954年、東京生まれ。成蹊大学法学部政治学科卒業後、神戸製鋼所勤務、父・安倍晋太郎外相の秘書官を経て、1993年衆議院議員初当選。2003年自由民主党幹事長、2005年 内閣官房長官などを歴任。2006年第90代内閣総理大臣に就任し、翌年9月に潰瘍性大腸炎を理由に退陣。2012年12月に第96代内閣総理大臣に就任し、再登板を果たした。その後の国政選挙で勝利を重ね、「安倍1強」と呼ばれる長期政権を築いた。20年9月に持病の悪化で首相を退くまでの連続在職2822日と、第1次内閣を含めた通算在職3188日は、いずれも戦前を含めて歴代最長。第2次内閣以降はデフレ脱却を訴え経済政策「アベノミクス」を推進。憲法解釈を変更し、15年9月に限定的な集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法を成立させた。対外関係では、「地球儀 俯瞰外交」や「自由で開かれたインド太平洋」などを掲げ、首脳外交に尽力。日米豪印4か国の枠組みなど、日本の安全保障に欠かせない米欧諸国との連携の礎を築いた。2022年7月8日奈良市で参院選の街頭演説中に銃撃され死去。享年67。

「2023年 『安倍晋三 回顧録』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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