日本人はなぜ株で損するのか? (文春新書)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166608409

感想・レビュー・書評

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  • 投資に関わるところ、その為にしてきた情報整理法などの話は、自分の経験に照らしても正しいと感じるし、役立つことと思う。
    様々な思想家を取り上げ、これは自分の投資にも役立った、(聴衆である京大生へ)これを読むべしと紹介するのも、状況が状況だけに(元々京都大学での講演)良いでしょう。しかし、この人の読んで来たことはとても皮相的で薄っぺらい。それが暴露してしまうのが、第6章の「スイスはなぜ中立を保てるか」の部分。プライベートバンクがスイスの安全を守ったと書いているが、事実は逆だ。ハプスブルグ家の支配から独立を果たして以来、スイス傭兵はヨーロッパ最強の評判を勝ち得てきた。天然の要害たるアルプス山脈とスイス兵の組み合わせこそが、プライベートバンクの安全を担保したからこそ、ヨーロッパ中の上流階級の金が集まった。
    第二次大戦でも、スイスは中立を守るため、仮借ない様々なことをやってきた。亡命を希望するユダヤ人は、基本的に全て追い返した。なぜならドイツの工作員が紛れ込むかもしれないから。国内でも親ドイツ、親イタリア分子は目に付かぬように粛清していった。スイス国鉄職員は武装して業務を行い、国境のトンネルはいつでも爆破できるように準備した。ここまでしてようやく中立を保つことができたのだ。ファンドマネージャーというのは、歴史に無知でも勤まる、お金のアルチザンであることを意図せず本人が証明したようなものだ。(笑

著者プロフィール

ふじわら・のりゆき/1959年、大阪府生まれ。一橋大学卒業後、農林中央金庫、クレディ・スイス、日興アセットマネジメントなどで累計5000億円以上の日本株運用を担当。
カリスマ・ファンドマネージャーとして、日興アセット時代には日本人として初となる個人名を関した「藤原ファンド」を主催した。
現在は作家として活動中。小説家としては波多野聖の名前で『銭の戦争』シリーズ、『疑獄 小説・帝人事件』などを執筆。藤原敬之名では『日本人はなぜ株で損するのか?』(文春新書)が話題に。現在は『週刊現代』誌上で「カネ学入門」を連載中。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスの非常勤講師もつとめる。

「2013年 『カネ学入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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