歴史のかげにグルメあり (文春新書 650)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 121
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166606504

作品紹介・あらすじ

旨い食事で接待すれば、それで政治も外交もうまくいく?ペリーの黒船以来、豪華な食事が歴史をつくってきた。胃袋と味覚の変遷でたどる、味わい濃厚な日本近代のフルコース。

感想・レビュー・書評

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  • 歴史が動く場面に料理がいかに関わったかが書かれた一冊。

  • 思索

  • 「食事は政治の手段であり、外交には饗応がつきものだ」との言葉通り、食事を通して歴史を違う角度から見れる本。
    徳川慶喜が本格的なフランス料理で各国公使をもてなしたのは意外に知られてないんじゃないかと思う。しかも大阪城で!本にはその時のメニューも載っているので、材料をどうやって集めたんだろうとか、どこで料理したんだろうとか想像するだけで楽しい。
    他にも接待が嫌いだった明治天皇の話や、シャンパンシャワーを浴びた児玉源太郎の話など、メニュー以外も面白かった。
    そして巻末の参考文献も沢山!気になった個所をさらに調べるのにとてもありがたいのです。

  • 食べることは生きること、生きることは人の暮らし方につながり、文化につながっていくと思う。

    国と国との付き合いにも、人と人との付き合いにもいかに食べること=食事が大事なのか〜面白く興味深かった。

  • 日本が近代化・欧米化を進める中、外交や社交の手段としての西洋料理を取り入れて行くにあたっての様々な努力、苦労、経験、発見、悦楽などのエピソード集。時の人を軸にして章立てられているが、グルメ度に関しては、やはり西園寺公望が抜きんでている感じ。他にも明治天皇や徳川慶喜、井上馨なんかも、興味深い話を提供してくれる。

  • 幕末から明治期の著名な人物と、その人生の中のある食卓、メニューを取り上げた本。

    来航したペリーに幕府側が饗した本陣料理の内容とか、それにどんな反応をしたかなど、普通の歴史の本では取り上げられないことも多い内容。

    『食道楽』の村井弦斎については、一冊本を書いているだけに、ここだけは伝記に近い内容。
    単なるジャーナリストだと思っていた村井が、晩年はむしろ断食にはまっていくなんて、不思議な巡り合わせだと思った。

    幸徳秋水は、菜食主義を高唱しながらも、結局肉食を絶てなかったり、別れたはずの夫人に、獄中への弁当差し入れを要求したり・・・という、妙に人間的な面に光が当たっていて、これもまた面白い。

    黒岩さんは残念ながらもう亡くなって数年経つという。
    もっとこの人の本が読みたかった・・・。

  • 第4週 2/8(水)~2/14(火)
    テーマ 「食」

    ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00174066

  • 2012/1/28購入
    2012/7/3読了

  • やっぱ偉いひとは良いもの食べてんのな。 美味しいものは、歴史を変えうるかもね。

  • 幕末~明治にかけて、様々な人物をとりあげ、それぞれの人物にまつわるエピソードとしての食事を取り上げている。
    意外に思ったのは、当時不平等条約の是正やら、中国やロシアとの戦争やらについて、きちんと国内はもとより、諸外国へも「PR活動」をしていたこと。飛行機はおろか、電話すらなかった時代に、遠く離れた国へ外交しに行くというのは、かなり責任の重いことだっただろうな・・・。

    それから、当時はもちろん冷蔵庫なんてものはなかったし、氷だって簡単には手に入らないものだったでしょうけれども、晩餐会ともなると、肉や魚も含めて、かなりのごちそうが並んでいる。これらの食材をどうやって入手して、どうやって保存していたのか、非常に気になる。

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著者プロフィール

1958年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒。ノンフィクション・ライター。図書館へ通い、古書店で発掘した資料から、明治の人物、世相にあらたな光をあてつづけた。
『「食道楽」の人 村井弦斎』でサントリー学芸賞、『編集者 国木田独歩のj時代』で角川財団学芸賞、『パンとペン 社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い』で読売文学賞を受賞。
他の著書に『音のない記憶』『忘れえぬ声を聴く』『明治のお嬢さま』など。10年間で10冊の著書を刊行した。惜しまれつつ、2010年没。

「2018年 『歴史のかげに美食あり 日本饗宴外交史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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