- Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166606900
作品紹介・あらすじ
「天声人語」のお澄ましした意見では今の日本のことは何もわからない。この世のおかしさ、うさんくささ、不思議さを、「人声」で映し出す世相コラム。それが「人声天語」。
感想・レビュー・書評
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ニートな若者たちに告ぐ、というタイトルのコラム中の文章
「各メディアでのニートという言葉の取り上げ方の多さ。そこに私はうさんくさいものを感じるのである。本末転倒な気がするのである。何か未知なものを調べていって、その結果得られた言葉(概念)ではなく、とりあえず先にキャッチーな言葉を作って流通させてしまえば、実体はそのあとでうめられてくるだろう、という安易な感じがするのだ。」
流行り言葉に作為を感じることは自分も多々あるので、この部分はうなずきながら読んだ。
他は2004年から2008年の間に起こったことについて考察している部分が多いです。当時のことを懐かしみながら気軽に読める世相コラムといった感じです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
社会
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2016年7月17日、読了。
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地元の図書館で読む。興味深い本でした。連載中は、面白いとおもっていました。残念ながら、まとめて読むと面白くない。この手のコラムには、この手のことがある。リアルタイムで読むと面白いが、まとめて読んでもと面白いものである。小林信彦さんのコラムは、まとめて読んでも面白い。リアルタイムで読むと面白いが、まとめて読んでもと面白くないものである。このコラムは、そうです。多分、時代によりそっているのでしょう。横浜中華街の話題が出ています。うまくいっていないようです。しかし、地下鉄開通により、復活する可能性があると指摘する。僕には、疑問が残ります。以前、中華街の2世、3世は、料理人しか選択がありませんでした。それに対して、選択肢は大きく広がりました。もちろん、店を継ぐ人もいるでしょう。しかし、それだけが、選択肢ではないでしょう。地下鉄は、一時的効果しかないのではないのでしょうか。そんなことを考えます。
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氏を知ったのは『慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り―漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代 』で、この一作で私にとって気になる作家になったのだが、やはりこのコラム集でも、切り口・眼のつけどころが鋭く、そして読みが深い。
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2011/11/9購入
2011/11/14読了 -
6年分の連載コラムを一冊にまとめたもの。私は、著者より五つ下の学年なので、子どもの頃、重なる経験もあるけれど(例えば街中で見た傷痍軍人)、そうでないところもあるのが興味深かったです。