評伝 若泉敬 (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166607914

作品紹介・あらすじ

佐藤栄作総理の「密使」として沖縄返還を実現した国際政治学者はなぜ長い沈黙を経て「核密約」があったことを明らかにしたのか。新たな資料と証言により、謎に満ちた生涯に迫るとともに、今なお沖縄に米軍基地を置く戦後日本の歪みを浮き彫りにする。

感想・レビュー・書評

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  • 沖縄返還交渉で密使として活動した国際政治学者・若泉敬氏の生涯を追った本。

    本書は「日本再独立」を念頭に奔走し、政治から離れた後は教育者として若者を叱咤激励した若泉敬の生涯が書かれています。

  • 1972年の沖縄返還に密使として尽力された国際政治学者、若泉敬の評伝。
    具体的な事績よりも、この2019年の今にも通じる若泉敬の透徹した視点には驚かされる。

    ・「吉田路線」がそのままの形で続くならば、やがて日本人の独立心は崩れ去り、したがって「吉田路線」は有効でなくなる。他方、サンフランシスコ講和条約と日米安保条約との組み合わせが「吉田路線」の基礎であったとすれば、その「宿題」として残された領土返還や共産主義下の中国との関係といった問題への答えは、「吉田路線」自体からは出てこない。(p.36)

    ・日本には増大した国力に応じた国際的責任が求められているのに、現行(1972年当時)の日米安保体制はむしろそれを果たせない日本を前提にしており、なおかつ、日米安保を基軸とする以外の安全保障はなかなか実際的ではなかった。しかも、人々はその状態に馴れつつあるように見えた。(p.225)

  • 未知の人だったが,核兵器に対する考え方で賛同できない点が多い.
    フクシマ後の考えを聞いてみたいものだ.

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著者プロフィール

大阪観光大学教授

「2018年 『吉田松陰『孫子評注』を読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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