がん治療で殺されない七つの秘訣 (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166609130

作品紹介・あらすじ

中村勘三郎さんが術後4ヶ月で亡くなってしまったのはなぜか? 「がんで亡くなった」のではなく「がん治療によって殺された」のではないか?――そもそも「がんは治療すべきもの」という考えが誤りなのだ。「がんの最期はたいへん痛む」「がん治療は手術が一番確実」「抗がん剤は寿命を延ばす」「がんは放っておくと転移してしまう」「早期発見・早期治療が大切だから、がん検診は受けるべき」という通念もすべてウソだ。こうした通念のもとに手術や抗がん剤治療が行われているが、その多くは、むしろ患者の寿命を縮め、痛みと苦しみを与えている。ところが、「がん治療体制」は人々の不安につけこみ、次々に新しい薬や治療法を売り込む。まさに「不安産業」だ。では医療に騙されないために、がんの患者・家族は、どうすればよいか? まずがんの本質を理解することだ。がんによる痛みや苦しみとされているものが、実は手術や抗がん剤による後遺症であることを理解するのがその第一歩である。とはいえ、実際に「がん」と宣告された患者・家族は、やはり不安を覚えるものだろう。そこで本書では、肺がん、胃がん等、がん発生臓器別に、具体的な対処法をも解説する。さらに今「救世主」のように扱われている陽子線・重粒子線治療や免疫療法などの「先進医療」の無意味さと、これが詐欺商法であることを明らかにする。そして最後に「『余命三ヶ月』はありえない」「無治療が最高の延命策」「セカンドオピニオンは違う病院の別の診療科を訪ねる」「検査を受けないのが最良の健康法」などの秘訣を伝授する。がん治療をめざして、かえって寿命を縮めないための必読書!

感想・レビュー・書評

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  • 2016年12月8日読了

  • とても勉強になりました。抗がん剤治療はしません。手術はできるだけ避けます。

  • 【がんは放置するのが一番長生きできる!】「摘出が最も確実」「放置すると転移する」「早期発見・早期治療が鉄則」という誤りを正し、個別の症例に応じた助言を提供する。

  • 近藤理論を理解するうえで大事なことは、がんの定義が近藤先生と他の医師では違うことを理解する必要があることです。
    他の大多数の医師にとっては、組織的にみて異常細胞(悪性細胞)であれば癌ということになります。
    これが医学部で学ぶ教科書的ながんの定義です。
    一方、近藤先生は本当のがんというのは早期から遠隔転移をおこすもので、その場で大きくなるだけのものは「がんもどき」と命名しています。
    いわゆる「がんもどき」理論ですね。
    多くのがん患者さんを診てきたからこそ考えだせた理論だと思います。

    http://ameblo.jp/nancli/entry-11765212388.html

  • がんは老化現象の現れだと思えばいい。
    そうすればあきらめがつく。
    その時点で自分自身の天寿なんだと。
    もう生きるだけ生き延びたんだから。
    じたばたしないで死んでいこう。

  • がん治療のウソを暴く本をたくさん書いて、一気に有名になった近藤誠先生の本の1つ。抗がん剤治療やがん切除手術は、患者の寿命を縮め、痛みを伴い、生活の質(QOL)を低下させるので止めるべきだと一貫して主張している。がんは、無治療で放っておいても痛みが出ることは稀であり、臓器を自然のまま残しておいた方がQOLを損ないにくく、結果としてより長く生き続けることができるとのこと。また、がん検診による早期発見も無意味らしい(良性だったらそもそも見つける必要はないし、転移するタイプの悪性だとしたら、目視できる大きさまでがんが育った時点ですでに手遅れ)。放射線治療はそれなりに有効らしいが…。
    著者の主張には仮定や憶測が多く、すべてを鵜呑みにすることはできないものの、現在のがん治療の多くが科学的・医学的な根拠を持たず、医療関係者の既得権益を守るために行われていることを暴いた功績は大きい。特に、抗がん剤の臨床実験を報告した論文における「作為的な不作為」のトリックを説明したくだりは、いかにもありそうなことだと思った。薬剤の実験に限らず、どんな実験でも「作為的な不作為」と「本当の不作為」を見分けることは、第三者にはほとんど不可能である(それどころか、論文を書いている本人すら、「作為的な不作為」を作為的だと気付いていないケースが多いんだろうな、と想像している)。どこの業界でも実験なんていい加減なものだと思うけど、人の命が関わるところではもう少し慎重にやって欲しいと思ったりしつつ、大学の医局も製薬会社も病院も既得権益でズブズブになっている以上、どうしようもないんだろうね。とりあえず、著者が巻き起こしたがん治療論争が、今後数年間でどのように推移するのか、じっくり見守りたいと思っている。(著者の主張の論理構成にも、多分に「作為的な不作為」が混じっているように思えるので、いろいろな人の意見や体験談を見守りつつ、何が正しいのか判断するしかない)

  • ひとつの意見

  • 「がん」には転移する「本物のがん」と転移しない「がんもどき」があるという。「がんもどき」はそのまま放置する。「本物のがん」は、がん細胞が出来た時に、既に血中にがん細胞が流れ出ているので、早期に発見してかつ手術をしても意味がなく、必ず転移するという。
    よって「本物のがん」であっても、手術しないで、鎮痛剤や放射線治療等で症状緩和を試みるだけに留める。その方が肉体的苦痛が少ないという。
    要するに著者は、「がん」で手術をしたり、抗がん剤を打っても寿命を縮め、身体がボロボロになるだけなので、「がん」になったら、ジタバタせずに「放置」し、自分の尊厳が保てるような安らかな眠りに入る心の準備をしなさいという。
    中村勘三郎や逸見正孝等の実例を挙げて、はっきりと摘出手術や抗がん剤が間違っていたと批判している。これで名誉棄損の裁判に訴えられないのが、不思議な感じがします。言われた方も必ずしも自分の判断が正しかったと言いきれないのではと、勘ぐったりしてしまう。
    この説が正しいか否かは判断できませんが、「がん」になったら、放置して静かに死を迎えるべきだという宗教的な境地の勧めでもありました。

  • 「医者を信じるな 無治療こそ 最高の延命策だ」
    こんな本に2泊3日の人間ドック中に出合ったのだった。
    検査中にこの本に出合うなんて、何という皮肉だろうと
    思いながら、購入、そして今日読み終えた。
    この本を読んで、腹をくくれた感じがする。

    エッセンスだけを抽出しておこう。

    <本から>
    がん治療で殺されない七つの秘訣
     秘訣1 手術医と抗がん剤治療医を信じてはいけない
     秘訣2 「余命三ヶ月」はありえない
     秘訣3 治療法には必ず選択肢がある
     秘訣4 無治療が最高の延命策
     秘訣5 セカンドオピニオンは違う病院の別の診療科を尋ねる
     秘訣6 検査を受けないのが最良の健康法
     秘訣7 がんとの共生をモットーにしよう

  • 病気になったら治療直するのが普通の考え方ですが、その方法はいろんな対応があるんだと思った。がんは最近身の回りにもなる人がいて、考えさせられる本でした。

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著者プロフィール

1948年、東京都生まれ。医師。「近藤誠がん研究所」所長。
73年、慶應義塾大学医学部卒業後、同医学部放射線科に入局、79~80年、アメリカへ留学。83年から、同放射線科講師を務める。96年に刊行した『患者よ、がんと闘うな』(文藝春秋)で抗がん剤の副作用問題を初めて指摘し、医療の常識を変える。2012年、第60回菊池寛賞を受賞。13年、東京・渋谷に「近藤誠がん研究所・セカンドオピニオン外来」を開設。14年、慶應義塾大学を定年退職。
ミリオンセラーとなった『医者に殺されない47の心得』(アスコム)ほか、『「健康不安」に殺されるな』『「副作用死」ゼロの真実』『コロナのウソとワクチンの真実』(和田秀樹氏との共著)『新型コロナとワクチンのひみつ』(以上ビジネス社)、『最新 やってはいけない! 健診事典』(講談社)、『医者が言わないこと』(毎日新聞出版)、『どうせ死ぬなら自宅がいい』(エクスナレッジ)など著書多数。
2022年8月13日逝去。

「2023年 『医者に殺されるなー僕が最後まで闘い続けた"医療不信"の正体」(仮)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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