日本人はなぜ株で損するのか? (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166608409

感想・レビュー・書評

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  • 深い本。もはや哲学です。これを読んで、投資で儲けられるとかじゃなく、視座を学ぶ本。

  • 投資技術
    ノートの取り方
    思考方法:著書の紹介

    講義の形態なので平易で分かりやすい

  • かつて5000億円動かしていたファンドマネージャーが書いた本。実体験に基づいて書かれているため重みがある。日本人は「今」しか考えない人種だから株で損をしてしまうという内容である。

  • 難しい内容なのですが、話し言葉で書かれているので読みやすいです。

  •  株式の話は良く分からないので,「情報の整理」と「株価素の考え方と株式投資の心構え」をまとめる.

    ・情報どうやって整理すべきか
     情報は次元管理する.一次元情報(生の情報),二次元情報(アナリスト,記事),三次元情報(自己の理解・洞察)の3つの次元で捉える.一次元,二次元の情報を自分なりに普遍化,抽象化していく作業をして,三次元情報にしておく必要がある.
     二次元情報(記事)の整理は,項目を出来る限り細かく独立させて整理する(著者は日経を149項目に分類).必要に応じてノートに書き写す.これにより頭が整理されて,新しいアイデアが浮かんでくる.
     二次元情報(書籍,アナリスト)の入力は,同じテーマの文献を出来る限り集めて1日,2日で集中して調べる.また,同じテーマについて3名のアナリストと個別の会議を設定して,そのテーマの情報を一気に浴びる.

    ・株価素の考え方と株式投資の心構え
     株価を4つの要素に分ける.原理の過大評価(+),原理の過小評価(-),内的否定(-),外的否定(-).ポジティブ(+)が1つ,ネガティブ(-)が3つ.『良い』がさらに良くなっても株価は大きく上がらない.『悪い』が良くなると大きく上がることがある.『悪い』の要素の変化が何をもってどのように起きるかを整理しておくことが必要.
     『安く買って高く売る』という当たり前と思える考え方を捨てる.株には満期がなく,無限の成長の可能性を持つ.従って,その企業の成長の可能性を整理することが重要.

  • 201204読了
    ファンドマネージャーの京都大学での講義を本にしたもの。情報処理の章が実践的に役にたった。マンダラートアプリを購入。

    京都大学の講義
    『株式運用。アクティブ・ファンド・マネージメントとは何か』
    が元

    ファンド・マネージャー 藤原敬之
    農林中央金庫
    野村投資顧問
    クレディ・スイス
    日興アセットマネジメント
    藤原オフィス・アセットマネジメント

    <株式アクティブ運用は総合科学の実践場>

    パッシブ運用 株価指数に連動
    アクティブ運用は指数を上回ることを目指す。

    トップダウン
    ボトムアップ

    マクロ 景気や金利動向
    セミ・マクロ 業界の環境
    ミクロ 個別企業の活動内容

    自然工学アプローチ
    数値分析+要素分解→再現性

    社会科学アプローチ
    社会現象の中から価値を認識し、抽象化・普遍化する。
    構造的アプローチ

    <情報をどう処理するか>

    Q 人間は生まれてから死ぬまで何をしているか。
    A 情報の処理

    情報整理のコツは
    細分化と集中

    ある項目について徹底的に理解しようと思ったときは関連する書籍を出来るだけ多く集めて集中的に整理してしまうこと。

    SBL(スクウェア・ブロック・ルーズリーフ) *マンダラート
    ノートを9マスに区切る
    真ん中に項目を記載
    下からのの字に記載

    ■情報の次元認識
    一次元情報 生の情報
    二次元情報 アナリスト情報・記事情報
    三次元情報 自分の理解・洞察
    次元間で不断のフィードバックを行うことが重要。

    ■株価とは?
    ・株価とは「株」の「価格」
    ・価格がつけられる=相対化された状態
    ・株価形成は、あらゆる相対化の総体現象だが、その相対化の途中でコミットする価値は一定ではない。

    ・株価と生産性
    ・次元株価
    ・株価を株要素へと分解する

  • 京都大学経済学部公開講座の内容を基にした本である。この本を読んで即席に株で儲けようと思ったら期待外れである。投資金融論であり、日本文化論かつ処世論である。
    「物の本質を突き詰めたいという人は、是非、小林秀雄をしっかり読んでください。」 気に入った。小林秀雄を賞賛する人につまらない人はゐない。筆者は小林秀雄を読むと性格が悪くなり、友達から嫌はれると言ふが。
    記憶に留めるべき名言が散りばめてられてゐる。「情報のやり取りというのは、インサイダー情報の交換ではない。『切り口』の交換が本当の情報交換だ。」「株価を見ずに株を見る。」「『投資による安全保障』という認識、日本の政治家はこの事を全く理解していません。」「この世の最高の道楽は学問だ」

  • ブログで紹介してます。
    http://kumafx.seesaa.net/article/258448635.html

    一言いうなら、著者はでかい人です。
    身長のことじゃないよ。

  • 投資に関する本ではあるが、なにより「情報の処理」について実践的な方法を教えてくれる本であった。マンダラートの活用に代表されるように、いかに情報を細分化し、分析していくかということを、著者が追求している様がよく伝わってくる。また、分析を行うにあたっての教養の重要性を改めて認識させられる。

  • 著者曰く、「人間は生まれてから死ぬまで何をしているか、5字以内で・・・」
    正解は「情報の処理」。とのこと。
    株価とは何か?という話のみならず、情報の処理の仕方、
    情報の次元認識。
    一次元情報:生の情報 
    二次元情報:記事情報 
    三次元情報:自己の理解・洞察
    →次元間の普段のフィードバック(差異認識)こそが重要。
    など、株の話のみならず、情報処理の仕方、貨幣の歴史のさわり等
    情報をインプットする際の注意点、整理の仕方など参考になった。
    メガトレンドを考え、情報を整理し、独自のトップダウンで運用を考えた著者の考え方は過渡期の世の中の情報整理の仕方にも応用でき、もちろん個人投資家が株式市場と向き合う際にも役立つ本であると思う。

著者プロフィール

ふじわら・のりゆき/1959年、大阪府生まれ。一橋大学卒業後、農林中央金庫、クレディ・スイス、日興アセットマネジメントなどで累計5000億円以上の日本株運用を担当。
カリスマ・ファンドマネージャーとして、日興アセット時代には日本人として初となる個人名を関した「藤原ファンド」を主催した。
現在は作家として活動中。小説家としては波多野聖の名前で『銭の戦争』シリーズ、『疑獄 小説・帝人事件』などを執筆。藤原敬之名では『日本人はなぜ株で損するのか?』(文春新書)が話題に。現在は『週刊現代』誌上で「カネ学入門」を連載中。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスの非常勤講師もつとめる。

「2013年 『カネ学入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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