ごきげんな人は10年長生きできる ポジティブ心理学入門 (文春新書 851)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166608515

作品紹介・あらすじ

ポジティブ心理学では幸福と健康の関係を科学的に検証している。例えば幸福感のある人は不幸せな気持ちの人よりも心血管疾患リスクが低く、長生きすることが分かっている。最新の研究成果をもとに、「病は気から」の実例と実践法を紹介する。

感想・レビュー・書評

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  • 抗加齢医学(アンチエイジング)にも専門を広げている眼科学の権威が、科学的に幸福と健康を読み解いている本。ポジティブ心理学というものがどういうものかを知るには、読みやすくてよい文献だと思います。ただし、私自身はこの本を読んいる間、ずっと思考の渦に飲み込まれてモヤモヤしました。

  • 特に印象に残った言葉

    ①『同じ出来事を経験しても、人によって受け止め方は千差万別。人によって一番大きな差がつくのは、楽しい出来事よりも辛いこと、嫌なことを経験した時。
    そこで後ろ向きになるのか前向きになるのかで、その後の生き方そのものが変わる。』


    ②『他人との比較によって自分の幸せを感じる?
    比較のジレンマから逃れるために仕事や人間関係による幸福度を高めることが大切』


    ③『幸せも不幸も伝染する。まずは自分自身がよりポジティブに幸福になること。』


    ④『不満には感謝で対抗。物事をどう捉えるか。悲観主義は気分だが、楽観主義は意志』


    感想
    ①、④については、うまく行かないとき、困難なことに直面したとき、嫌なことに遭遇したとき、どう感じるか。一瞬ネガティブな感情が襲ってくるかもしれないけど、そこでポジティブな感情を持てるか。
    「うまく行かなかったからもうあきらめたい」と考えるのか「失敗できたから、次は成功できるぞ」「失敗をさせてくれてありがとう」と考えるのか。
    筆者も言うように考え方一つで次のアクションが全然変わる。
    ものごとの考え方は一長一短には変えられないけど、一つ一つの出来事を前向きに捉える習慣を意識的に作ることで、前向きな考え方の習慣ができ、前向きな生き方ができるようになると思う。
    会社の社長も「うまくいかないときにどうするか」そこにその人の価値が現れるし、それを子どもたちに教えることが教育の本質だと言っていた。
    自ら実践していてこそ、伝えられるものがあると思う。
    イチロー選手の「全くミスなしでそこにたどり着いたとしても深みは出ない。遠回りってすごく大事。無駄なことは結局無駄じゃない」という言葉が好きなのだけれども、この言葉にもそういった、「うまく行かない時の大切さ」を教えてくれている気がする。
    「なんでこんなことやってるんだろう」とか「全然結果につながらない」とか思うことってよくあるんだけど、イチロー選手の言葉にはとりあえずやろう!という気持ちにさせてくれる。

    ②や③については、とにかく自分自身がネガティブな発言や行動を控えてポジティブな発言や行動をしていこうと思ったのと、自分自身で幸せの感情を生産して、それを周囲の人間にも振り撒いていけるようになりたい!と思った。

  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
    http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB09710425

  • ごきげんだと長生きする、は科学的に証明されている。
    ごきげんだからうまくいく。うまくいくからごきげん、ではない。

    幸せは、日常的評価と人生そのものの評価。
    日常的に幸せと感じる影響は、睡眠と上司。

    ポジティブ心理学=幸せを感じる力を高める。
    幸せな農夫とみじめな億万長者のパラドックス。
    比較のジレンマに囚われないためには、仕事、人間関係による幸福度を高める。

    満足人間になるには、人生の選択肢で絶対的な正解はないことを理解すること、自分の価値基準をもつこと。

    anthentic happiness で性格的強みを見つける。

    毎日3つの良いことエクササイズを就寝前に行う。
    ピークエンドの法則=最後の印象のほうが強い。

    怒らないこと=つまらない、退屈だ、笑わない、幸せと思わない、も怒ると同意義。
    いつも笑って、幸せと感じる訓練をする。
    小さな不満を不満と感じない訓練。
    大きな不満でも、幸せな事項を見出して感謝する訓練。
    意識的に笑顔を作る訓練。

    感謝の手紙では幸福になれない。
    瞑想によって訓練する=ご機嫌レベルを調整するレバーがあると考える。瞑想でそのレバーを上げるイメージをする。

    腹八分、オメガ3脂肪酸、ナッツ類、チョコ、を食べる。よく噛んで食べる。

    20秒ルールで最初のハードルを下げる。20秒以内に開始できるように工夫する。
    睡眠時間は長すぎても短すぎてもだめ。6.5~7.5時間。

  • 医師による幸福になるための指南書。研究結果を体系的にまとめるのではなく、研究の結果わかったことを散髪的に述べている。述べられていることが、どの程度有効なのかが疑問。
    「(修道院尼僧180人のの調査結果)約60年後、ネガティブなグループは約34%しか生存していなかったのに対し、ポジティブなグループは90%近くが生存していた」p34
    「自分より優れた人・恵まれた人が不幸になると、報酬を得た気分になる。まさに「人の不幸は密の味」なのだ」p66
    「幸せな農夫と億万長者のパラドックス」p71
    「朝目覚めたとき、今日もやることがいっぱいあると思うから、その日一日がんばれる」p75
    「一日中ほとんど一人でいる人は、心筋梗塞などの心血管疾患だけでなく、風邪にかかる確率も二倍も高まる。一人は身体に悪いのだ」p85

  •  タイトルはやや軽薄な感じがして、「春山某の『脳内革命』みたいな疑似科学系健康本かな」という危惧を感じさせる。それに、「ポジティブ心理学入門」と銘打たれているわりに著者は心理学者ではなく、医師・アンチエイジング医学の研究者だし……。

     そんなわけで、あまり期待せずに買ったのだが、読んでみたらすごくよくできた本だった。

     著者によれば、アンチエイジング医学とポジティブ心理学には強い親和性があるという。
     著者がアンチエイジングの研究を通じて感じてきたことが、ポジティブ心理学のさまざまな研究を見ると、別の方向から裏付けられている気がして「我が意を得たり」と思うことが多いのだ、と。

     そんな実感をふまえ、アンチエイジング研究の観点からポジティブ心理学の成果を紹介したのが本書である。
     ポジティブ心理学では幅広い分野にわたる研究がなされているが、本書はそのうち、健康に関する研究がおもに紹介されている。高田明和の著書に『「病は気から」の科学』というのがあるが、本書も「病は気から」に科学のメスを入れたものといえよう。

     ポジティブ心理学の世界ではこれまでにこんな研究がされていて、こんな実験結果が出ていますよ……という手際よい紹介が、最初から最後までつづく。
     池谷裕二さんの著作には脳科学の最前線の手際よいガイドブックという側面があるが、本書もポジティブ心理学のオイシイところを凝縮したダイジェスト・ガイドという趣。

     後半は「実践! 幸せになる方法」というハウツー的な内容で、よくある健康本のような軽薄なテイストになってしまっている。そこがちょっと残念だが、全体としては上出来の本。ポジティブ心理学の面白さを知るために読む最初の1冊として、オススメできる。

  • 「幸福感のある人は不幸せな気持ちの人より心血管疾患リスクが低く、長生きすることがわかっている。それはなぜか」という本。

    最高の結果にこだわり過ぎてなかなか選択できず、選択後も迷って後悔する『最大化人間』よりも、即決して我が道を行く『満足人間』のほうが幸せになれる。
    満足人間になるには、1.人生における選択に絶対的な正解はないことを理解する、2.しっかりした自分の価値基準を持つ。

    幸せになるための心のエクササイズ
    強みを活かす:自分の強みを発見したらそのうち1つを選んで1週間だけ毎日いろいろな方法で活かす
    いわれなき万能感を持とう!:ポジティブなセルフコンセプトを持つ
    毎日の終わりに3つの「今日からあったよかったこと」を書き出す。
    不満を感じたら感謝で上書きする。
    お金は、自分以外の人へのギフトか、自分への投資に使う。
    周りを助ける。
    意識的に笑顔を作る。

    メディテーション(瞑想):感情に脳がハイジャックされるのを防ぐ、3つのトレーニング
    1.嫌いな人の幸せを願う:まず家族や恋人、次に仲の良い友人・同僚、次にそれらの人の家族、次にあまり好きではない人、最後に嫌いな人の幸せを願う。
    2.苦手な相手と対峙する時、間に透明な防弾板があるとイメージする。
    3.心の中にごきげんレベルを上げ下げするコントロールレバーがあると想像し、それを意識的に上げる。

    (とっくに読了していたのに情報を更新するのを忘れていた)

  • 文字通り、長生きするための心理学を説いた一冊。

    単なるポジティブシンキング推奨本ではなく、具体的な数字に裏打ちされたものなので、説得力があった。

  • 日本人の幸福度は、「世界価値観調査」で24/57位、地球幸福度指標(英シンクタンク)で95/178位、世界幸福地図(エイドリアン・ホワイト)で90/178位。

    クリストファー・ピーターソンとマーティン・セリグマンは、宗教や文化、時代を超えて共通する6つの美徳に基づく24の性格的強みが個人を幸せにすると考え、診断ツール「VIA-IS」を開発した。

    運動は1週間90分に達するまでは、増やすほど死亡率が下がる。

  • 3

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著者プロフィール

慶應義塾大学医学部眼科学教授

「2019年 『診療で役立つ! 近視進行予防のサイエンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

坪田一男の作品

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