ビブリオバトル 本を知り人を知る書評ゲーム (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋
3.59
  • (41)
  • (98)
  • (95)
  • (19)
  • (5)
本棚登録 : 866
感想 : 148
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166609017

作品紹介・あらすじ

おすすめの一冊を持ち合い、本の魅力を紹介しあう「ビブリオバトル」。ゲーム感覚を取り入れた、新しい”書評”のかたちが今注目を集めている。シンプルなルール、そして「人を通して本を知る。本を通して人を知る」ことができるのが魅力のビブリオバトルとは何なのか? 京都大学の研究室で生まれ、今や全国大会も催されることになったビブリオバトルの誕生秘話から遊び方まで、その全貌を描いた入門的一冊。書評は読むだけのものではなく、参加するもの。読書嫌いも本好きになること請け合いだ。情報が多いネット時代だからこその、新しい本との出会いを提案する。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 東京都知事の猪瀬さんも『解決する力』の中で推奨されていたりと、
    ここ最近、意外と耳にすることが増えてきている、「ビブリオバトル」。

    ルールは至極単純で、、

     ・参加者が読んで面白いと思った本を持ち寄る
     ・順番に1人5分で本を紹介する
     ・それぞれの発表後に、参加者全員で2-3分のディスカッションを行う
     ・全ての発表終了後に、「どの本が一番読みたくなったか?」を基準に、
      参加者全員1票で行い、最多票の本を「チャンプ本」とする

    と、人と本が集まれば、どこでも誰でもできる内容です。
    ドッジボールやフットサルのようにすそ野を広げたいとは、なるほどと。

    本の魅力を伝えるにも、相手の琴線に触れないと意味が無いので、
    プレゼンやコミュニケーション能力等の「伝える力」を磨くのにも、いいなぁ、、と。

    また、定期的に開催することで、読書に対するモチベーションの維持にもなりますしね。
    実際に企業でも取り入れているところもあり、効果も出てきているとのこと。

    個人的には、ちょっと前に「西荻夕市」でやっていたのを横目で見た位なのですが、
    機会を見つけて是非一度、参加してみたいところ、、選書に悩みますけども。。

    ブクブク交換なんかとも相性がよいのでしょうか
    ビブリオに特化した朝活なんてのも面白そうかなぁ、、とも。

    そんなに大規模なものでなく、4-5名で一時間程とかでも小気味よく行けそうです。

  • ビブリオバトル、おもしろそう!
    以前から興味はあったのですが、実際にやってみたことはありませんでした。
    でも、ブクログで本の感想を書きためているものを身近な人と共有できたらもっと楽しいだろうと思っていたので、ビブリオバトルはその願望を実現するのにまさにぴったり…うしし。

    大きなイベントで実施されているイメージが強かったのですが、もともとは大学の研究室の勉強会から生まれたプレゼン合戦とのこと。
    本書を読んでいても、4~5人程度の小さなグループ単位で実施するのが気楽にできておもしろそうです。
    難しいルールはなく、小学生からお年寄りまで楽しめ、何より本を知るだけでなく「人を知る」ことができるということがいいですよね。

    第4章「広がるビブリオバトル」では、ビブリオバトルを1つの手段として、コミュニティの活性化やまちづくりに活かされていることが印象的でした。
    本の力と人の力、2つの力の相乗効果を引き出すことができるのが何よりの魅力だなぁと思います。

    もし実現するのなら、ブクログユーザさんとビブリオバトルとか楽しいだろうなぁ。
    …なんて、願望はふくらむばかり。

  •  図書館より

     ビブリオバトルとは自分の本をプレゼンしあうゲームのことです。自分がこの言葉を初めて知ったのは1、2年ほど前、確かダヴィンチで紹介されていたからじゃないか、と思います。

     この本では、ビブリオバトルの紹介はもちろんのこと、それがどうして生まれ、世間に認知されていったか、という過程も書かれています。個人的に意外だったのが、理系の教授の方の研究室から始まった企画だという事でした。

     読書って一人で楽しむ側面の強い行為だと思っていましたが、ビブリオバトルやもちろんこのブクログも、そうした一人で楽しむ読書の楽しみとは一線を画した「読書によるコミュニケーション」によって成り立つ世界だと思います。

     ビブリオバトルがこの本の最後に書かれていたように、一つの普通名詞となるまで認知されていくのかは分かりませんが、一人の本好きとしては、いろいろな形で読書の楽しみを共有できる機会が増えていくのは楽しみだなあ、と思います。

  •  「ビブリオバトル」という言葉を聞いたことがあるだろうか。バトルとつくからには戦いであり、ビブリオとは書籍を表すラテン語由来の接頭語なので、「本の戦い」、つまり「本の紹介ゲーム」である。著者が発案者となり2007年に京都大学の理系の研究室で始められたものだが、現在では大学内で、会社の研修として、中学高校の読書仲間で、公共図書館や書店などのイベントで、本好きの仲間たちが集まってと日本中に広がりつつある。公式ルールは次の通りの極簡単なゲームだ。
    1.発表者が読んで面白いと思った本を持って集まる。
    2.順番に1人5分間で本を紹介する。
    3.それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行う。
    4.すべての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員1票で行い、最多票を集めたものを『チャンプ本』とする。
     ビブリオバトルが単なる「本の紹介」や「書評の発表」と大きく異なるのは、勝敗がつくバトルだという点である。参加するからには自分の紹介する本を「チャンプ本」にしたいと思うだろう。その為には「自分が好きな本」というだけではなく「参加者の皆に読みたいと思ってもらえる本」という視点でメンバーを考慮して本を選ぶ必要がある。そしてその本の魅力を十分に伝えられるように紹介の仕方を工夫する。ただあらすじを述べるだけではとても「チャンプ本」にはできない。聞く方も自分の清き1票を投じるに相応しい本を選ぶのだから真剣になる。また、発表者は本の紹介を通して自分の解釈や考え方を述べる事になるので、その人となりが表れる。ビブリオバトルは「人を通して本を知る」と同時に「本を通して人を知る」コミュニケーションの場なのだ。
     ビブリオバトルの成り立ち、理論、社会への広がりなどを紹介した本書から、本と人、人と人を結ぶビブリオバトルが大変魅力的なものであることがわかる。ルールは簡単、費用もかからず3、4人集まればできるビブリオバトル。友達同士で気軽に楽しんでみてはどうだろうか。

  • 今年はビブリオバトル中心で仕事をしているのだもの,これは読まないと。ビブリオバトルのバイブルだからね。
    ビブリオバトルを始める時に,たにちゅー先生の論文はいくつか読んでいたのですが,やっぱり本一冊になると,まとまっていてよくわかります。
    なぜ,私がビブリオバトルいいなと思ったか。なぜ,一緒に講義している先生方が,熱心に普及をすすめるのか。
    ビブリオバトルは,大学図書館業界ではやっている「ラーニング・コモンズ」ととても親和性がある。能動的な学び,自分とは異なる価値観との出会い,という機能が共通していると思う。そして,それが今求められているからこその隆盛なんでしょうね。
    ただ,ビブリオバトルは色んな属性の人が色んな楽しみ方を見つけられるようになっているゲームであり,私のこの捉え方は大学図書館職員ならではの視点ですので,念のため。
    以前,うちの図書館で似たような書評プレゼンイベントをしたけれど,それほど浸透しなかったのは,この「ルール」を遵守する「ゲーム」性がなかったからだなあ,とあらためて思う。こういうことをうまく設計できる,というのが創造性ですねえ。
    あ,最後に一つ。ラノベ部分がなんだか,かわいかった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「自分とは異なる価値観との出会い」
      やっぱり読んでみようっと、、、
      「自分とは異なる価値観との出会い」
      やっぱり読んでみようっと、、、
      2013/08/22
  • 簡単なルールでだれでも始められるビブリオバトルですが、輪読会の欠点を補う形で作られたなど、経緯を知るとなるほど!と思います。

  • 参加者がおすすめの一冊を持ち合い、それぞれ本の魅力を紹介して票を競うゲーム「ビブリオバトル」。
    著者はこの考案者で、ビブリオバトルがどのように生まれたか、その魅力などがよくわかった。
    紀伊国屋などでやっていることは知っていたので、なんとなく取り上げられるのは小説かと思っていたのだが、もともとは大学の研究室で輪読会の本を選ぶために始めたこととわかって目から鱗。プレゼンの練習になるし、本を通してその人を知ることにもつながる。大学や企業の勉強会としては輪読より面白いのではないだろうか。

  • とても簡単で、本と人となりを知れる強力なツールだ。実例も載っているが、チャンプ本は読みたくなる。

    【公式ルール】
    1 発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる。
    (テーマ設定しても可。コミュニティ内なら自然と絞られることも。)
    2 順番に一人5分間で本を紹介する。
    (5分ちょうどでタイムアップ。早く発表が終わってしまっても何かしゃべること。メモ程度なら良いが、原稿を読むととてもつまらなくなる。)
    3 それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行う(質疑応答)。
    (批評では無く、4の投票の為の追加質問の時間。)
    4 全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員一票で行い、最多票を集めたものを『チャンプ本』とする。
    (紹介者は他の発表者の本に投票する。審査員を設定せず全員投票とすること。)

    ・大学には面白い学問があります。面白い研究もあります。ですが、キャンパス内をふらふら歩いていてもなかなか出会うことができません。そうした中でビブリオバトルは能動的に「面白い学問や面白い人に出会える場」を作っていけると思います。

    ・ビブリオバトルはルールが簡単で、他のイベントとの融合も可能なので、〇〇かけるビブリオバトルという掛け算がやりやすい。例えば、船で水辺探索×ビブリオバトル、お寺で朝のお勤め×ビブリオバトル、浴衣でバーベキュー×ビブリオバトル。

  • 持ち寄った本で「この本面白いですよ」と参加者にアピールし、たくさんの人に読ませたくさせたら勝ちというバトルで1冊本を書いてしまっている。
    すげえ。ネーミングも好き。

    読みたい本を探す手段として、ブクログの★や本屋大賞とかあるけど、友達がこれ面白いという紹介もある。
    視野をぐわって広げるにはやっぱり紹介かなあって思う。
    Amazonの「この本買った人はこれも買っています」とか趣向が偏っちゃうもんな。
    それにポチポチネットサーフィンして、本書に出てくる「「場所」論」という本に出会ったとしても題名からして手に取らない。本書からその本の内容を聞いて興味が湧いたんだけど、やっぱ本はタイトルが6割。

    「場所」論とオロロ畑でつかまえては読んでみようと思う。

  • 2013 6/19読了。Amazonで購入。
    出たと知ってすぐに買い、なかなか読み始める時間のなかったたにちゅー先生の、ビブリオバトル紹介書。
    中身はビブリオバトルの発想に至る話+ビブリオバトルの紹介+その後の諸々とかを書いていて、ビブリオバトルに至る前のあたりは「本の紹介」とかを考える上でかなり参考になりそう。
    あと、最初と最後にまさかのたにちゅー先生自らによるラノベが入っていて吹いたw
    でも、最初のライトノベルが一番、「ビブリオバトルおもしろそう!」ってイメージを伝えている気がする。これは良い物だ。

全148件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

立命館大学情報理工学部教授。京都大学大学院工学研究科精密工学専攻博士課程修了。博士(工学)。専門分野は人工知能、創発システム、コミュニケーション場のメカニズムデザイン、記号創発ロボティクス。
著書に『ビブリオバトル――本を知り人を知る書評ゲーム』(文藝春秋、2013年)、『記号創発ロボティクス――知能のメカニズム入門』(講談社、2014年)、『賀茂川コミュニケーション塾――ビブリオバトルから人工知能まで』(世界思想社、2019年)『心を知るための人工知能――認知科学としての記号創発ロボティックス』(共立出版、2020年) などがある。

「2021年 『コミュニケーション場のメカニズムデザイン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

谷口忠大の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
木村俊介
池井戸 潤
三浦 しをん
ジャレド・ダイア...
佐藤 優
榎本 まみ
ヴィクトール・E...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×