生命はどこから来たのか? アストロバイオロジー入門 (文春新書 930)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166609307

作品紹介・あらすじ

惑星科学の第一人者・松井孝典氏が著わす「アストロバイオロジー」の決定版です。アストロバイオロジーとはNASA(アメリカ航空宇宙局)が命名した、生命の起源と地球外生命体の存在を追究する21世紀の生物学です。本書ではまず、「最古の生命体はなにか」などをテーマに、生命の起源と進化について論じます。そして、数千メートルの深さの海底や地下深部など、地球上の極限環境でも生き延びられる生物に着目します。なぜなら、こうした極限環境は他の惑星の環境と似ている点が多く、そこに棲める生物は、地球外でも生存できる可能があるからです。と同時に、深海で熱水がわき出る熱水噴出孔付近は、原始地球に近い環境にあるので、最古の生命体を特定する手がかりになるからでもあります。また、「宇宙には生命が満ち溢れている」ことを期待させる新発見も続いています。たとえば、地表で探査車が調査を進めている火星では、液体の水が大量に存在した証拠となる堆積岩や、水が流れたことを示す地層が見つかっています。木星の惑星の1つエウロパは、表面は厚い氷に覆われていますが、地下には海があると見られています。また、土星の最も大きな衛星であるタイタンでは、メタンの雨が降り、川のような跡を作っていることが確認されています。このタイタンの内側を周回するエンセラダスには活火山があり、地表に有機物が存在することが発見されました。これらはいずれも、生命が存在する、あるいは存在した可能性を示すものです。そして太陽系外では、地球と似た環境をもつと見られる惑星が次々に発見されているのです。惑星科学における最新情報満載の一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • いわゆるアストロバイオロジーについて、
    一人の著者が全体を見渡して書いた本は、
    そう多くはありません。
    そういった意味では貴重な書籍の一つです。
    とはいえ、著者は惑星科学者。
    生物学分野の内容がそこまで深く取り扱われているわけではありません。

    著者の松井氏はなかなか個性的な人物で、
    内容も、彼独特の哲学が感じられます。
    とはいえクセのある文章ではないので読みやすいでしょう。
    アストロバイオロジーは、まだ定説と呼べるものが少ない分野。
    いろいろな研究者の著書を読むことは大切です。

  • 内容難しい。
    赤い雨に含まれる生物の痕跡は地球外からきたのか?
    が、テーマなのだが、何故かワクワクしない。

  • 生命はどこから来たのか? 宗教観とも関わることで、かつてはこれを追求すれば火あぶりの刑になるほどのものだったという。
    システム(動的な平衡をもった)があれば、そこに生命の存在する可能性があり、他の天体にもそうしたシステムは見つかっていて、地球にしか生命がいない、ということは恐らくないのだろう。冒頭の赤い雨、にワクワクしながら読み進めると、話がアッチコッチに(そのアッチも、コッチも、面白いのだけど)いき、楽しみにしていたもう一つの赤い雨は、書けないこともあるのだろうけど、ちょっと拍子抜け。
    しかし本当に夢と探求がいっぱいの学問で、楽しみに見守りたいと思います。

  • 生命はどこから来たのか?というテーマについて、多岐にわたる研究分野の現状を紹介する。

    モノと生命と人間と意識とのギャップ。まだまだ大きいです。

  • 古代から現代までの生命論が簡潔にまとめられており、
    一通りの流れを把握することができる。
    しかし、生命の起源については、最新の研究結果に少し触れている程度なので、
    タイトルに惹かれて購入したのならば、多少がっかりするかもしれない。
    生命論を概観するのならば、よくまとまった本である。

  • タイトルに偽りあり。(本家フレッド・ホイルのパクリですね)
    後、文系の人には読みづらいんじゃないかな。

  • 文字通り、生命の起源について追求した一冊。

    「アストロバイオロジー」という未知の分野について、色々と知ることができた。

  • 【火星隕石中に生物化石が発見された!】惑星科学の第一人者・松井孝典東大名誉教授が、最新の宇宙探査データから、生命の起源と進化、地球外生命体の可能性について論じる。

  • meanwhile, N=1 and we can't go to past or the edge of cosmo now. the space has the creature of the including the virus without Earth(N) too.

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著者プロフィール

1946年静岡県生まれ。
1972年東京大学博士課程修了。
複雑理工学、地球惑星科学専攻。
現在、東京大学大学院教授。
著書 『宇宙人としての生き方』
『お父さんと行く地球大冒険』(以上岩波書店)
『惑星科学入門』(講談社)
『一万年目の「人間圏」』(ワック)
『地球・宇宙・そして人間』(徳間書店)
『宇宙誌』(徳間書店)など多数。
テレビ出演・雑誌等で活躍中。

「2005年 『「人間圏」の未来』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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